ストレスフルな相手との関わり方
これまでのNOTE、デフィロンメルマガ等で、
・自分の内面に生まれてくるストレス感情のメカニズム
・ストレス感情との付き合い方、2ステップ
など、ご紹介させていただきましたが、
「身近にいるストレスフルな人に悩んでいます」
といったご相談もよくいただきます。
ということで、
今回は、他者との関わりにおいてストレスフルな状況と、
どう付き合っていくのが良いか、ご紹介したいと思います。
■ ストレスフルな人との関わり方、一番の対策
さて、いきなり冒頭から、一番の対策を述べます。
それは、
「できるだけ関わらない」
ということです。
「え…関わらざるを得ない状況だから、悩んでいるんですけど!」
といったツッコミが入りますよね。申し訳ございません。
「関わらないこと」をおススメしている一番の理由は、
感情は伝染するためです。
感情の伝染については、以下のようなエピソードがあります。
楽しく会話する二人の生理機能を測定することによって、
感情の同調作用をとらえた。会話を始める時点で二人の
肉体は別々のリズムで動いていたのに、15分の会話が
終わる頃には、二人の生理機能データはきわめて似た
数字を示したのである。
参考文献:EQリーダーシップ ダニエル・ゴールマン著
心理学ではこの現象、「鏡映」と呼ばれています。
ネガティブでもポジティブでも同様に感情は伝染します。
つまり、
ストレスフルな人と関わる時間が長いほど、
自分自身も、イライラ、シクシク、ブーブー、
といった感情が芽生えていきます。
(写真:こんな解放感のある場所で仕事してみたい)
■ イライラしている人が求めていること
そして、やがて自分自身もストレスフルになり、
それがあなたの周りの方々へも同様に伝染していくのです。
では、それでも関わらないといけないときにどうするか?
心理学的に言うと、ストレスフルな感情とは、
その人が求めていたことの裏返し、と言われています。
例えば、
職場でイライラして、周りを攻撃している人が
いたとします。
そのときの言動として、
「なんでこんなこともわからないんだよ!」
「この資料は17時までに欲しいって言ったよな?」
と言っています。
この言動から、その人が求めていることとして、
・仕事の能力
・時間の枠組み
であることが、分析できます。
この場合、取るべきコミュニケーションを必要最低限とし、
その人が求めてくれることのみで、やりとりすると良いです。
(写真:おいおい、ドラえもん、求めすぎだろ)
■ ふだんのちょっとした会話の中で
・仕事の能力
・時間の枠組み
イライラしている人が求めているこれらについて、
ふだんのちょっとした会話に入れていきます。
例えば、「仕事の能力」について、仕事の帰り際、
>Before
「〇〇さん、お疲れ様です、今日もありがとうございました」
>After
「今日の〇〇さんの話、とても勉強になりました。参考にします」
と、感謝の言葉ではなく、その人の能力を承認する
言い方に変えるのです。
他にも、
「仕事速いです」
「資料わかりやすいです」
「いつも結果出してますよね」
といった一言も良いです。
また、「時間の枠組み」を取り入れると、
>Before
「〇〇さん、今ちょっと大丈夫ですか?」
>After
「〇〇さん、今3分だけ良いですか?1点確認いただきたいことがあります」
と、会話の中に、数字と目的を入れて話すと良いです。
こういったコミュニケーションが積み重なると、
相手は、
「この人はコミュニケーションが取りやすい」
という印象が生まれていき、結果、
「仕事で頼れる存在だ」
といった心理的な変化が起こりやすいです。
もちろん、イライラには他にも様々なパターンがあります。
相手が深層心理に求めているものを分析し、
コミュニケーションに取り入れることができれば、
ストレスフルな相手との関係性も改善することがあります。
(写真:角が生えてますね)
■ 一言で解き放つ、荒療治とは?
相手を変えることはできないが、
相手との関係性を変えることはできる、と信じています。
ただ、それでも相手がイライラして貴方を攻撃してくるとき、
あると思います。
心理学的には、いつもイライラしている人、
ストレスの深い状態は、無意識の行動であると結論づけています。
無意識、つまり言っている言葉や態度に
その瞬間、自覚がないのです。
しばらく時間が経ってから、
「あのとき、言い過ぎたかも」
「言わなきゃよかった」
とストレスフルな人も後悔することがあります。
最後に、これは荒療治ですが、そのような相手への
効果的な一言。
もし、イライラした相手に攻撃をされたと感じたその瞬間に、
「今の言葉、もう1回、言ってもらえますか?」
と冷静に、無表情で言ってみてください。
(写真:冷静に、無表情で言うときのイメージ)
その先の言葉は不要です。
この一言で、相手を無意識なイライラから、
解き放つこともあります。
しかし、これはあくまで荒療治。
冷静さが相手に伝わらないと、
炎上するきっかけにもなりますのでご注意を。
もちろん、
「これ以上、こんなイライラした人とは関わりたくない」
と思い悩みながら、日々仕事を頑張っている方も
たくさんいらっしゃると思います。
今後も様々な事例や対処法を
ご紹介していきたいです。
また、詳しくは弊社の心理学セミナーで、
事例を交えつつお伝えしています。
もしご興味があれば、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。