和田誠展に行きました。
このために京都に行きました。
京都駅は大きい。デカイ。
大好きな駅です。屋上にはこんな開放感のある場所があります。ただし、お弁当を食べる時、気をつけないとトンビに狙われます。
では会場に向かいます。
今、和田さんってあまり知られていないのでしょうか。この前ラジオのパーソナリティの女性が「存じ上げないのですが」と言っていました。デザインは絶対に見たことがあると思います。夫は知っていました。誘いましたが断られました。
私は、このチラシを見た瞬間に「これは行かねば」と思いました。今日行こうと思い立ちました。平野レミに似ていると言われたから・・・と、それはないです。
会場に入る前にも、たくさんの作品がありました。さすが。すごい。これ、ビートルズですよね。
百貨店の中の美術館ですから、広くはありません。
壁の周りに、本物のデッサンとかノートか、和田さんが関わった貴重な雑誌の現物とかがガラスケースに置かれています。壁には作品群。原画もあります。年代を追って「和田誠になるまで」とか、学生時代、会社に入って、などわかるようになっていました。
そして、せまい会場を補うためかな、と私は思ったのですが、会場の真ん中に柱が何本も立っています。これも表現なのかもわかりません。こちらも年代ごと、もっと細かく年齢ごとに足跡がわかるようになっていました。柱の4面に展示してあって、年号と年齢を順に追っていきます。かなりの歩数になりました。本人の言葉もあっておもしろかったです。柱は何本あったのだろう。
私が印象的だったのは、やはり絵本です。谷川俊太郎さんと組んだ絵本に、ずっと昔からなじんできました。星新一さんの本も。原画もありました。原画って展覧会だからこそ見られますね。いつも楽しみにしています。
その他に、なんとまあたくさんの仕事をされてこられたのでしょう。映画が好きで、その関連もたくさん。作詞作曲もされるし、映画の監督とか、舞台の演出、もちろんポスターも。
会場内は動画以外は撮影OKだったのです。もう普通ですね。私の主義から、なるべく写さないと思っていたのに、撮影可能となると、ブロガー魂(そんなものがあるのか)がうずいて・・・。「一枚だけ」「もう一枚だけ」と、結局5枚くらい写しました。
その中で、私が一番写したかった作品がこれ。マザーグースを屏風に仕立ててあります。
一見して和田さんらしくないけど、和田さんらしい素晴らしい作品になっていると思いました。下の方にはよく見ると楽譜があります。
柱展示から2枚。下のは、ドリカムのCDジャケット。和田さんと言えば、あの意思のある線やベタ塗りが特徴ですが、こんなふうに、いろいろな表現をされています。最後の柱の最後の面でした。83歳で亡くなっています。
そして、言わずと知れた週刊文集の表紙。まあ、たくさんありました。40年間だそうです。
私の結論。和田誠さんは天才です。絵の才能を持って生まれてきました。小さい頃の絵をお母さんが取っておられました。そして他にも多彩な才能を発揮しておられる。それがちゃんと世の中に認められて賞もたくさん取られています。
もちろんそこには、本人の努力があったと思います。でも、好きなことを思いのままに一生懸命されてこられたのでしょう。自分の思いが溢れるままに。それはとても幸せな人生だったでしょうね。
先ほどにもちょっと書きましたが、和田さんの絵は他の誰にも描けない特徴があります。そのひとつが「線」だと思います。画家やデザイナーってみんなそうなのかもわかりませんが、素晴らしい。これ以上でもこれ以下でもなく、そこに必然にある「線」が美しい。
たくさんの人と仕事されて、たくさんの交流がありました。その風貌にみなに慕われた人柄が表われていると思います。
グッズ売り場の壁に、平野レミさんが落書きのように、「これからも和田さんをよろしく」と書いてありました。
最後にこれを。
一番右の上は、郵便切手の歌シリーズ「上を向いて歩こう」
坂本九ちゃんに似せて書いたそうです。そのまま。これ、好き。やさしい気持ちが表われています。似顔絵も得意でしたね。
図録がもう少し薄くて、安かったら買って帰ったのになあ。
結局1時間半、2時間近くいたことになります。足が棒のよう。少し奮発して美々卯で湯葉うどんを食べたら元気が戻りました。