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かる〜いどんでん返し3作品!(ミステリーじゃないものも含む)


ミステリー、好きですか?
どんでん返し、好きですか?

好んでそういう本を選ぶ人にとっては物足りないだろうけど、特別好きでも嫌いでも…でもいつも似たような傾向の小説ばかり読んでいる、という方に
今回はラストでひっくり返る、ライトなどんでん返し作品を3つ、紹介します。

ジャンルはミステリーに入らないものでも、軽く仕掛けがあったりして
読み終えてからそれに気付くとおもしろいものですよ。





1冊目は、

虹の岬の喫茶店
/森沢明夫(著)  幻冬舎


小さな岬の先端にある喫茶店。そこでは美味しいコーヒーとともに、お客さんの人生に寄り添う音楽を選曲してくれる。

その店に引き寄せられるように集まる、心に傷を抱えた人人-彼らの人生は、その店との出逢いと女主人・悦子さんの言葉で、大きく変化し始める。

疲れた心にやさしさが染み入り、温かな感動で満たされる。癒しの傑作感涙小説。


この本には、各章ごとテーマとなる曲のタイトルが書かれています。
是非読みながら、その曲を検索して聞いてみてください。
普段耳にする流行りの曲とは違い、ゆったりしたテンポの曲が多いため、よりお話の空気感を味わえることでしょう。


本作では悦子さんがある景色を心待ちに喫茶店を営業していますが、それは一体何なのか?

読み進めていくと、そういうことだったのか…!と静かな感動を迎えます。

ここの喫茶店に訪れるお客さんは人生につまづいて、悦子さんの淹れたコーヒーと選んだ曲によって回復していきますが、
同時に悦子さん自身も、この喫茶店でゆっくりと回復していくんです。



2冊目は、

純喫茶「一服堂」の四季
/東川 篤哉(著)  講談社



鎌倉にひっそりと佇む喫茶店「一服堂」の美人店主・ヨリ子は極度の人見知り。だが未解決事件の話を聞けば、態度は豹変、客へ推理が甘いと毒舌のつるべ打ち。

そして並外れた思考力で、密室内の「十字架」磔(はりつけ)死体など四つの殺人の謎に迫る。

動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵が「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を鮮やかに解く、衝撃トリック満載の傑作短編集!


こちらは大変コミカルで、ユーモア溢れる空間になってます。

十字架に磔にさせられた死体から始まり、その後も猟奇殺人が続くのですが、
文体と登場してくるキャラクターたちが殺人現場や事件に対して深刻になりすぎません。

重苦しい空気にならないため、内容はグロテスクですがするすると読めます。



春、夏、秋…と季節ごとにひとつの事件が起きます。

正直、季節感はコーヒーの種類で分かる程度でそれほど重要ではないんですが、ラストの冬だけひと味違います。春、夏、秋、と続けて読んである思い込みがあったことに気づいた時驚くことでしょう。


ちなみに、文庫本でも単行本でも表紙にメイド服のような服装の女性が喫茶店にいる絵になっていますが、読んだ感じでは全く作品のイメージにありません。
あまりカバーイラストと本編に関連は無いと思います。



3冊目は、

癒し屋キリコの約束
/森沢 明夫(著)  幻冬舎



1冊目と同じ著者、出版社です。

純喫茶「昭和堂」の店主・霧子は、美人なのに、ちょっとぐうたらな不思議系。
でも、裏の「癒し屋」稼業では、依頼人のどんな悩みも奇想天外な手法で一発解消させる敏腕だ。

ところが、そんな霧子にも悲しい過去が——。
ある日、彼女宛てに届いた殺人予告。それをきっかけに、霧子は過去と向き合う勇気と未来への希望を取り戻していく。


お気づきの通り、この殺人予告の真相が意外な結末となります。
霧子さんの性格は非常にだらしなく、お金にがめついため、裏稼業で稼いだお金は喫茶店内の神棚に納めます。周りの人にも納めるよう言います。
その行為にも目的がありました。それはラストに明かされます。


また、お店にいるカッキーやお客さんにもちょっとした理由(ワケ)があります。
出てくる人たちみんなに人間味があるため、読み終えると登場人物みんなが好きになっている感動小説でもあります。






以上、かる〜いどんでん返し作品を3つ紹介しました。

ミステリと銘打っているわけではない作品もありますが、私が実際に読んでラストで衝撃を受けたので今回の記事に含めました。


1冊目と3冊目は感動系、2冊目はコミカルな書き口となっております。
是非気になったものがあれば、リンクから購入出来ますのでご覧ください。



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