教育基本法第14条における政治的中立性と教員の留意点

レトリカ教採学院、学院長の川上です。

公務員(教育公務員)には、いろいろな観点で、中立性が求められます。

本日のブログは、その中でも特に、政治的な中立性について、解説していきます。

政治的な中立性については、全国の筆記試験でも、再頻出のテーマなので、要チェックですよ!

 
 

政治的中立性の重要性

教育基本法第14条は、教育における政治的中立性の重要性を強調しています。
 
第十四条 良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2 法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
 
 

条文の趣旨

第1項では、良識ある公民として必要な「政治的教養」を教育上で尊重することを求めています。
 
これは、民主主義社会において、適切な判断力を持ち、責任を果たすために基本的な政治的知識や態度が重要であるとする考えに基づいています。
 
学校教育においては、特定の政党や政治的立場に偏らず、広く政治の仕組みや役割、歴史的背景について教えることが求められています。
 
これにより、児童・生徒が自立した考えを持ち、自己の判断で適切に行動できる公民に育つことが目指されています。
 
第2項では、学校における「特定の政党を支持・反対するための政治教育その他の政治的活動」を禁じています。
 
学校が特定の政治的立場に立つと、教育が偏り、児童・生徒の自由な思考や公正な判断力が損なわれる恐れがあるためです。
 
そのため、学校や教員が、特定の政党や政治的主張を宣伝・支持するような活動を行わないよう、法的に規制されています。
 
 

教員や学校が留意すべき点

政治的中立の徹底:

教員は、教育の場において特定の政党や政治的立場を支持・反対しないよう注意し、公平かつ客観的な立場で授業を行うことが求められます。
 
意図せずとも、児童・生徒に特定の思想を押し付けることがないよう、授業内容や発言に留意する必要があります。
 

多様な視点の提供:

政治的教育を行う際は、異なる意見や立場を公平に取り上げ、児童・生徒に多様な視点から考える機会を提供することが重要です。
 
これにより、児童・生徒は自らの考えを深め、自己の判断で行動できる力を養うことができます。
 

校内外での政治活動の規制:

校内で特定の政治的活動や運動を行わないよう、また教員が校外での活動においても、児童・生徒や保護者に影響を与えないよう配慮することが必要です。
 
校内外での言動が学校教育における中立性を損なわないよう、常に注意が必要です。
 

児童・生徒の自主性を尊重:

児童・生徒自身の政治的関心や意見を尊重し、自己の判断で政治的な考えを形成する機会を奪わないよう配慮することも重要です。
 
児童・生徒が独自に考えられるよう、教育の場では情報提供に留め、誘導的な発言を控えることが求められます。
 

総括

教育基本法第14条の主旨に従い、学校教育では政治的中立性を維持しつつ、児童・生徒が独立した公民としての素養を養えるよう、多角的な視点を持って公正な教育を行うことが重要です。
 
このように、教員や学校は常に公平で中立な立場を保ちながら、民主主義社会に貢献する公民を育成する使命を果たすことが求められます。


ではまた!

レトリカ教採学院
学院長
川上貴裕

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