周りの目が気になる。マクロのコードはいつ書けばいいのか?
この記事を読んでくださる方の中には、Excel関係の業務効率化のため、VBAマクロを勉強して身につけた方、またはこれから勉強しようとされている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、いざVBAを書き始めるとなると、職場のPCでVBEを徐ろに開かないといけません。
たったそれだけのことですが、オフィスでこれをしているだけで意外に好奇の目に晒されることが多いのです。(IT企業など多くのスタッフがプログラミングを当たり前に行っている職場は除きます。)
自身の業務効率化のためのVBAのコードは、とくにフレックスタイム制でいうところの「コアタイム」には書きにくいのが事実です。
実際、そのような時間帯にはもっと優先すべき仕事がある場合がほとんどでしょうから、自他共にその感覚は間違っていないでしょう。
ではせっかく勉強して書けるようになったVBAのコードは、いつ書くのが最適なのでしょうか。
結論は、朝イチです。
なぜそう考えるのか、整理していきます。
コードを人前で書きにくい理由
状況を想像して考えてみよう
基本的に、業務効率化を目的としたVBAマクロの作成は、目の前の緊急性が高い業務には関係がないことがほとんどでしょう。
いや、仮に関係があったとしても同じです。むしろ関係がある場合の方が厄介です。次のような例を想像してください。
毎月月末に行う1回2時間かかる面倒な集計業務がある。
今日は月末。いつもと同じように手作業で頑張れば2時間で終わる。
だが、VBAを勉強してきたおかげで、ぼんやりとだがこの集計をボタンひとつで終わらせるコードの構成が頭に浮かんでいる…。
1時間ほどあればプログラムを仕上げることができるかもしれない。しかし実行時エラーにハマったりしてしまうと、解決して動くようになるまでに合計3時間ぐらいかかるかもしれない。
こういう状況でコアタイムに「せっかく勉強したんだから作りきって、来月以降は楽してやる!」とコードを書き始めたとしましょう。
このときもし、あなたの集計作業のアウトプットを待っている同僚があなたの席の後ろを通り、あなたのPCの画面にVBEが表示されているのを目にすると、「それ今やる?そんなもの書いてないで、手作業でもなんでもいいから集計結果を出してよ」、「今度時間があるときにしろよ」と思われてしまう可能性は残念ながら大いにあります。
実際に同僚に何か言われたわけではないにしろ、こういう状況を経験した読者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
だからといって残業時間を増やして労働環境を悪化させてまで行うのも本末転倒です。
以下の記事でも言及したことがありますが、頑張って勉強したVBAマクロを役に立てることができなかったり、ましてや逆に人事評価に悪影響が出たりしては本末転倒ですので、これは重要な問題です。
仕事の4分類と「緊急ではない重要な仕事」
このジレンマとの向き合い方について、「仕事が速い人は『これ』しかやらない」(石川和男氏著 PHP研究所出版)という書籍を用いて整理しました。
この書籍において石川氏は、世の中の仕事を「緊急性」と「重要性」の観点から4つに分類しています。
この分類に「VBAマクロを作成して日常の業務を効率化する」という仕事を当てはめてみると、表左上の「緊急ではないが重要なもの」に該当すると考えて間違いないでしょう。その特徴としては、表にも記載があるとおり以下のようなものが挙げられます。
【特徴】
会社や個人の成長につながるタスクであることが多い
やる気がないと永遠に終わらない
【会社内での同類の仕事】
新規事業案の作成
既存データの整理
【プライベートの活動の同類】
資格試験の勉強
読書
キャリアアップのための自己啓発
向き合う時間
こういった、「緊急ではないが重要な仕事」は、VBAマクロに限らず、人の邪魔が入らず、没頭できる時間に行うのが鉄則です。すなわち、朝イチの時間帯です。先ほど紹介した書籍「「仕事が速い人は『これ』しかやらない」」でも以下のように述べられています。
同書籍で挙げられていた理由をまとめると以下のようなります。
夜とは違い、集中力が満タンの時間である。
邪魔がとても少ない。(「「メール」「電話」「部下(上司)」から声かけ等)
数時間後にはコアタイムが始まるという「期限」がある。
マクロを朝に組むと解決できる、マクロ構築特有の「え、あいつ変な画面開いて何してるの」と思われれずに済むというメリットは「2」に含まれます。
さらに、プログラミングという思考力を試される作業においては、「1」の体力・集中力が残っていることも重要なメリットであり、コードの簡潔さを過度に追い求めて時間を浪費してしまうのを防ぐという意味でも、「3」もメリットは間違いなくあるでしょう。
まとめ
まとめると、VBAマクロは「緊急ではないが重要な仕事」に分類され、会社や個人の成長につながるタスクである一方、緊急かつ重要な仕事を優先すべき状況であったり、周囲からの目線が気になるというデメリットがあったりすることにより、一般的なオフィスのコアタイムにその作業をするのは難しいため、朝イチに早めに出社してコードを書くことがオススメです。
マクロを勉強する多くの方にとって、非効率な働き方による残業の常態化などのブラックな労働環境を改善しようと、前向きな取り組みであるにもかかわらず、タイミングやリソースの割き方を誤ると、周囲から疑問視されてしまうリスクもあるのは間違いないでしょう。
マクロの構築も「緊急性」、「重要性」の指標のもとにある数ある仕事のひとつですので、適切なタイミングで適切な労力をかけて実施できるとよいですね!
今回の記事を参考にしていただけると幸いです。
参考書籍
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