小林エリカ『彼女たちの戦争——嵐の中のささやきよ!』
Webちくまに連載していたときから楽しんでいた小林エリカ『彼女たちの戦争——嵐の中のささやきよ!』を読む。
世界中でその名を知らぬものはいないナチス・ドイツの犠牲者、アンネ・フランクから、アインシュタインの相対性理論にも貢献したであろう「悪妻」のミレヴァ・マリッチ。孤高の詩人、エミリー・ディキンスンや、ミューズとして男の作品として刻まれたかもしれないが、自らの名は歴史に刻まれることのなかったカミーユ・クローデルまで、ともすれば「男」が引き起こした「戦争」の中で生きなければな