戦争がテーマ…重めだけどたまには向き合ってみようよ3選
はい、今回は戦争がテーマの本を紹介していきます。
戦争…重いテーマですね。
現在の日本の法律では人が人を殺めることは罪となりますが、戦時下に置いては英雄になったりもします。
そんな、価値観がまるで違う時代の出来事を、教科書の出来事として遠い過去のように捉えてしまいがちですが、世代を遡ればリアルに体験した方がいる、現実に起きたことです。
さらに日本では今起きていませんが、海外だと国によっては起きていたりしますよね。
他人事、から自分事として考えられるようになるためのきっかけとして、今回紹介する小説を読んでみるのはいかがでしょうか。
1冊目は、
十六夜荘ノート
/古内 一絵(著) ポプラ社
ひとり静かにこの世を去った大伯母から、高級住宅街にある古い洋館を遺された雄哉。
思わぬ遺産に飛びつくが、なぜか屋敷は「十六夜荘」という共同住宅になっていた…。
社会からドロップアウトした変わり者たち…
40代無職のバックパッカー、タイ出身の謎の美女、ひきこもりミュージシャン(自称)、夢を諦めきれずにいるアラサー美大生などが住む「十六夜荘」を大伯母はなぜ、雄哉に託したのか。
そして屋敷に隠された秘密とは。
始まりの視点は現代からです。
バリバリ仕事に邁進してきた雄哉は、大叔母から十六夜荘を譲り受けます。
不動産として活用しようと息巻いていた雄哉ですが、そこに住むちょっと変わった人たちとの交流を経るにつれ、考え方が次第に変わっていきます。
視点は現代と大叔母が健在だった時代とを行き来します。
読み始めはいいところで視点と時代が変わるため、頭がこんがらがりそうになりますが
そのまま読み進めていくと2つの時代と出来事が同時並行に進んでいるような錯覚を受けられます。
もちろん過去のパート、現代のパート、と分けて読む読み方もアリだと思います。
どちらにせよ、平和な現在の視点では、雄哉の尖った部分が十六夜荘の住人たちと触れ合うことで変化していく様を見られます。
戦時下の過酷な状況の過去視点では、時代に翻弄されどうしようもないことが起きたとしても強く自分らしく生きる、生命力に溢れた魅力ある人物たちの生き様を感じられます。
2冊目は、
窓
/小手鞠 るい(著) 小学館
ある日、幼いころに両親が離婚し離れて暮らしていた母のノートが窓香の元に届く。
ノートには、母がどのように生きていたのかがつづられていた。
そして、世界の窓がひらかれている。
一人の女性である母の生き方を知ることで、大きく成長する少女を描く。
こちらは親子関係の本、という紹介文を見て手に取ったのですが、読んでみるとそれ以上に戦争のインパクトが強い本でした。
中学生の窓香にある日届いたノート。
そこから母の人生、視点を見ていきます。
ノートには、戦場でのリアルな描写、ゲリラ戦の内情、そこでジャーナリストとして生きる母の姿。
母が見てきた世界が描かれています。
本作では、窓香とマミー、日常と手紙、平和と戦争、それらを行ったり来たりします。
対比で余計に戦争の残酷さが浮き彫りになるため、読み進めるほど身につまされます。
実際にある地名が出てくるので、調べて場所を見ながら読むとよりお話が身近に感じられるのでオススメです。
3冊目は、
庭
/小手鞠 るい(著) 小学館
自分のルーツを探す旅に出る
自分ではわくわく少女だと思っていた。
でも、今のあたしは、好きじゃない。
ああ、無人島へ行きたい。
学校生活に疲れたとげとげ少女が向かったのは生命力あふれるハワイ。
ハワイは、彼女のお父さんの故郷だ。
まだ会ったことのないおばあさんや親戚との出会いに、緊張しつつ、空港に降り立つ。
すがすがしい香りの花々、真っ青な空と海、雄大なハワイの景色、そして、彼女を待っていたは・・・・・・?
自分を一人の人間として扱ってくれるハワイの人たちに囲まれて、自分につながる大切なものを見つけた。
2冊目と同じ著者の本です。
日常の平和なシーンから始まり、主人公は思春期の学生。
ちょっとした悩みがあり、それを解決するかのような出来事が起こる…
そこには母や祖母、自分のルーツに関係する人たちや、その人たちが生きてきた戦時中という時代、環境。
次第に自分の現在地、状況を知るようになるーーー
という構図が2作品ともあります。
こちらは、友達とのある出来事でくさくさしていた少女が、父の故郷のハワイに行くところから始まります。
最初は南国の空気を感じるような開放感ある素敵な描写が続くのですが、おばあさん・ハイディとの出会いから空気が変わってきます。
日本での風習、そしてハワイでの風習との違いに戸惑っていたところに、さらに出会ったことの無いタイプのハイディ。
彼女から聞くハワイの歴史とは。
マナの成長とともに、ハワイについて、フラダンスについて、植物について、真珠湾攻撃について、女神について知りたくなる本です。
はい、今回は戦争をテーマとした小説を3作品紹介してきました。
普段生活する中で意識することは稀でしょうし、多くの人は学校で習って終わりだと思います。
ですが、日本でも、海外でも、事実起きたことですし現在も起きている地域はあります。
ただ嫌な出来事として目を背けるのか、それともほんの少しだけ事実に目を向けるのか。
そのきっかけとして、この本たちを読んでみると自然と戦争に思いを馳せることになると思います。
いかがでしょうか?
気になった本がありましたら、リンクから飛んでご覧下さい。