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死んだ男の残したものは~谷川俊太郎

谷川俊太郎さんの続きです。

たくさんある詩の中に、『死んだ男の残したものは』というのがあります。先日の、編集委員、吉田純子さんもこの詩に触れておられました。

『死んだ男の残したものは』


 ベトナム戦争のさなかの1965年。「ベトナム平和を願う市民の会」のために、谷川俊太郎が詞を書き、それを「明日の集会のために曲をつけてほしい」と作曲家、武満徹に依頼。武満は要望通り1日で曲を完成させた。当日、友竹正則によって披露された、反戦歌のひとつ。(Wikipediaより)

それ以来、たくさんの人たちに歌い継がれています。賠償千恵子、森山良子、石川セリ、小室等など。そして、今夏亡くなった高石ともやさんも歌っています。

これにはエピソードがあります。この曲を歌いたいと思ったともやさん。最後の連を削りたかった。その許可を得るために、谷川さんのマンションを訪れたそうです。谷川さんは、自分の作品は、世に出てしまえば、世の中のものと言って、「いいよ、いいよ」と快諾してくださったとのこと。

この話は、ともやさんのコンサートで何回も聞きました。どっか違っていたらごめんなさい。

歌はこう始まります。

死んだ男の残したものは
ひとりの妻とひとりの子ども
他にはなにも残さなかった
墓石ひとつ残さなかった

最後の連。

 死んだ歴史の残したものは
 輝く今日と また来る明日
 他には何も残っていない
 他には何も残っていない

『死んだ男の残したものは』より引用

ともやさんの歌にはありません。その前で終わりたかったのでしょう。
ここも良いです。
何も残らない、残せない。そんなふうにむなしく、つらい中にも希望が見えて、この詩が好きです。

せっかくですので、是非聴いてみて下さい。他の方のも。


絵本と谷川さん

絵本でも、谷川さんの言葉とたくさん出会いました。
和田誠さんとのコラボの絵本もたくさんあります。和田さんも亡くなりましたね。

今度、読み聞かせのクリスマス会で、私がチャレンジするのは、その1冊。これです!

うーーむ、これでは、指先の「蚤のぴこ」が見えない。

絵本は、「これはのみのぴこ」「これはのみのぴこのすんでいるねこのごえもん」「これはのみのぴこの・・・・・・」(絵本より引用)
と、どんどん増えていくのです。
さあ、どこまで行くのでしょうか。紙芝居方式。楽しんでくれるかな。(練習するけど、ぶつけ本番が得意な そらおばさん)


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