oasis 「morning glory」

このアルバムは「90年代の奇跡」だと思う。

「90年代のビートルズ」と言われたオアシスだが確かに「モーニンググローリー」のようなアルバムを出し続けることがあったならビートルズのような存在になっただろう。

前作の「オアシス」では自分が「ロックスター」になりたいんだということと、「労働者階級であること」を歌っていた。

「労働者階級の英雄」という曲を書いたジョンレノンだが実は裕福な家庭の生まれで労働者階級ではなかった、家庭環境は複雑だったかもしれないが…しかしピストルズのジョンライドンやギャラガー兄弟は労働者階級だった。失業手当を受けて育ったこともあったそうだ。

「モーニンググローリー」は今も売れ続けていて全世界で2500万枚とも言われている、「労働者階級から、ロックスターへ」ギャラガー兄弟は「労働者階級」から「労働者階級の英雄」へと成り上がったのであった。

自分の書いた曲にいつも絶対の自信を持つノエルだがアルバムがここまで素晴らしい完成度になるとは本人も思わなかったかもしれない。イギリスだけでなく「オアシスの歌」は世界中に轟いたのだ。

そしてこのアルバムの完成度は凄い、当時オアシスはブリットアワードの賞やチャートをブラーと競っていたが、こんなアルバムを出されたらどんなバンドでも敵わないだろう。

「don’t look back in anger」
はイギリスでは国民的な名曲となった。ライブアルバムの「familiar to millions」ではウェンブリースタジアムにいる7万人もの大合唱が聴ける、自分がこのライブアルバムでこの曲を聴くといつも鳥肌が立ってしまう。

「サリーは永遠に立ちすくむもう手遅れなのを知っているから」

「頼むからロックンロールバンドなんかに君の人生を委ねないでくれ、自分にさえ責任が持てないような奴らに」

「ビートルズと同じ存在になれるのは俺たちしかいない」そう歌っているようにも聴こえる、自分は勝手にそう思った。

「champagne supernova 」
曲を演出する波の音が終わりこう歌い始める、

「どれほど多くのスペシャルな英雄が変わり果てたか」

「どれほど多くの人間が奇妙な生活に慣れていくか」

「いつかは俺もそんな場所で発見される筈、奈落の果てまで続く地滑りの下で」

「シャンペン三昧の生活が約束された天国で」

「いつかは俺もそんな場所で発見される筈」

「世界は相変わらずくるったように逆転し続け、誰もその理由を知ろうとしない」

自分はこの曲は「don’t look back in anger」以上の名曲だと思う。あまり詩に意味を込めないノエルだが、こういった詩と美しいメロディが重なると感動を覚えてしまう。ただの歌メロで終わらない、意味深い曲だと思う。

「hello」「roll with it」「wanderwall」「some might say」「cast no shadow」「she’s electric」「morning glory 」は当然全ていい曲です。とにかく聴いて欲しいです。

そしてこの曲を聴くと、辺はもう真っ暗だったネブワース公演で元ストーンローゼズのジョンスクワイヤがギターを弾いていたシーンを思い浮かべてしまう。ネブワース公演のハイライトだったと思う。

ネブワース公演でノエルギャラガーは

「これは歴史だ」と叫んだ。

そして「モーニンググローリー」とネブワース公演を行った僅かな間かもしれないが、オアシスはビートルズのような存在になりえたバンドだった。そして公演に来た25万人もの人々は「音楽で何かが変わるのではないか?」そう思った人もいたかもしれない。

ノエルギャラガーはドキュメンタリー映画「スーパーソニック」で

「いつも思うのはネブワースはインターネット誕生前最後の素晴らしい集まりだった」と

「今ネブワースのような出来事が起こらないのは偶然じゃない」

「音楽界最大の出来事は公営住宅からバンドが出てきたこと、今この時代では起こることはないだろう」とそしてこうも続ける

「彼らは(客は)一生あの気持ちを忘れないだろう」

「俺たちと皆の間には何が通じ、磁石のように引きつけあった」

そして「be here now」がリリースされる、アビーロードスタジオで製作されたそうだ。別に悪いアルバムというわけではない、だだ「モーニンググローリー」が良過ぎたという話だっただけなのである。

イギリスに「モーニンググローリーがリリースされた後のオアシス」のような奇跡を起こすバンドは出てくるだろうか?コールドプレイやアークティクモンキーズがそうだっただろうか?全然違うと思う。

昔ギャラガー兄弟のインタビューでこんなことを言っていた、ノエルかリアムか忘れたが。

「お前ら一体俺たちに何を期待してるんだ?魔法使いでもなんでもないさ、マンチェスター出身のただの酔っ払いさ」

ここでいう期待とは「モーニンググローリー」のようなアルバムがもう一度リリースされることなのであった。

まだ「モーニンググローリー」を聴いたことがない人は聴いてみて欲しい、オアシスが1995年にリリースした奇跡のようなアルバムです。

動画はデビューしたてのギャラガー兄弟、このインタビューの数年後本当にビートルズのようになる。





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