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他空派の宗論①

「非仏教徒・仏教徒の宗論の分類、賢い心の素晴らしい飾り」
ラマ・ガワン・ロドゥ・ダクパ著

というテキストが、
今回頂いたテキストである。
本書から抜粋し、
中観派の中から「第三法輪に後続する中観派」の部分を紹介する。

第二項[第三法輪に後続する中観派]において、[根本の阿闍梨(師)を知る][主張を示すテキスト][その定義][名の説明][主張の特徴]と五より。

第一項[根本の阿闍梨(師)を知る]
聖者の国(インド)の阿闍梨、尊者弥勒(マイトレーヤ)。無着師弟(アサンガ、バスバンドゥ)。陳那(ディナーク)。法称(ダルマキールティ)。ツェンダゴミ。法護(ダルマパラ)尊者。宝の源、寂護(シャンティラクシタ)の御足など。

そしてチベットの阿闍梨シ・ガウェー・ドルジェ。ツェン・カヲチェ。カルマパ・ランジュン・ドルジェ。全知ジョナン派師弟方(ユモ・ミキュ・ドルジェ、クンパン・トゥジェ・ツンドゥ等)と、パンチェン・シャキャ・チョクデン。尊者クンガ・ドゥルチョク。大賢、教と理の大海ターラナータの法統などである。

それだけではない。尊者文殊が著された『見解・主張の要約』と、聖者龍樹が著された『法界讃』などにおいて他空中観の意味を明らかに示されている故に、そのお二人も自派の根本の阿闍梨(師)である。

第二項[主張を示すテキスト]において、[経典]と[論書]の二項目より。

第一項[経典]に、[顕教][密教]の二項目より。

第一項[顕教]は、一般的に三法輪のすべての経典と、特に『カタヤナへの教戒の経』など初転法輪の多くの経典と、『弥勒請問品』や『般若五百頌』などの第二法輪の多くの経典と、『解深密経』、『楞伽経(りょうがきょう)』、『大乗密厳経』、『華厳経』とあり、円成実性は真実として成立していると示す、唯識派と共通の第三法輪の多くの経典がある。
そして自派の特別な経典は、『如来蔵経』、『大法鼓経』、『指鬘王経』、『聖獅子吼請問経』、『大涅槃経』、寂静であり尽く確かな『神変経』など、究極の了義(言葉通りに受け取ってよい意味)を示す第三法輪の諸々の経典である。

第二項[密教]は、『蘇婆呼童子経』、集・楽・喜の密教経典と、『時輪密教』など、非常に多くの新旧(訳)の密教部(の経典)がある。

第二項[論書]は、守護者弥勒が著された『大乗荘厳経論』と、ニ分別論(法法性分別論・中辺分別論)、『如来蔵経註』、『大乗究竟一乗宝性論』。無着の『大乗究竟一乗宝性論註』、世親の『三母除害論』、『法法性分別論註』など、御兄弟二人が著されたほとんどの論書。
そして他にも、文殊が著された『見解・主張の要約』などや、心釈三論(勝楽経首品釈・金剛心釈・時輪経無垢光広釈)と、龍樹が著された『法界讃』などのインドのテキスト。
そしてチベットの最高の学匠方が著された論書は、カルマパ・ランジュン・ドルジェが著された『如来蔵の荘厳』。全知大ジョナン派(ドゥルポパ)が著された『法山・了義の大海』、『第四結集釈』、究極の了義・真如を明らかにする『除暗悪見』、大乗究竟一乗宝性論の解説『善説・太陽光』など。パンチェン・シャキャ・チョクデンが著された大中観の二説の分類『大海の雲の雷鳴』と、尊者ターラナータが著された最高乗の非常に詳細な『大中観の定論』、般若心経の解説『以前に無い善説』、『因果の中観の滴・他空の精髄』、『他空中観の荘厳』、『中観如意宝珠』、『二説の分類・了義の入口』などである。

次回は、ジョナン派のみではない他空論者の定義、「中観他空論者」という名称の説明など、
見解・主張の内容へ入る。

今が旬のテキスト!
流して見るだけでも
意識に何かの種が
蒔かれるかもしれない。

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