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日本のスタートアップが海外でブースを出す。 - SXSW, Web Summitなど海外カンファレンスで出展してみて
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2019年の1年間で、SXSW, RISE, Disrupt SF, MWC LA, Web Summitに出展したので振り返りを兼ねて比較していきます。
筆者自身は、Strolyというオンライン地図のプラットフォームを提供するスタートアップで海外進出とユーザコミュニティを担当しています。
ジョインの経緯としては、神戸市とサンフランシスコのVCが共同で行っているアクセラレータプログラム500KOBE 2017でいち運営スタッフとして関わっており、そこに参加していた企業である現職のStrolyに出逢いました。
サンフランシスコ式VCからスタートアップについて学び、スタートアップで挑戦したいという憧れから入った面が大きいです。
そんな海外でのPRを担当した経験からその比較と学びを振り返りながら、展示者目線でご紹介したい特徴について書いていきます。
それぞれの展示会について、この記事の中だけで全てを紹介することは難しいので、各種参考記事も紹介していきます。
各展示会について
SXSW
- 音楽、映画、ITがミックスされたメディアアートの祭典
- 町全体がお祭り
一言:メディアアート要素が強く、カンファレンスに止まらないフェス。
RISE
- Web Summitアジア版。
一言:アジアの熱量高めのスタートアップが集まるカンファレンス。
Disrupt SF
- サンフランシスコのスタートアップが集まる。
一言:テックメディアTech Crunchによる、ある意味”サンフランシスコらしい”カンファレンス。
MWC LA
- モバイルテックの祭典。
- 本家バルセロナの出張版。
一言:テレコム企業が未来の技術を紹介する展示会。
Web Summit
- 国をあげての本気が見えるカンファレンス。
- 世界最大規模のスタートアップの祭典。
一言:ヨーロッパにとどまらず、北米を加えた最前線線で活躍する人たちが集まる。
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ここからそれぞれ詳しく見ていきたいと思います。
SXSW
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16730560/picture_pc_49f1b5a8cfec26f1137560a597059852.jpg?width=1200)
SXSWは日本でも知名度も高く、ニュース記事やイベントレポートがWebで検索するとたくさん出てきます。
日本からだと電通やSONYの展示、東大による学生スタートアップ の展示TODAI TO TEXASが有名です。今年は経済産業省主催の会場も話題になりました。
会場となるのは、アメリカ合衆国テキサス州オースティン。特徴的なのはオースティンのダウンタウン全体の至る場所が会場となり、会期中は160以上の会場で2,000以上のセッションが行われます。
音楽、映画、ITの祭典なので、もちろんTradeshow(展示会)以外に様々なコンテンツがあります。その点で本記事で紹介する他のカンファレンスとは少し毛色が異なります。
SXSWは規模が圧倒的に大きいです。Tradeshowの会場となるコンベンションセンターは一般的なサイズですが、SXSWのTradeshowだけで70,000名が来場します。*
どのカンファレンスにも共通していますが、構成は基調講演、パネルなどのセッションと展示会エリアがあります。
SXSWは「Twitterが成功のきっかけを」、他にも「Foursquareがローンチ」など成功したスタートアップのターニングポイントとなった伝説が残っており、スタートアップの登竜門として名高いです。* 個人的にも憧れのイベントでした。
また、SXSWを音楽の分野からご存知の方も多いかと思います。
Tradeshowが開催されるインタラクティブの期間中でも、夜になると至るところの野外ステージやバーでライブが行われています。90年代を代表する伝説的なヒップホップトリオ De La SoulやQuestloveのライブが見れたりするのもSXSWならではです。
そのほかにも日本の若手のバンドもみれたり、音楽は音楽で次世代のスターを発掘する登竜門になっています。
オースティンの町はIT企業の進出が進んでおり、ベイエリアに続く第二位のIT企業の町となりつつあります。FacebookやAmazon、Appleと言ったIT企業の大規模なオフィスがあります。
ダウンタウンに居る人のその多くがテック企業の社員と言っても過言ではありません。そういった高所得の若い移住者向けにGoogleが提供する高速インターネットサービスGoogle Fiberが導入された居住エリアも開発されています。
スタートアップシーンも熱く、多くのITスタートアップがあります。中でも興味深かったのがTravel Tech専門のコミュニティ、Voyager HQです。
アメリカでは一般的なスタートアップ向けのアクセラレータープログラムではなく、業界別のアクセラレーターやスタートアップコミュニティが増えているようです。
業界別でスタートアップや、VC、メンターが集まるエコシステムを作り、より成功へのチャンスを掴みやすくするための取り組みが進んでいます。
WebSummitとRISE
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16730592/picture_pc_510dde0dd6d213bcd8bd46d1a0af8b57.jpg?width=1200)
Web Summitはポストガル、リスボンで開催されるカンファレンスです。
Forbesが「地球上で最高のテックカンファレンスである」と言っており、ポルトガル以外に、香港ではRISE、トロントではCOLLISIONというブランドでカンファレンスが行われています。
Web Summit系で特徴的なのが、スタートアップへの手厚いサポート。まさにスタートアップ によるスタートアップのためのイベントです。
海外の展示会として素晴らしい挑戦の機会だと思います。
本家Web Summitはとにかく規模が大きいです。
一般的な展示会規模のホールが4つ+幕張メッセレベルのホールに7万人の来場者が集まります。ホールの中は熱気が溢れています。
それぞれテーマが異なる複数のステージでセッションが同時進行します。
みっちりスケジュールを立ててしまうと、あまりの会場の混雑具合や、広さでどうも回れなくなくて気疲れしないようにするのがTipsだったりします。
チケットは約10万円程度するので参加者も何か持ち帰ろうとする意識はかなり高いです。参加者の属性では女性の多さが印象的でした。
公式アプリを使うことで、ほぼ全ての参加者に連絡が取れるのも特徴の一つです。アプリ内のコミュニケーションツールの利用はすごく高く、同業のスタートアップや、サービス興味を持った人からの連絡が多く来ます。
会場でも実際にQRコードをスキャンし合うことでアプリ上で繋がることもでき、ネットワーキングにはアプリが不可欠です。
そのWeb Summitのアジア版がRISEです。本家には規模では劣るものの、3日間で来場者約16,000名のアジア最大級。* 日本からの距離も近いので参加も比較的しやすいです。次回は2021年の開催です。
Web Summit 2019のタイミングでリスボンではUberの電動スクーターJUMPがリリースされました。
SXSW期間中にオースティンでは乗ったことがありましたが、ヨーロッパでは初めての乗車でした。
ちょうど雨季だったことと、旧市街だった事で石畳の道が重なり、かなり運転が難しかったです。
街中をみていると、まっさらのスクーターにいたずらがされていたり、街中には観光客に対するネガティブなグラフィティがあったり、地元の人たちが置いてきぼりにならないように導入を進めることの難しさを感じました。
一方で気候は温暖で物価も安く、豊かな海の幸を楽しむことができるリスボンをとても好きになりました。美味しいワインを数百円で購入することができます。
約4,000万円の不動産を購入し条件を満たせば、ポルトガルの永住権を得ることができる通称ゴールデンビザというものもあり、世界の富裕層から注目を浴びています。*
こういった投資プログラムを開始してから、住宅価格は上がり、海外企業の誘致にも積極的に力を入れており、町がどんどん変化しようとしています。
Web Summitに限らず、これからの町の移り変わりにも注目です。
Disrupt SFとMWC LA
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16730660/picture_pc_7f3a36b84757f6a97a605138a179c02b.jpg?width=1200)
同じカリフォルニアといえど、サンフランシスコとロサンゼルスでは雰囲気がかなり異なることに気がつきました。
Disrupt SFはさすが、Tech Crunch主催でサンフランシスコの展示会ということもあり、ある意味”サンフランシスコらしい”ITカンファレンスです。パネルトークではSnapの社長が登壇したり、ブースには有名スタートアップ の社員が来ます。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16824783/picture_pc_3f235b328185f9f30ebfcd250e7c7bd6.jpg?width=1200)
San Franciscoにきたという事で、個人的に興味のあった「ITを使った社会課題解決」に取り組むCode for Americaのオフィスへ訪問してきました。
ちょうどCode for San Franciscoのコミュニティイベントと重なったのがラッキーでした。さすがITスタートアップの聖地、集まっている参加者の方のスペックがすごく高い。
有名企業のリードエンジニアをしている人や、有名企業をクライアントに抱えるフリーランスのデザイナーさんなどが自身のスキルアップや社会への貢献を目的に集まってきます。
その辺りはさすがサンフランシスコのテックコミュニティだな、という印象でした。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16730736/picture_pc_bb6dbdcbaf86034d9e6bada4a3d5f6f6.jpg?width=1200)
一方、ロサンゼルスのMWCは、モバイルテックのカンファレンスです。SprintやVerizonを代表するテレコム企業、Samsungなど大手メーカー企業が未来の技術を紹介します。
Strolyはその中の4YFN(4 years from now、今から4年後羽ばたくスタートアップ を紹介するエリア)での展示でした。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16751493/picture_pc_b21a2d3c377c3f0c22ebda27f4b94c28.jpg?width=1200)
サンフランシスコの2週間後に行ったこともあり、どうしても比較してしまいますが、ロサンゼルスは南に位置するだけあって雰囲気がどこか陽気でした。
レセプションではローカルのクラフトビールが振る舞われ、服装を見ているとと男性も女性も格好がお洒落でかっこいい人が多い感じ。
サンフランシスコはスタートアップに代表される、ジーンズにTシャツなどカジュアルな人が多い印象ですが、ロサンゼルスはドレスアップしたプロフェッショナルな人が多かったように思います。
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16824991/picture_pc_cd70444358caae559e7f777ac2d63af5.jpg?width=1200)
レセプションでは、あらゆる物に広告スポンサーがついていました。
ドリンクのプラスチックカップをはじめ、ある一画ではくつろげるようにソファが置かれているその空間にスポンサーがついていたり、レセプションへのスポンサーのつき方が、ロサンゼルスの雰囲気を表しているように思いました。
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筆者の肌感覚と展示から学んだこと。
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