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シングルマザーの家計管理④

教育費というのは、なかなかに奥が深い。何が正解かわからないというか。

コンクールで活躍とか有名校に通っていたりすると、親として月謝の支払いにも迷いもなさそうだけど、うちのように単純な化学式を覚えるのも四苦八苦しているような子だと「その学費、無駄では?」と突っ込まれたら、やっぱり?と。

ただ齢50の無趣味な私は、自分のリカレント教育にお金を出すのはちょっとためらっちゃうけれど、たとえお勉強には向かなくても、娘の学費を惜しいと思ったことがないのも事実。

一方で、15歳まで育ててみて感じるのは、プロを目指すのでなければ、教育費は幼少時にかけすぎてはいけないのかも、ということだった。

小学生までは営利目的ではない良心的な価格の公共の講座が充実しているけれど、思春期になるとその手のものはガクッと減るのに「環境を買う」ために出費がかさむ場面が増えてきたから。(その話はまた別の機会に)


①教育費にいくら割いたか

手取り収入から一定の割合を天引きで貯蓄に回すようにしていたので、それだけ守って、残りはその時々で必要と思うものに使った。だから教育費は収入の何%までとは決めなかったし、家計簿もつけなかった。

②教育ママでした

根が単純なので、将棋の藤井君が彗星のごとく現れたときは、娘を日本将棋連盟の教室に連れて行った。家でトランプをするとやたらと勝ち負けにこだわって、よく泣いたので、向いているかもと思ったのだ。

残念ながら将棋に関しては、藤井少年のように泣いて悔しがるなんてことは皆無だったけれど。

将棋じゃないなら囲碁か?と、懲りずに日本棋院にも連れて行ったが、こちらはもっと興味を示さなかった。

テニスの錦織選手は5歳のころ、お父様がボールを投げるとラケットの真ん中に捉えて返すことができて、親子で毎日うんたらかんたらという記事を読んだときは、さっそく私もミズノのふわふわボールを20個購入。エイっエイっと投げると、娘も喜んでラケットを振っていたけれど、二カ月もしたら親子ともども飽きてしまった。

当時は、本人に何か才能があったのに親が気づかなかったせいで埋もれてしまったら申し訳ないと、数えきれないほど体験教室に連れて行った。

アメリカのなんとかってIT学者(だったかな?)の母堂は、息子の適性を見極めるために40いくつトライアンドエラーを繰り返したとかなんとか。教育ママ御用達の育児雑誌にそんな記事が出ていたのだ。私なんてまだまだ修行がたりんと反省した(罪深い記事である)。

好きこそものの上手なれだと思ったので、この子は何に興味を示すのだろうか、見つけてあげなきゃと。バラなのかチューリップなのかはたまたガーベラなのか。親の頑張り次第で、何かは咲くと信じていたのだ。

今となっては、そもそも種は植わってたんだろうか?と、そこからギモンだけど。

私も純粋で、若かった。

まぁでもおかげさまで、私の思い出バンクだけは豊かになった。

③幼少期の習い事は安価なものを利用

娘が中学生になった今、幼少期の習い事というのは、質の高いものが地域や公共施設で安価に用意されていて、ありがたかったなぁと。中学生になるとこうはいかない。

娘には小学生の間に①習字②水泳③球技一つ④ダンス⑤楽器一つ⑥造形教室は必須で習わせるつもりだった。(もちろん一度にではなく、時期をずらして)

結果として、⑥の造形教室以外はすべて一定水準に達するまで習った。ピアノはマンツーマンなのでそれなりにかかっているが、習字・バスケ・ダンスのお月謝はそれぞれ2500円、2800円、1000円だった。

安価なのは営利目的の教室じゃなかったから。

習字はご近所の老婦人が自宅で開いている教室に6年ほど通った。小学校入学までは1500円、小学生は2500円と破格だった。無口な先生でただ黙々と半紙に向かうだけなのだけど、娘本人は一番好きな習い事で、受験期も通っていた。

バスケはいわゆるスポ少で教わった。昨今は、親の負担が大きいと不人気なスポ少だけど、我が家は小学生でやってよかったベスト1だね、と親子で一致している。

娘のチームは弱小で児童は10人しかいないのに、コーチが6人もいた。平日はサラリーマンのおじさんやOBOGの大学生が熱心に教えてくださった。

なんせ大人の数が多いから、試合となると選手1人に専属コーチがつく。娘のコーチは60代の温和な紳士。よく試合途中に娘をコートの端に呼んでは、今のプレーはこの位置に周り込むと相手の動きを封じられてよいなどと、論理的に説明してくださった。お蔭で随分上達した。最初のころは100点差をつけられて負けていたのに、卒業するころには強豪チームの一角だった。

ダンスはバレエやチアもかじったが、最終的に本人が選んだのは公民館で教わるHIP HOPだった。3カ月1クールで3000円というもので、区民だよりで見つけた。

発表会もなく、お洒落で不愛想なお兄さん先生をまねして踊るだけだったけれど、なんせ先生がかっこいいので、本人は頑張っていた。イケメンおそるべしである。(バレエは神経質そうな年配の先生で、チアは意地悪そうな若い小娘だったのだ。実際、イジワルだった)先生の影響か、娘の踊り方はとってもクール。というか、低体温。無表情なので「楽しいですか?」と聞きたくなるが、本人としては楽しんでいるらしい。こちらは5年ほど習った。

不定期だったが、東京科学未来館や北の丸の科学技術館、東京電機通信大、東工大など主催する講座にもよく連れて行った。科学館系は年間パスを持っていた。大人でも確か3000円くらいだった。

私はド文系なので、理系的なことは何一つ子どもの好奇心を育んであげられない自覚があったので、もっぱら外部に頼った。親子で楽しんだだけで終わっちゃったけれど。

電気通信大の年間講座は6000円だったかな。残念ながら抽選に外れて年間講座は通えなかったが、単発で何度かお世話になった。モーターを使って船を作ったり、電子工作を楽しんでいた。東工大ではレゴを使ったプログラミングを学生が教えてくださった。科学館も大学も、ワークショップはどこも無料かせいぜい1000円くらいだった。


造形教室は、ご近所に住む芸術家のご夫婦がなさっている教室の入会待ちをしていたが、退会する子がいなくて、ついぞ順番は回ってこなかった。きっと良いお教室なのだろう。

順番待ちをしている間、雨降りの週末はいつもこども美術館併設のアトリエで過ごした。500円~1000円くらいで陶芸や版画、工作などのワークショップに参加できるというもので、本人は大好きだった。4~5年は毎月通っただろうか。雨降りの日に好んで行ったのは、公園の中にあるので空いていたから。

家ではこちらの本を参考に、よく二人で段ボールで家具を作った。

次第に段ボール工作では物足りなくなって、古民家をリフォームするというワークショップに通い、その後、昭和の家なのをいいことに自室の床と壁を娘とセルフリフォームした。しばらく娘の将来の夢は大工だった。

古民家ワークショップは、北関東の自治体が過疎対策でやっているもので無料だった。小旅行を兼ねて5回ほど通った。こちらのサイトで見つけた。

プロの建築家と地元の工務店の方が指導者として入り、工具の使い方や床の張り方など一から教えてくださった。

④水泳はプレゴールデンエイジに短期集中で

水泳はいわゆるプレゴールデンエイジと呼ばれる9歳で習い始めたら、1年で選手コースの1つ手前のクラスまで駆け上がった。

これは狙ってではなくて、完全に結果論。わが家も3歳、5歳と水泳教室に連れて行ったが、本人が泣いて嫌がったので入会は断念した。

さすがに3年生にもなると、クラスでも泳げない子の方が少数派で、自分から習いたいと言い出した。

ただ、小3スタートだと周りより頭一つ大きくて恥ずかしいだろうと、大学主催の夏季講座に1週間毎日3時間ずつ通って50m泳げるようにしてから入会した。講習料は11,000円だった気がする。水泳部の学生がスパルタ方式で鍛えてくれた。

プレゴールデンエイジでのスタートは偶然だったけれど、結果として月謝はかなり抑えられたとおもう。

50m泳げるのに1年半続けたのは、元水泳部の同僚が、綺麗なフォームは小学生じゃないとなかなか身につかないから、1年くらい習わせるといいとアドバイスしてくれたから。

電気通信大の講座もだけど、子育てをしてみて、大学というのは随分と子どもたちのためにリソースを割いてくれているのを知った。

こうした講座の探し方は簡単で、「●●大学 小学生 講座」「●●大学 水泳 講座」などとやるとヒットする。

例えば「立教大学 水泳 講座」「中央大学 水泳 講座」と検索するとこんな感じで出ている。

その年の申し込みは終わっていても、だいたい毎年同じ時期に開催されるので、募集時期を控えておいて、翌年、申し込んでいた。

日本の自治体や大学の子育て支援には深く感謝している。昨今「体験格差」と騒がれているけれど、大学や自治体がここまでサポートしてくれる国ってあるんだろうか?

本日もタイトルと内容がズレている気がする。


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