「学び直し」では解決しない (2022/9/9)
記事の長さはおよそ1,100文字。2〜3分程度で読めます。
記事のポイント
新型コロナ禍の21年の転職者数は290万人と19年に比べ63万人(17.8%)減少。
常用労働者数と転職者の割合を示す「転職入職率」はコロナ禍前が10%前後、21年は8.7%まで低下。
国際的にみても、日本の労働移動は鈍い。
新規失業者と再就職者の合計が生産年齢人口に占める割合は日本が01年から19年の平均で0.7%と、OECD平均1.5%の半分程度。
労働移動が活発だと「企業から企業への技術移転や会社組織の活性化につながり、生産性向上にも資する可能性がある」
日本は勤続年数が10年以上の雇用者が45.9%と30%前後の英米などに比べ多い。
特に役職のある男性が転職などに慎重。
係長級の男性は37.7%が転職を希望するが、実際に転職活動をしている人は13.1%。2年以内に転職した人が11.3%。
課長級も、希望者が35.0%に対し活動者が12.2%、2年以内の転職者が13.3%。
終身雇用前提で、中途採用者の社内でのキャリアパスが明確でないケースも多い。
新しい職場で能力が生かせなかったり、賃金が減ったりするリスクもある。
労働移動を促す手段の1つが学び直しだが、取り組みは広がっていない。
自己啓発している人は男性正社員で20年度に43.7%と12年度の50.7%から減少。女性正社員も41.1%から36.7%に減った。
**********************
こんなふうに考えた
昨日の投稿で、
大手企業でも副業容認が広がりつつある記事をご紹介しました。
9/8投稿へのリンク:
今の会社の仕事には物足りなさを感じていて、
新たなスキルを身につけたり視野を広げたりしたいが、
転職には踏み切れない。
日本で働く人の、そんな気持ちが垣間見えるようですね。
記事では、
「労働移動を促す手段の1つが学び直し」とありますが、
学び直しでは解決しないでしょうね。
「人間は自分にとって損になることはしない」
これは私の基本的な考え方のひとつです。
◆「年功序列」「終身雇用」の労働環境のもとでは、
同じ会社で長く働くのが金銭的にはいちばん得。
◆「メンバーシップ型」の会社で長く働けば働くほど、
他社では活躍しにくくなる。
◆「博士」が冷遇されている状況からもわかるように、
お金と時間をかけて新たな「学び」をしても、
それが正当に評価されることは少ない。
転職が「損」になる現状の労働環境を改めることなしには
労働移動は進まないでしょうね。
追伸
課長級の「2年以内転職者(13.3%)」が
「転職活動者(12.2%)」より多いのはなぜでしょう???
本投稿は日経新聞に記載された記事を読んで、
私が感じたこと、考えたことについて記載しています。
みなさんの考えるヒントになれば嬉しいです。
「マガジン」にも保存しています。
「学びをよろこびに、人生にリーダシップを」
ディアログ 小川