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私にとっての沼。それは「半沢直樹」
「半沢直樹」という沼
沼にはまったこと。私の場合、その沼は「半沢直樹」というドラマだろう。
きっかけは、マッチングアプリで知り合った女性だ。彼女に「半沢直樹見てないんですか?面白いから見てみてくださいよ」と勧められたことだった。
それまでも「半沢直樹」というドラマの名前は聞いたことがあった。
主演が堺雅人であることも、大和田常務が香川照之であることも知っていたが、特に見ようとは思わなかった。
理由は、「どうせ銀行の話でしょ?よくわからないし、退屈そう」と思っていたからだ。それになんだかミーハーな感じがして、見る気になれなかったのだ。
銀行に勤めている知人から銀行の内情をいろいろ聞かされていたことも、退屈だと思う理由の1つだったかもしれない。
「銀行員って大変なんだな」
「ノルマが大変なんだな」
「上司に逆らえないんだな」
「銀行員って退屈そうだな」
そんな感じだから、銀行を舞台にしたドラマなんて尚更見ようと思わなかった。けれど、その女性から勧められ、次に会った時の話のタネになるかもしれないとも考えたので、シーズン2の途中からではあるが見てみることにした。
その結果。
「これはおもしろい!!!」
想像をはるかに超える面白さだった。なるほど。人気が出る理由が分かった。
「銀行の話」という先入観があったせいで、見る前は、地味で退屈なドラマだと思っていた。
けれど、実際はドロドロした人間関係あり、予想外の展開あり、手に汗握る攻防ありで、まったく退屈する暇がなかった。
顔芸ともいえる大げさな表現が私の目を惹いた。
主人公の半沢直樹(堺雅人)は常に正義感と信念を貫こうとする。上司や同僚、取引先など、登場人物は皆個性的で、それぞれの思惑が複雑に絡み合っている。
各人物の演技については、オーバー過ぎんだろ!と突っ込みたくなることもあったが、登場人物のキャラが立っており、そしてそれが魅力的だった。
私は、半沢直樹が様々な困難に立ち向かい、それを乗り越えていくところがものすごく好きだった。
半沢直樹の 「倍返しだ!」 という決め台詞が有名だが、この言葉には、彼自身の強い信念と覚悟が込められている。
私自身、このドラマを見るまでは、「人に何かされても、我慢するのが一番だ」と思っていた。
けれど、半沢直樹の 「やられたらやり返す。倍返しだ!」 という言葉を聞いて、ハッとさせられた。
もちろん、現実にはいろいろな事情があって、常に「倍返し」できるわけではないと思う。けれど、「やられたらやり返す」 という強い気持ちを持つことは、とても大切なことだと思う。
理不尽なことや、納得できないことに対して、声を上げる勇気をもらった気がする。
半沢直樹の魅力は、勧善懲悪なところにもあると思う。
ドラマの中には、視聴者が「許せない!」と感じるような悪役がたくさん登場する。けれど、最終的には半沢直樹が彼らを追い詰めて、痛快な結末を迎える。やりすぎ感はぬぐえないけれど、それもまた面白い。
このカタルシスが、半沢直樹が多くの人を惹きつける大きな理由の1つなのだろう。もちろん、ドラマの中には現実離れした展開や、ご都合主義的な部分もある。だけど 「やられたらやり返す」 というシンプルなメッセージは、多くの人の心に響くのではないかと思う。
「半沢直樹」は、私にとって 「銀行の話」ではなく「人間ドラマ」 だった。
銀行という特殊な世界を舞台に、人間の欲望や葛藤、正義感、勇気などが描かれている。ストーリー展開も素晴らしく、誰が敵で誰が味方なのかわからなくなり、毎回ハラハラドキドキしながら見ていた。
見終わった後は、しばらく余韻に浸ってしまうほど、どっぷりと「半沢直樹」の世界に浸ってしまった。
出会った女性のおかげで、こんなに面白いドラマに出会うことができて、本当によかった。
沼にはまるってこういうことなんだな…としみじみと思った。
意地を張らず、素直に 最初から見ればよかった! と思っている。
まだ見ていない人がいたら、ぜひ一度見てほしい。
きっと、私と同じように「半沢直樹」という沼にはまってしまうはずだ。
ちなみに私はシーズン1のDVDボックスを買った。
そしてこの時知り合った女性とは2度目の食事を終えたところでお別れとなったこともここに記しておく。
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