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図書館のジェントルマン 〈夏・・・チベット不思議な話〉お話会

まだインドに渡って間もない頃、
チベット公共図書館の授業に行き始めた時から、
毎朝、図書館の周りを右回りしている人々を見ていた。
 
ほとんどがご高齢の方々で、
壁からひっこんだ窓の前にできるスペースの片端に小石を置いて、
一周するたびに一方へ移しているおばあちゃんもいた。
 
図書館は九時に開くので、
早めに着くと一緒に歩いたりしていた。
 
こちらは覚えたばかりのお祈りや暗記をブツブツ唱え、
じいちゃんばあちゃん(その他若い人)は数珠を繰りながら
多分お祈りやご真言を唱えながら、
あるいは知人のよもやま話をしながら、
時々日陰に置かれているベンチに座って、
 
経典・論書(仏教テキスト)が納められている図書館の周りを
徳をつもうと周回していた。
 

その中に、いつも素敵な帽子をかぶって、
仕立ての良い上着をきて、
優しそうな中肉高背のおじさんが、いつもいた。
 
生活に少し疲れた様子のご高齢者が多い中、
そのおじさんは余裕があって、礼儀正しく、
良家の出身なのだろうな、と思わせるような、
品のある物腰をしていた。
 

その後、図書館からお坊さんの学校へ移り、
法話会やお寺散歩で見かける以外、
おじさんにお目にかかることもなかった。
 

ある時、図書館で、文化の語り部お話会があると聞いた。
学生、研究員の授業の一環で、
チベットの特定文化について、経験を持つ人(語り部)から話を聴く、
という会である。
外部からの参加もOK。
 
普段は学校の勉強で忙しく、
それ以外のことを入れるスペースがなかったので行くことはなかったが、
その時は「人が死んだら呼ばれる専門家」のお話会だという。
 
行くことにした。
 
会場には、学生以外にも結構人が集まっていた。外国人もちらほら。
みな興味があるのだろう。
 

時間がきて、論者が入ってきて『おお!』と思った。
あのおじさんである。
 
穏やかな、あのおじさんの仕事は何なのだろう?と思っていたが、
人が亡くなった時にいろいろ手配する仕事だったのである。
 
チラシには「葬儀担当」と書いてしまったが、
実際は「亡くなった方をあの世へ送る手配をする担当」の方で、
法要を手配するだけの仕事ではない。
 
彼の話の中で、
人が亡くなったらどのように遺体を扱うか、
送る側はどのような様子でいるべきか、等もうかがった。
 
それらの話も、〈夏・・・チベット不思議な話〉でシェアしようと思っている。

🌸 直子デチェン・ゆったりお話会
夏・・・チベット不思議な話
2023年7月22日(土) 15:30〜17:00 pm 参加費:3500円(ドリンク付き)
 
幽霊、ゾンビ、憑依、・・・チベットにも不思議なお話がいっぱい
 
先生方や、葬儀担当おじさんから、直接うかがったお話をシェアします
 
生きても、死んでも、心のある者は皆おなじ
幽霊が怖くなくなる秘訣もお話します

なるほど・チベットのことわざ
2023年7月30日(日) 15:30〜17:00 pm 参加費:3500円(ドリンク付き)
 
思わずうなずく、チベットのことわざ
一生懸命に生きる賢者たちの伝える言葉
 
高僧方の法話や、チベット公共図書館出版のチベットのことわざ本から、
「・・・そうだよね」と思わず同意する
 
悪いこともあるけど、良いこともある
達観しながら、ピリッと効いたチベットのことわざを
 
※22日・30日とも、タシデレ店内&オンラインで開催致します
お申込み先:チベットレストラン・タシデレ
    tibetrestaurant@tashidelek.jp  Tel: 03-6457-7255
 
【講師紹介】:直子デチェン         
1970年千葉県出身             
1999年初渡印
チベタン・ライブラリー講座履修      
2003年〜2016年             
ダラムサラ仏教論理大学聴講(全科目履修)   
 
ブログ https://note.com/dechenblog
のんびりインド生活、旅日記、仏教話をつらつら記す
龍樹著『中論』・仏護著『ブッダパーリタ(仏護註)』・月称著『顕句論』・ツォンカパ著『正理の海』翻訳  https://www.dechen.jp/ で公開

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