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チャンピオン来店

私のお店にチャンピオンが来店された

その方はドアを開けるや否や
「俺は〇〇のチャンピオンや」
※〇〇は地名

「はぁ…い、いらっしゃいませ」

「どうぞお座り下さい」

(チャンピオンか〜またやべーの来たな…)

その時、常連の男性がお一人だけでしたので、一つ席は外した
にもかかわらず、常連様の横に座る

「あ、お客様、どうぞこちらに…」
(聞いちゃいない)

常連様も特に気にしていない
(まぁいいか)
カウンターは男性2人横並び
30代の常連男性とチャンピオンだ

オーダーはウォッカストレートをショットで
私の分と常連様の分も注げと仰る
3人で乾杯だそうだ

バーマットにグラスを3つ並べウォッカを注ぐ

常連様に
「横のお客様から一杯どうですか?との事なので」
と伝えると
「知らない人からご馳走になる筋合いはないからな」と一蹴

(はいはい始まりましたよ…バトルですわ…)

本当に治安の悪い地域だったのでこんなのは日常茶飯事で、当然ながらチャンピオンは激昂した
「俺の酒が飲めないのか?あ…?」

立ち上がる2人

「チャンピオンさん、私と乾杯しましょう!はいかんぱーい!いただきまーす」

チャンピオンは一瞬こちらを見たが、常連様とバトルスタート
私は警察に電話
ピザの出前みたいなものである
「もしもーし警察お願いしまーす」
ただ相手が悪かった
私が冷静だったのはその常連様がキックボクシングの経験者であり、格闘技経験のある方なので、まぁ怪我はないだろうと思ったんです。
案の定だが
チャンピオンは劣勢
常連様はチャンピオンの両手を掴み、まず殴れないようにしていた
そして
常連様はすかさずチャンピオンの中指を握りそのまま折り曲げたらしい
私はポリスメンに電話中故、そこは見ていなかった
警察の出前を終えて2人を見た時には、チャンピオンは自分の指を抑えていた。

(ん?何があったんだろうか)

しばらくして警察到着
「またお前か?」と警察の方
迷惑客の常連らしい

当時の私のお店は雑居ビル4階
ビル下にパトカーが来てビルはお祭り
1階にもBARがあり、1階のお店は私の学生時代の先輩(ヤンキー)のお店だった

警察に連行されるチャンピオン
1階のマスター(先輩)が心配して話しかけてきた

「どうしてん、なんかあったんか?」

「なんかチャンピオンて方がうちで暴れたので警察呼びました」

「なにー!チャンピオンやと、またあいつか」

パトカーに乗るか乗らないかでゴネているチャンピオンに、1階のマスターが凄い勢いで走って行き、髪の毛掴んで振り回していた
「俺の後輩の店で調子乗るならまたお前川に投げ込むぞ」
チャンピオンは過去に近所の川に投げ込まれた事が判明した
警察官がマスターにまぁまぁと宥め、チャンピオンは連行されて行った

「また、あいつ来たら俺に言えよ」

「は、はい」

私はご迷惑をお掛けしたので常連様のマンション下まで見送った


ところでなんのチャンピオンだよ(笑

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