ユーモア。まず最初にユーモアを。ユーモア最強説
ストレスケアやメンタルヘルスなどの研修を
提供させていただく中で、ときどき、
「児玉ちゃんさ~、わかるんだけど~、
こんな世の中だしさ~、なんか、楽しい話ないの~?」
的な、ノリをいただくこともあります(笑)
そこで今回は、読んでいただく皆様の
気持ちが楽しくなるような、
「ユーモア」
について、心理学的な観点から、
考察してみたいと思います(←まじめか!)
■ 張りつめた空気が漂う中で
とある会議中の出来事でした。
その日は張りつめた空気が漂っていました。
佐藤部長(仮名)が、突然立ち上がり、
みんなと少し離れた場所に動きました。
すると、そこにあった空気清浄機が
突然動き始めました。
「クウキノヨゴレヲ、キャッチシマシタ」
と音声が流れました。
佐藤さんが、
「え・・・バレた!?
この空気清浄機やるなぁ、
オレのオナラをキャッチしちゃったよ」
参加されていた皆が笑い出しました。
張りつめた空気が漂っていた会議室でしたが、
佐藤さんは、生理現象によって、
二つの意味で空気を変えました。
もうなんといいますか、
笑いの神が匂いのついたスモークを焚きながら
登場された瞬間に立ち会ったような経験でした。
その場にいた僕含めて、みんなが佐藤さんに、
親近感を抱いた瞬間でもありました。
そこから会話が活性化していきました。
職場でユーモアは重要だ、といつも思います。
ユーモアは、
コミュニケーションを活性化させ、
人の結びつきを強化してくれます。
それだけでなく、思考を柔軟にしてくれて、
よりクリエイティブな発想を促すこともあります。
(写真:これ笑いました。無惨様・・・)
■ ユーモアに関する数値事例
心理学的にも、ユーモアが得意な人ほど、
・直感が鋭い。
・0→1の創造力が豊か。
・今この瞬間への集中力が高い。
と言われています。
また、職場におけるユーモアの効果については、
様々な事例があります。
ユーモアのセンスがあるリーダーは、冗談を言わないリーダー
に比べて27%多く、部下のモチベーションを高め、尊敬を得ていた。
その部下のエンゲージメントは15%高く、創造性に関わる課題を
解決するチームの数は倍以上だった。
セールストークの最後に、「これ以上は値下げできませんが、
うちで飼っているカエルをおまけに付けましょう」などと、
愉快な一言を加えるだけで、顧客の購買意欲が18%高まった、
という研究結果もある。
参考文献:ハーバードビジネスレビュー、2021年2月号
How to Be Funny at Work
どうやら、ユーモアが、仕事の生産性すらも
高めてくれるのは間違いないなさそうです。
しかしながら、職場では、
「冗談言ってる場面じゃないよ」
「もっと真剣にやろう!」
「歯食いしばってやれよ」
「欲しがりません、勝つまでは」
のように、
・仕事は真剣にやるべき。
・仕事とプライベートの区別をつけよ。
・頑張った後に楽しいことがある。
といった価値観が日本は根強い印象です。
心理学的には、順番は逆だと感じます。
「まず最初にユーモアを」
です。
(写真:これも笑いました。ベジータ・・・)
■ SNSでバズる内容の共通点
「まず最初にユーモアを」
なぜなら、
ユーモアは、人と人のつながりを生み出し、
それをさらに強化してくれるからです。
例えば、SNSを見ると、
・まだ知られていない最新情報
・癒される可愛い動物のモフモフ動画
・心が奮い立つ熱い言葉
・クスっと笑える話
など、いろんな言葉、写真、動画が飛び交っていますが、
バズっているのは、「クスっと笑える話」が多いです。
「バズっている」つまり、
たくさんの人が共感し、広めてくれているのです。
つまり、ユーモアとは、
「面白い!これを誰かと分かち合いたい。伝えたい」
という気持ちが最も高まりやすい、
強力なコミュニケーションアイテムではないでしょうか。
職場では、「まず最初にユーモア」があることで、
円滑なコミュニケーションが生まれ、
イキイキと仕事できるようになれると思います。
では、具体的にどのようなユーモアが良いのでしょうか?
冒頭の佐藤部長のような、ユーモアセンスは、
ハードルが高いこともあります。
仕事の始め、朝の始まりに、
ちょっとした楽しい会話を入れるなど、
誰にでもできることがあります。
例えば、多くの職場では、朝礼があります。
そこでは、
・リーダーが語る
・目標数値やスケジュールの確認
・社訓の唱和
などがよく行われていますが、
・嬉しかった話
・楽しかった話
など、仕事と関係のない、
プライベートな話をすることを強くお勧めします。
(写真:どうやらこういうのが僕の笑いのツボみたいです)
■ 20世紀心理学の発見「墓場で口笛」
ユーモアとは何か?
・事実を抽象化したときに発生するもの。
・緊張と弛緩のはざま。
・ヒトだけが持っているもの。
心理学でも様々な考察がされてきました。
20世紀心理学、最大の発見の一つと言われているのが、
「墓場で口笛」
という言葉があります。
どんな環境(墓場のような場所)にいても、
自分の行動を楽しく振舞う(口笛を吹く)ことで、
楽しい感情を作れる、ということです。
つまり、
「人は楽しいから笑うのではなく、笑うから楽しい」
感情が行動を作るのではなく、
行動から感情は作られる、
ということです。
・ジェスチャーを増やす
・ストレッチなどで姿勢を動かす
・笑顔を作って声を出して笑う
どうやら、日々のちょっとした行動の変化が、
楽しい感情を作ってくれるみたいです。
(写真:皆さんと笑いのツボが違わないか、だんだん不安になりながら、
画像を選びました・・・)