#06 必死に転職活動したからこそ見えた雲の上 #06 Career Journal
転職活動を通じて、私の強み探し、ありたい姿探しを全力でがんばってきた。全く思い通りには進まなかったが、雲の上には地上からは見えなかった景色が広がっていた。
キャリアコンサルタント
講習では、キャリアコンサルタントの目的、関連法規、カウンセリング、キャリア理論、自己理解、メンタルヘルスなどを総合的に学んだ。臨床心理士は、カウンセラーとして心が病んでしまっている人を支援できる技能があるが、キャリアコンサルタントは通常の人をよりよい未来へ支援していくものだと感じた。
カウンセリング技法とメンタルヘルス・精神障害を学べたことが良かった。私は普通の人なんていないと思っている。みんなどこか人と違うし、それを個性という。違いを認めて尊重し合う方が生きやすい。
しかし、空気を読んでみんなと歩調を合わせて行動する、みたいなことを無意識にやっている人が多いと思う。みんなと合わせることが、息苦しい原因になっていることに気づけない人も多い。
個性を学び、その人に合わせた付き合い方をすることや、その人の個性にあった生き方の提案ができるようになった。
組織マネジメントとコーチング
会社の研修で学んだのは、組織マネジメント研修という言葉通り、会社の方針や目標を前提に目標を設定し、チームがともに歩むためのコーチングだった。問題や課題をチームメンバーに言語化してもらい、ありたい姿をマネージャーと共有し、ありたい姿を実現するようにチームで行動するためのコーチングをする。VUCA時代にあった良い組織マネジメントだ。コーチングの面白さも教えてくれた北方先生に出会えたのは本当に幸運だった(北方先生の詳細はエピローグ)。
内観とコーチング
コーチ養成講座は組織マネジメントとは全く違っていた。私が受けたコーチングは臨床心理に近いもので、『内観』という過去の自分に向き合う手法だった。
長く生きれば生きるほど経験が増える。親をはじめ家族や学校、職場の人間関係の影響が大きい。経験はいい面もあるが、やらない理由・諦める理由など、自分が行動できない『足枷(あしかせ)』を無意識に作ってしまう。大人は単純じゃないので、足枷ができてしまうと頭では理解できても行動できないことも多い。未処理のまま圧し殺した感情が心の底に溜まっているのが原因で、前へ進むことができなくなる。
なぜそのような足枷があるのか、コーチの問いによって向き合い続け、感情を吐き出すと、これまでと価値観や解釈が変わる。本当の自分に出会える。本当に自分のやりたいこともみつかる。とても素敵なメソッドだと感じた。
臨床心理学のロジャーズの来談者中心療法、エプストンとホワイトのナラティブ・セラピー、サビカスのナラティブ・アプローチ、パールズのゲシュタルト療法(認知行動療法)、エリスのABCDE理論などを組み合わせた手法に近い印象だった。
私のありたい姿
ただ転職をするだけなら簡単だ。でも、その仕事は本当にやりたかったことなのだろうか。私の転職活動はまちがっていた。本当にやりたい仕事以外にもたくさんの求人に応募してしまった。それは、転職を決めることをゴールだと思い込んでいたからだろう。希望しない企業に転職が決まらなくてラッキーだった。
転職活動を通じて『心の底からやりたいこと』の自問自答を繰り返し、言語化できるようになってきた。
転職は成しえなかったが、キャリアに対する知識や、カウンセリングの技術も高まった。大学の時に学んだ教育学や事業会社でのキャリアやマネジメント経験など私の強みを統合して、過渡期の人を支援したい。
私は相手のことを思うからこそ、私が損をするかもしれなくても、言うべきことはストレートに伝える。ただ、言葉、特に事実を突きつけることは凶器にもなる。相手が受け止められる言葉で伝えることにこだわっている。
しあわせのキーワードは主体性
私は主体的に生きることが幸せへの近道だと信じている。何か選択する時に友だちに合わせたり、周りの雰囲気に合わせたりしてしまう。それは楽だからだと思う。考えて決断するのはエネルギーがいる。人に合わせちゃえば、楽だしわだかまりも生みにくい。人はそれを経験で知ってるのだろう。でも、人に決められた上に失敗したなら、愚痴のひとつも言いたくなる。自分がやりたい道に進んで欲しいし、自分が選んだ道なら失敗しても納得いくだろう。
転職活動を通じて、やっと私が本当にやりたかったことが見えてきた。これをどうやって実現するか、ワクワクする未来がだんだん見えてきた。