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約半年間の豪ワーホリまとめ

ワーホリを終えて…

まだ3回目の投稿ですが、豪ワーホリのまとめ記事となります。
2024年1月中旬〜7月中旬まで、約半年間のワーホリ生活でした。
最初にワーホリ生活を終えた現在の心境を述べておくと、月並みですが
「行って良かった」
この言葉に尽きるかなと思います。

もっとも、私のワーホリの目的は"コミュニケーション能力の向上""今後の自分について考える"というものであり、定量的な目標は存在していませんでした。
なので、最終的にワーホリがどうだったかという判断は完全に私の主観になるわけですが、現状は「行って良かった」と感じられています。

ただ、この結論だとあまりにもフワフワしているので、振り返る意味も込めて、半年間で得られたものを具体的に言葉にしていきたいと思います。

①今後の目標が明確になった

私は現在25歳で、前職を完全に退職したうえでワーホリをスタートしていたので、帰国=職探しがスタートするというのは渡豪前から明確でした。
なので、出稼ぎのごとくたくさん働いて貯金を増やすとか、英語がペラペラになるといった王道の目標以上に、今後自分がどんな仕事に就きたいのかどのように生きていきたいのかを明確にするというのが何より大事なミッションでした。

目立ったスキルを持っているわけでもない私は、ワーホリから帰った自分が何をやっていくのか渡豪前は想像もできませんでしたが、約半年間のワーホリ生活を経て、将来自分でエッセイを執筆したいと考えています。
ただ、いきなりそれができるわけではないので、まずは出版社での勤務を目標に仕事探しを行っています。
編集者等の立場から本の世界に携わり、業界内での繋がりも作っていくことができれば、後に自分の本を作る際もよりスムーズにいくのではないかと考えたのです。

まだ業界調査はとても浅いものなので、調べていくうちに志望ポジションが変わることはあるかもしれませんが、ここからの日本での生活では本の世界に照準を合わせて進んでいくつもりです。

なぜ本を書きたいと考えたのか?については長くなるので最後にまとめます。

②コミュニケーションに対する苦手意識の改善

前職のライター業は仲間にも恵まれて楽しく働いていたのですが、コミュニケーションの面で壁にぶつかることが多くありました。
新人さんの指導を担当した際には、伝達力や指導力が不足していたために業務の進め方がずれたり、良くない勘違いを引き起こしてしまうこともしばしば…。

これから自分がこの会社で働き続けるとしても、転職して別の会社に行くとしても、このコミュニケーション面の課題にこのタイミングで向き合わないと活躍しにくいだろうし、またどこかで同じ壁にぶつかることは容易に想像できたので、課題解決の手段としてワーホリを選択しました。
25年の人格が半年の海外生活で180°変わるわけはないのですが、渡豪前の僕と比べればコミュニケーションに対する苦手意識は格段に薄くなったと感じています(話がうまくなったとは言ってない)。

というのも、オーストラリアは物価だけでなく家賃もとても高いので、日本のようにアパートを借りて完全な一人暮らしをするというのは難しく、ほとんどのワーホリ勢がホームステイ・シェアハウス・バックパッカーズホステル等で生活しています。
私もホームステイ4ヶ月、シェアハウス2ヶ月という内訳でした。

いずれもオウンルーム(一人部屋)を与えてもらっていましたが、当然自分の家ではないため、何をするにもファミリーやオーナーとのコミュニケーションが必須になります。
1軒目がG屋敷だったり、2軒目では支払いのことで揉めたり色々と問題はあったのですが、それで引っ越しが増えたおかげで出会いと別れの回数が増加し、結果として初対面の人とのコミュニケーションに抵抗が無くなりました(笑)
国籍も中国・マレーシア・インドネシアなどバラバラだったので、それぞれの生活様式や考え方に触れることができたのは良い経験だったと思います。

また、前半3ヶ月は語学学校に通っていましたが、そこでも毎週のように新しい人が入学してきていたので、初めての方との関わりの機会を持つことができました。

なぜ本を書きたいと考えたのか?

①実力主義社会の国で自分の「得意」について考えた

「本を書きたい」という結論は、オーストラリアという環境に助けてもらって導き出せたものだと思っています。
有名な話ですが、オーストラリアは日本に比べると超実力主義社会。
未経験でもとりあえず雇って育てていくという志向の日本に対して、オーストラリアは即戦力募集がほとんど。
手に職がある人ならまだしも、そうでないとアルバイト1つ見つけるのもとてつもなく大変。特にワーホリは半年程度で消える人材だと考えられているので、オンラインアプライ数百件、レジュメ(履歴書)配り数十件とやっても職場の需要にマッチしなければ見向きもされませんでした。
(ちなみにオンラインでまともな返信が来たことはありません…)

そこで、「自分には一体何ができるのだろう…?」「得意なことって何だっけ…?」ということを改めて考えてみました。
一旦英語が必要かどうかは度外視して、日本に帰った場合にどういった道に進んでいくのかに焦点を当てて整理。
そうした結果浮かんできたのが「文章を書く仕事なら戦えるのではないか?」という結論でした。

もともと文章を書くことは好きで、前職は地元の会社で約2年間、ウェブライターとして働いてきました。
入社のきっかけは「文章を書く仕事でご飯を食べていけるのなら是非ともやってみたい!」というものでした。
2年間働いていて文章を書くことが苦痛になったことは無いし、むしろ自分の頭に蓄積した情報や経験を文章としてまとめることができた時、私はそれにハッキリとやりがいを感じる人間でもあります。
また、ライターとして数をこなしてきたからこそ、自信満々なタイプでない私でも「文章であれば他人より前にいける!」という自信もありました。

実際のところ、この世界に僕よりも読みやすい文章や面白い文章を書ける人はたくさんいるでしょう。
だから僕の「他人より書ける!」という自信は勘違いなのかもしれません。
それでも、少なくとも自分だけでも自分のことを信じられる分野が自分の中にあることに気付けたので、これからしばらくはこの道をまっすぐに見つめて走っていこうと思っています。
それに、勘違いだったとしても自分がその"得意"を信じ抜いて続けて努力していけば、現在は勘違いだったとして本物にすることができる、というか「そうするしかない!」と思っています。

ちなみに、僕が滞在していたパースでは、路上ライブ(パフォーマンス)をしている人が多かったのも勇気をもらえたポイントでした。
みんな自分の得意を信じて、たった一つの武器で戦っている。
自分も彼らのように恐れず進もう!と奮い立たせてもらいました。

②コミュニケーションに対するブレイクスルーとしての"文章"

先述の通り、私のワーホリにおいて「コミュニケーションと向き合う」というのが大きなテーマでした。
②でまとめたように、対面コミュニケーションに対する苦手意識は幾分か改善することができました。
また、それぞれのオーストラリアへ来た理由や人生に対する考え方に触れることはとても楽しく興味深いことだったので、これからも新しい場所、新しい体験を通して、新しい人との出会いを重ねていきたいと思うことができました。

上記のような思いを前提としつつ、もう一つまとまった考えがあります。
それが「文章も立派なコミュニケーションの手段である」ということです。
ワーホリ中にXを見ていたところ、私の大好きなBUMP OF CHICKENのボーカル・藤原基央さん(以下 藤くん)の下記のようなインタビュー内容がTLに流れてきました。

鹿野「フジは、バンプ・オブ・チキンの歌詞は難解だなあと思い、それを理解しようというプロセスを踏んでいるリスナーがいることをどのように捉えてるんですか?」
藤原「僕の書いた歌詞を理解してくれようとしてるんであれば、その人は僕とコミュニケーション取るうとしてくれてるってことですよね?そんなに嬉しいことはないですよね。で、そんなに怖いことはないし、そんなに幸せなことはないです。はい」

MUSICA 2008年1月号

コミュニケーションについて頭を悩ませていた私は、この言葉を読んでとても救われました。
生きていくうえで対面のコミュニケーションは避けて通れないものですが、コミュニケーションは対面だけではない、ということを汲み取りました。
歌、映像、アート、ダンス、私が挑もうと思っている本の世界など、対面の会話以外にも自分の想いを乗せて相手に伝えられる手段はたくさんあったのです。
自分が表現したいことを作品に込めて、それを受け手が楽しみつつ向き合ってくれる。
これなら対面が不得手な私でも、文章を書くという好きなことを通じて他者とコミュニケーションを取ることができます。

好きなこと、得意なことを通じて苦手なことを達成できる、こんなブレイクスルーを得てしまったのであれば、もう本の道に進むことについて迷う理由がありませんでした。

総括

まだまだワーホリで得た学びはたくさんあるのですが、特筆すべき項目は以上になります。
渡豪前、周りには「1年、もしかしたら3年行ってくるかも!」と言って出ていったのに半年で帰国したし、事前に作成していた目標シートに沿った動きが全然取れなかったり、思い通りにいかないことだらけの半年でした。

しかし、思い通りにいかないからこそ自分の短所をしっかりと認識することができたし、短所を突き付けられたからこそ長所について考えることもできた。
出稼ぎワーホリ!英語ペラペラ!という結果にはなりませんでしたが、今後の目標を見つけることができた有意義な半年間であったと思っています。

ワーホリを過ごす中で、「人間は誰でも等しく心の中に可能性の宝箱を持っているのだ」と思うようになりました。
そして、その宝箱には必ず鍵が掛かっていて、すぐに開けられる宝箱は存在しない。
その宝箱を開けるための鍵が「挑戦」で、中身が「経験」であると私は考えます。

私の場合で言うと、ワーホリに行くことが「挑戦」で、ワーホリで得られたもの全てが「経験」です。
私が得た経験は自分にとって良いことばかりではなかったし、別のケースでは箱の中身は最悪な経験ばかりだった…ということもあるでしょう。

しかし、中身がどうなっているのか、自分にとってオーストラリアという国が合うのか、その経験は自分にとってどうだったのか、それらは思い切って挑戦をして箱を開けなければ判断することができません。
もしかしたら、箱を開け続けていくことで自分の人生が変わるような経験に出会えることもあるかもしれない。
なので、今後も私は自分の中にある開いていない宝箱をどんどん開けていくつもりです。

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