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残穢 2025年3冊目

2025年3冊目、小野不由美さんの「残穢」読了。

同じタイミングで実写映画も見たので感想を書き連ねていきたい。

1:あらすじ

作家である主人公「私」のもとに1通の手紙が届くことから物語が始まる。

その手紙というのは元々、作者が昔書いていた作品の後書きに「怖い話があったら教えて欲しい」という趣旨の内容を書いており、それに対しての手紙だった。

手紙の送り主は都内の編集プロダクションでライターをしている久保さん。

久保さんが住んでいる「岡谷マンション 204号室」にて、何も無い、誰もいないはずの部屋から畳を擦るような音が聞こえ、仕舞いにはその部屋の床を何かが這うのを見かけたという。

その手紙を受け取った私はかつて似たような手紙を受け取っていたことに気がつく。

それは同じく岡谷マンションで起きた同様の現象の話だったが、過去に受け取った手紙の人の部屋は「401号室」。久保さんとは住んでいる部屋が異なる。

そしてこの岡谷マンション自体はいわゆる自殺者や事件があった事故物件でもないので、怪異の原因も不明だ。

では一体なぜ岡谷マンションで怪異が発生するのか?

それはもしかしたら、部屋やマンションにではなく、その土地自体に穢れ、つまり「残穢」があるのではないか。

そうして物語はその土地の怪異の源泉を突き止める方向に進み、今世紀、前世紀、高度経済成長期、そして最終的には明治・大正まで遡ることになるが、次第に怪異は単純なものではなく、伝染していることに気がつくのだった…

2:感想

べらぼうに怖い!!!!!!!!!
良い意味で読んで後悔した!!!!

率直な感想はめちゃくちゃ怖い。
恐怖感は人によって異なると思うのだけど、想像して欲しい。

小学生の時に始めて「学校の怪談」を読んで寝れなくなった…そんな恐怖感だ。初めてこんな恐怖を受けた。

ホラー小説では怪異に対して立ち向かう展開も多いが、この作品は徹底したドキュメンタリーがポイント。丁寧に調査→聞き込み→調査→聞き込み…を続けていくことで文字通り、点と線が繋がっていく。その過程で恐怖がどんどん深掘りされるし、次第に調べてはいけない、触れてはいけない怪異だとじわじわと気付き始めるが、寺生まれのTさんのような霊能力者が出てきて戦うこともない。だからこそ、かなりリアリティがある。

好奇心は猫をも殺すという言葉がピッタリだ。

3:映画も見たよ

プライムビデオで配信あり

時を同じくしてAmazonプライム・ビデオで映画も視聴。

ポスターの感じから割とポップなホラー映画なのかな??と予想していたのだが、きちんと原作に則ったシリアスなホラー映画。

正直に言おう。

めちゃくちゃ怖い。

普通にトラウマレベルになる怖さだった。
最初の感想と被るが、「来る。」(ぼぎわんが、来る。の映画版)のような感じの映画かと試聴前に思い込んでいたので、思い切りカウンターを食らった。

雰囲気で言うならば、初代「リング」や初代「呪怨」に近い。Jホラーの傑作ですよこりゃ。

展開自体は原作と大きく変わらないのだけども、怪異の描写がかなり丁寧で映画ならではの良さがたっぷり詰まっている。

ちなみに、概ね原作と変わらないのだが、ちょっとしたところが原作と異なっていて、その匙加減が個人的にはかなり好み!そのおかげで見終わった後の印象が読後とは大分違う!!!

おかげさまで二重の恐怖を味わうことになってしまった。

正直、小説も映画も、怖い物が嫌いな人にはオススメできない!!

それでも気になるなら…ぜひ読んで欲しい。かなりの傑作だと言える。

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亀吉
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