多様なステークホルダーの対話の見える化から方向性を見つける〜八尾市観光振興プラン素案
八尾市の観光振興プラン 検討会議の素案を納品しました。
様々なステークホルダーで対話を見える化しながら会議を進めていく
八尾市観光振興のステークホルダー、その中でも、キーマンの方と共に進めてきた観光振興プラン検討会議。途中、コロナの感染拡大で、準備してきたイベントが開催できなかったり、いろいろありましたが、2年間かけて進めていく会議の途中まできました。
町の基盤となるインフラを支えておられる方から、ものづくりをされている方、商店街を盛り上げておられる方、博物館を盛り上げながら八尾のことを人一倍考えておられる方、八尾市観光従事者、実践者(プレイヤー)、八尾市職員の方も交えて、全て本気の対話、ワークショップ形式で進めてきました。ご自身の仕事や活動で忙しい中、貴重な時間を割いて平日の夜に集まってくださる委員のみなさまの意識の高さにも、八尾市の魅力を感じます。
もやもやする時って、既存の価値観の枠を越えた出来事と直面しているとき
今年もまだ続きますが、一旦素案が形になって、ホッ。
場づくりは生き物。
どんな場になっても100%満足することはないし、その時うまくいかなかったように見えても、その痛みが次への原動力になったりするから、信じて進み続けるしかない。
落とし所ありき(はじまる前から答えを決めてそこに落とし込んでいく会議)に慣れてしまうと、ワークショップのようなすすめ方は、居心地悪く感じることもあります。一見、答えがないように感じるもやもやの中に留まる会議はしんどいと感じるだろうし、不安や恐れが生まれてくることもある。私たしは応えありきの教育を受けてきたし、それが自然だとも思います。
一方で、「もやもやする」時って、既存の価値観の枠を越えた出来事と直面しているときでもあるので、そこに向き合うのは、新しい価値が生まれたり、これまで気づかなかったことが見えてきたり、変容をもたらす可能性も秘めている。
多くの人は、この先の見えないもやもやが怖くなったり耐えられなくて「そもそも目的は!」と焦ったり苛立ったりしてしまうのだけれど、プロセスデザインを丁寧にしながらそのもやもやを越えた時、自分自身の変容を感じる人が現れて、それを体験した人は、変容の波の源泉になると感じます。
誤解を恐れずに文字にすると、私自身は、答えが大切な時代はもう終わったのかなと感じていて、答えを決めてしまうことは確かに一時の安心感や魔法のような居心地の良さを生み出してはくれるけれど、同時にめざすものを一つに決めてしまうような気もします。それよりも、お互いを無理なく認め合いながら進んでいける問いをもつことの方が大切なんじゃないか。と感じるのです。
「グラフィックファシリテーションで何を意識してい描いているのですか?」と時々聞かれるけれど、マニアックですが、描きはじめて1年経ったころから、「話してに問いかけるように描く(あなたが言いたいのはこんなこと?あなたの気持ちはこんな感じ?)」「聞こえてきたことをジャッジメントせずに描く」は変わらないあり方の一つです。
共創の場づくり
もやもやは既存の価値観の枠を越える大事なゾーンなんだけど
それに慣れてない方は「今回の落とし所はなんなんだ!」「目的は何だ!」と収束を急いでしまうこともある。そんな声も大事にしながら場をホールドして進めていくのは、一人では到底難しい。八尾市産業振興会議では、スーパー公務員松尾さんにかなりの時間もリソースもコミットしていただき、委員のみなさんにも協力していただいて約15回の会議を進めてきました。
観光振興プラン検討準備会議は、委員のみなさんだけでなく、職員のみなさんもワークショップでの実施がはじめての方も多い中で、覚悟を決めてこの進め方に一歩を踏み入れてくださりました。そんな背景で、できるだけホールドする目と手と体を増やして進めていくために、わっきーさん(中脇健児さん)という強力なファシリテーターに仲間になっていただきました。
わっきーさんは、さまざまな場でのワークショップデザインだけでなく、ファシリテーターとして、グラフィッカーとの共創も経験しておられます。会議の結論を出すことに従事するのではなく、場が成功するだけでなく、参加者や運営メンバーが、自分の得意を生かして活躍できる舞台を創出してくださる方だと感じています。
グラフィッカーには二瓶さん、やすさん、かよちゃん、みーにゃん、カメラマン(時々グラフィッカー)として拓海さん、見えないところでは、慶子さんと耕平さんが支えてくれていて、一人ではできないことに挑戦しました。
にへーさん(二瓶智充さん:100名を超える関西福祉グラレコグループ〜むす部〜の代表として、グラフィックレコーディングを通じて福祉業界を中心に盛り上げておられます。最近クッズも制作されていて要チェックです。)
やすさん(井上保夫さん:会社員と働きながら、その人生の経験と専門知識を生かして、場をホールドしたりコメントを返しながらファシリテーターとしてグラフィックを活用されています)
かよちゃん(永阪佳世さん:公務員として働きながら、グラフィッカーとして様々な場での経験を積み重ねている若手ホープ)
たくみさん(布川拓海さん:プロカメラマンかつ時々グラフィッカーとしても場を支えてくださります。)
みーにゃん(奥野美里さん:コクリエラボでコワーキングを運営されながら教育現場や各地でグラフィックを活用したファシリテーターとして活躍されています)
この場を報告会形式、順番に意見を発言していく形式の会議ではなく、難しいと感じることもある中で、委員のみなさんと対話を通じて進めていくワークショップにすることを決めて実行に移された八尾市経済環境部産業振興課魅力創造係のみなさんの思いと、覚悟、そして、座長、副座長、委員のみなさんの協力があったからこその場だと思います。
まだ、会議の途中。今年は、より具体的に、そして、先の見えないコロナ禍の中ですが、複雑で曖昧なこの状況の中にとどまりながらも進んでいけるように、どうぞよろしくお願いします。
もっと八尾について知りた方へ
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