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窓ぎわのトットちゃん【感想】

今年は『君たちはどう生きるか』や『SPY×FAMILY』『呪術廻戦』など映画やテレビなどの媒体を通じてアニメーションを多く観る年だった。

その中でも『窓ぎわのトットちゃん』は最高の一本だった。

戦前にこんな豊かな世界があったということが衝撃であったし資生堂パーラーでパフェを食べるという現代に生きる自分ですらやっていないことを特別なこととして黒柳徹子さんが行っていたことに激情を覚えた。

黒柳徹子さんのナレーションとあいみょんの主題歌『あのね』だけが現代的すぎてなんか浮いた感じになったのが一番の見せどころだったはずなのにもったいなかった。

アニメーションの美しさは際立っていて空想と現実が合わさるような感じでとても心地が良かった。

「差別をしない」という普遍的なテーマを底流に一個一個のシーンを表現していて原作で表現しきれないところを美しく表現していて素晴らしかった。

何度も何度も反芻するようにこの映画を咀嚼して終わる頃には疲れ切って帰りに寄ったスターバックスで映画の感想を語る以外はほとんど喋らなかった。

こうして文字にするのも辛い。

この映画を語ることはできない。

完全に敗北した。

僕はこの作品を超える小説や映画を作れないと思う。

ロッキーで泣いた。

何度も泣いた。

ロッキーと月が重なった。

あと数年後には月はこの世界ないない。

そう思うと涙が止まらなかった。

自分は何をすればいいんだろう。

空虚な心がうつろっているように感じる。

また戦争が近づいているのだろうか。

本当に考えさせられる映画だった。

言葉足らずですみません。

今年イチいい映画でした。

トモエ学園は今で言う放課後デイやフリースクールのような存在なのかもしれないが他に例えが見つからないし日本に唯一の自由な学校だったのだろうと思う。

自分も校則のない「自主自立」という看板を掲げた高校に通っていたがやはり生徒たちの間で「自己規律」を持っていたし心の側面では自由になりきれていなかったのかもしれないと思った。

体裁としてはイジメのない学校を掲げていたけれどやはりイジメと呼べるところまで行っていたかどうかは今では確認する術がないけどいじられキャラと呼べる人はいてその人を不満の捌け口にしていた側面はあったかもしれない。

でもトモエ学園は「本当にあった本当のお話」と言っていてもやはり想像上の学校だと思うけれど小林先生の立場では子供を育てていこう子供を大切にしていこうという気持ちは伝わってきて役所広司さんが声をなさっているからカッコよくデフォルメされていてあんな先生はいないと思いつつその教育方針に尊敬の念を抱いた。

トットちゃんという主人公を中心に回っていく物語は美しく子供の世界を戯画化して描いていて現代を生きる子どもには観てほしいと思った。

しかし映画を観ていたのは私以上の年齢の人たちだったし年配の方々が多かった。

これではこの国に志を持って世界を構築していこうという意思のある人間は本当に生まれるのだろうかと思ってしまった。

アンパンマンやドラえもん、名探偵コナンなどが人気なのはわかる。

ただ『窓ぎわのトットちゃん』を観ている子どもは少なすぎないだろうかと思ってしまった。

先日ちひろ美術館・東京に行った時「黒柳徹子さんは子どもたちにこの映画を観てほしいとおっしゃっていた」と聴いた。

間接的ではあったがその言葉に感銘を受けた。

「黒柳徹子さんは子どものことを第一に考えて美術館を設計するのがいいんじゃないですか」とおっしゃっていたそうだ。

僕は黒柳徹子さんは子どものことが好きだし将来の子どものことをよく考えていらっしゃると思った。

だからウクライナやガザで戦争が起きて日本にも軍靴が鳴り響きつつある現代、出版から40年経った2023年に映画化して世界に希望の火を灯そうとしているのだと思う。

自分も小説家を志す者として「子ども」という問題はもっと掘り下げてさらに「教育」という時代を形作る分野に一石を投じるような作品を作りたい。

何百年も読み継がれ語り継がれる物語を描きたい。

『窓ぎわのトットちゃん』は間違いなく今年一番の映画だと思う。

世界全体の映画を合わせてみてもイチバンだと思う。

日本人に生まれてよかった。

『窓ぎわのトットちゃん』を母国語で聴ける人間でよかったし世界に先駆けて観られる日本に住んでいてよかった。

これは決して愛国心で言っているのではない。

日本語が好きだから日本人であること黒柳徹子さんをタレントとしてもユニセフ親善大使としても知っていて彼女が体験したことを母国語で聴けることに誇りを持っているのだ。

たとえ戦争が始まったとしても僕は平和を愛するだろう。

今までつけた知識や得ることのできた知恵を使って平和の問題と向き合うだろう。

僕が生きたことは歴史には残らないかもしれないけれど自分自身のことを堂々と語れる人間になりたい。

たとえ、志半ばで死んだとしても筆を折らない。

『窓ぎわのトットちゃん』最高の映画だった。

とても考えさせられる映画だった。

俳優って映像ってアニメーションっていいなと思えた。

『続 窓ぎわのトットちゃん』も読んでいます。

とてもいいです。

こちらも感想読み終わったら描きます。

よろしくお願いします。




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木下雄飛
noteは毎月更新しています。東京を歩くたびに僕の世界はアップデートされています。その日本一の都市で日々起こる日々の現象を描いていきます。お気に入りの記事があったらいいねコメントしてください。

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