
燃焼系男子26歳独身貴族
淡い味付けのスープを飲む。
僕は、今、心ここにあらず、と
いった無明の タイム を過ごしていた。
テレビ は、面白くないので、
ミシン を用意した。
そして、休みの日に茉莉花と買いに行った 服屋 で、気に入って買った黒い スーツ パンツ の裾を2回分織って、糸 を機械に通し、針 を通過させ、電源をONにして、縫い始める。
雑念が消え、心 が 無 になる。
ただ 僕 と 服 がそこにあるだけだ。
部屋の中は、ダンダンダンと、針が動く音しかしない。
他は、雨 が外で降っている メロディ だけ......
あぁ、僕のこの存在は、何に凭れ掛かり、何処で尽き果てるのだろうか?
痛みの数を、糸が服を固定する度に減らしていく 作業 を続ける。
社会とは、この1枚の布が接点を保って僕を赦してくれている。
そう思うと、力が籠って、#血管 が浮き、時計 が 心臓 の
リズム に重なって行く。
僕の 疲労 が結果として現れる。
まずまずの完成度だった。
僕は、綺麗に畳んでトラウザーズを専用の収納袋に仕舞い込む。
明日、仕事に着ていこうと思う。
合わせるスーツは既に決まっていた。
しかし、シャツとネクタイがまだ未定だった。
青いストライプが入った黄緑のネクタイにする事にした。
迷いどころはシャツだった。
夕飯を食べ終わって、明日の朝の準備も、終了していたので、フィッティングしてみる事にした。
下は、ファストファッションのブランドで買った990円のスウェットパンツだったので、そのままパーカーを脱いで、タンクトップになった。
鏡の前で、色んなシャツを合わせてみる。
赤一色、黒系統、ボーダー、定番の白、白に青いストライプ、蛙色の珍しいシャツetc......
どれも良かったが、今の体型には、白地に青ストライプが最も似合っていた。
3ヶ月前からトレーニングジムに通い詰めて、今やっと結果が出て、浮き輪の様になっていた下っ腹が6つに割れ、肌もスベスベになっているのがわかった。
筋トレの効果でマッスルボディになっていた。
そして、歯を磨いて、ベッドルームに行き、ベッドに座って、寝室用のライトを付けて、本を読む。
アンリアレイジの森永邦彦さんの本だった
AとZ
冒頭から面白く、学生時代を思い出した。
そう言えば、俺、デザイナーになりたかったんだっけ?
夢を諦めていた。
そして、血の色に染まった。
いつのまにか社会に沢山の血流を送るヘモグロビンの一部になっていた。
10分前の手の感触。
孤独の肯定的感情。
人間としての達成感。
ああ、俺は、服が今も好きだ。
もう一度、服作りしてみよう。
10年が経ち、テレビには、
洋服を語るクルブシ丈のスーツパンツを見に纏った見違える様にお洒落な彼が森永邦彦さんと一緒に喋っている姿が映し出されていた。
そして、コレクションが始まった。
斬新なカッティングのセットアップや、
中世の御伽噺みたいなドレス、
動物のモチーフをしたスウェットパンツに
キチンとテーラリングされたパーカー
そして、
浜辺で着たい水着風シャツにタイツとサンダル、
赤や黄色、ピンクなど攻めた色味で遊ぶ新感覚の都会スタイルだった。
一躍、彼は時の人となった。
彼の洋服屋には、元同僚達も、来て、活気のある毎日を過ごして、彼にエネルギーが戻ってきた。
時が経ち彼のブティックがパリに開き花火が弾けた。
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木下雄飛 KINOSHITAYUHI
MODEL/CREATOR
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