【重要】志望動機において、自然の豊かさや、施策について語るのは、やりたい教育がない証拠!想いがない証拠!
レトリカ教採学院(教採塾)、学院長の川上です。
教育新聞で、面白い記事を発見しました。
まずは、その記事の引用をご覧ください。
ー引用開始ー
『独自のアピールポイントとして、多くの自治体の担当者が真っ先に挙げたのは、その土地の魅力だ。「山も海も都会も田舎もある。ライフスタイルが選べる」(南関東)、「東京や仙台に近い立地。田舎と都会、両方の良さが味わえる」(北関東)、「都市部、山間部があり魅力的な土地」(南関東)、「豊かな自然がある」(近畿)、「自然環境が良く、山や海が生の教材」(東海)、「風光明媚(めいび)なところ」(四国)、「温泉も自然も、おいしい食べ物もあり、若い人にとっても暮らしやすい」(九州)など。』
ー引用終了ー 教育新聞
実は、これは、全国68の自治体の、教員採用試験の採用担当者に、新聞社が『自治体の魅力』を尋ねたものです。
例えば、皆さんが、面接官だとして。
受験者に「なぜ、うちの自治体を受験するの?」と尋ねたとしましょう。
その受験者の多くが、「自然が豊かなことです」、「都市部も山間部もあって、暮らしやすいからです。」、「国際情緒豊かなところです。」などと語ったら、「君、いいね!ぜひうちの自治体で、教師になってくれ!」って思いますか?
私が面接官なら、それらの志望動機を語った受験者に対して、
「自然はどこにでもあるよ!首都圏と、地方の自然の違いは何?というか、そんなに自然豊かなところがいいなら、僻地でも大丈夫だよね!」
「国際情緒豊かなのは、私たちも、もちろんこの地に住んでいるのだから、知っている。それと教師になることとどう関係があるの?もし、英語を教えたいというのであれば、あなた自身、国際情緒豊かなのでしょうね?英語もペラペラなんでしょうね?自分ができていないのであれば、なぜ、できないことを志望理由に挙げられるのですか?できるようになってから、受験し直してください。」
と、問い詰めていきたいですね。
語っている内容に、間違いはありません。
素敵な自然や情緒がある自治体は、もちろん多いですし、暮らすにはいいでしょう。
でもね、志望理由にそれらを当てはめるのは違うんですよ!
面接官になった気持ちで、採用担当者の『自治体の魅力』を読んでいただいてもお分かりの通り、仮に、受験者が、同じような理由で、志望動機を語ったところで『他の誰でもなく、あなたを採用したい!』とは、思わないのですよね。
もちろん
それらを語って、採用された人も何人もいるでしょう。
ただそれは、その志望理由が合格要因ではなく、他に、誰でも知っている一流大学出身であるとか、圧倒的な資質能力があるとか、誰からも好かれそうな圧倒的なパフォーマンス・ルックスがあるとか、別の要因があってこそです。
「自然や地域の魅力を語って、合格した人がいるんだから、間違ってない。」と思うのは、賢くない証拠ですね。
受験者マインドになると、誰でも言える平凡なこと、当たり障りのないこと、整合性がないことを、「何が悪いんだ!事実じゃないか!」と、平気で語る教採受験者が多すぎるのです。
私としては「よくそれで、他のライバル受験者ではなく、自分が合格できる!って確信が持てるよね。どうやったら、その程度の志望理由で合格がもらえると確信が持てるのか、教えてほしい。その自信が恐ろしいし、むしろ、その根拠のない勝手な自信が、不合格の理由だわ。」と感じてしまいます。
他にも、毎年、圧倒的に多いのは、
自治体の『施策』を志望動機で語る受験者たち
です。
施策を語る、というのは、私からすれば、
・文科省の答申、報告、通知などを読んでいない受験者
・法律を知らない受験者
・明確な想いや、明確な志望理由がない受験者
もっと誤解を恐れずに言えば、
★賢くない受験者
★「でも・しか」教師
だと思います。
レトラジや、Xでも何度もお伝えしていますが、
施策は、どの自治体も根源をたどれば、文科省の方針です。
文科省、中教審、国立教育政策研究所などが、打ち出しているものを、各自治体で意識していること、重点的にやりたいことを、自分達の言葉に書き換えているに過ぎません。
加えて、教育基本法でも、教育振興施策を策定する旨が記載されているので、従っているに過ぎません。
教育委員会の方、教育委員会経由の校長先生たちなど、10人ほどに聞いてみましたが、どの方も、「普段から見ている訳がない。そんな暇もない。」「作れと言われているから、作っているだけ。」、「実際には、できていない。」と言っています。
その程度の施策なのです。
そして、どこの自治体も、「生きる力」、「知識・技能、思考力・判断力・表現力、学びに向かう力、人間性等」、「食育」、「国際理解」、「情報教育」、「いじめ」、「不登校」、「虐待」、「部活動」、「社会に開かれた教育」、「特別支援教育」などに力を入れています。当たり前です。
学習指導要領も、法的拘束力をもつために、どの学校でも、教科書や授業構成は違えども、やっていることは同じです。
同じ力や資質能力を育成するために、おこなっています。
だって、文科省が、それをしなさいと言っているのですから。
文科省がしなさいと言っていること以外を、生徒の負担過重になるレベルで、勝手にすることはありません。
お上・上司(文科省)の述べていることをおこなうことは、法律的にも、各自治体、各学校、各教師は、絶対なのですから。
あとは、ちょっとだけ、自治体のカラーを出すために、テーマや表現を変えているに過ぎません。
でも、内容を読んでいくと、必ず元は、文科省の方針や学習指導要領に立ち戻ります。
当たり前です。
広島県では、平和教育をするけど、他の自治体でしない、ということはありません。
神奈川県では、国際教育をするけど、他の自治体ではしない、ということはありません。
東京都用の、英語教育があるわけでもありませんし、鹿児島だけで行われている教育があるわけでもありません。
北海道では、課題発見・解決能力を養わせるけど、青森では、その力は養わせない、なんてことも、絶対にありません。
どこも、元をたどれば、必ず、答申・報告・通知・ガイドライン・学習指導要領に必ず明記されているものです。
教員採用試験対策のための『参考書』も、ご覧になってみるといいです。
大手出版社から出版されている、各自治体ごとの参考書がありますよね。
広島の筆記だろうが、大阪の筆記だろうが、例えば、憲法が出題されるとなれば、その憲法の解説ページはすべて同じ内容ですから。
書店に行って、各自治体ごとで出ている参考書の文言を比較してみるといいです。
何が言いたいかというと。
地域が違えば、自治体が違えば、施策や大綱の内容が違う、と思っていること自体がもう、賢くない!ということなのです。
そして、「文科省が言っている当然のことを、さもこれ見よがしに語るんじゃない!恥ずかしい!」
ということです。
その勝手な固定観念や思考力も、不合格の要因です。
そして、
各自治体で、対策や施策が違うと思っていたり、それを武器にして指導したりする教採対策の講師もいますが、上記のことを鑑みると、まさに愚かの極みです。
そんな講師に師事すると、ミスミス不合格を、自ら勝ち取りにいっているようなものです。
本当に、愚かな指導者についている人は、目を覚ましてほしいものですね。
「施策に共感した」、「施策に感銘を受けた」
そのような志望動機を語る人もいますが、共感した=採用したい、という方程式はどこから出てくるのでしょうかね。
共感した人を優先して採用したい!と思ってもらえるわけがありません。
まず、「感銘を受けるのは自由だけど、あなたにそれらの施策ができる力があるのか?」と面接官は疑問に感じます。
さらには、「結局は、自分で言いたい志望動機がないから、そういう施策に頼っているだけでしょ?」と思われる始末です。
感情的に反論するならば、「誰もあなたに共感してほしくて作ったわけじゃないから!勝手に、合格してもない人が、共感しただなんて、偉そうに言わないで!」と言いたいところです。
自然や施策について、志望動機で語るなんて、自ら不合格に突っ込んでいくようなものです。
それらを語ったところで、「君いいね!採用!」とはなりませんから。
就活でいうところの「御社の企業理念に共感して」という言葉と同じくらい、響きませんから。
合格を勝ち取りたいのであれば、
本当に本当に、そんな平凡で、くだらない志望動機は、おやめになってくださいね!
ではまた!
レトリカ教採学院(教採塾)
学院長
川上貴裕
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