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モデルになった理由

モデルになった理由

オーディション用に宣材写真を撮っている。

カメラマンなどいない。

自分一人だけで公園の片隅に立ちiPhoneを切り株に置いて撮る。

キラキラした華やかな世界とは程遠い地味で地道な作業だ。

誰も賞賛する人はいない。

スターダムに上がることもない。

ただひたすら自分の写真を撮る。

撮っている間、公に晒せないような醜悪な部分が垣間見えたりする。

それも飲み込んだ上で鏡を見るようにシャッターを切り続ける。

オーディションに通らなくて気が滅入りそうになる時もある。

事務所から送られてくる案件で自分のアンテナに引っかかるものは少ない。

自分はCMやスチール撮影のモデルがしたくて事務所に入った。

憧れの芸能人は?とマネージャーを統括する人に言われて綾野剛と答えた。

それからもう2年が経つ。

相変わらず私は不器用な表情でポートレート写真を撮り続ける。

それについて自分が好きなのかとかカッコよくないと言われることもあった。

だけど小説と同じでやらない人が多いことをやらないと人と違う人にはなれないと思っているから撮り続ける。

#私を有名にしてください

と、ハッシュタグをつける人もいる。

でもその人は平凡な人生になるのだと思う。

私もなんの脚光も浴びない人生かもしれない。

#芥川賞

をとりたいと思っているが小説の中でふざけてしまう癖が抜けない。

ホグワーツと書こうとして何度も躊躇った箇所がある。

私はハリーポッターになりたかった。

魔法界を救う救世主のような人に。

ハリーポッターにもヴォルデモートの一面がある。

人間は善悪表裏一体だ。

写真を撮る意味は人間の業を写しとるためかもしれない。

SNS上ではこの2年間で仲間ができた。

頻繁にメッセージを送り合う人やいいねをくれる人、映画撮影に誘ってくれる人。

いい関わり合いができて濃密なSNS体験をしている。

現実でも仲間ができた。

励ましてくれる人や心配してくれる人、そして芸能関係の人。

まだオーディションに通っていないので役名をもらえていないがプロとしてエンターテイメントをやっている。

あとは小説をキチンと書き納めてバズるようなものが書けたらいい。

大谷翔平や広瀬アリスのように1994年生まれのスターの一員に加わりたい。

野暮ったくて自分の顔が嫌いだったけど、まだ嫌いだけど、ちょっとは好きになってきた。

どれだけ努力しても咲かない花があることを知って苦しいけど現実として受け止めている。

夢や願望、目標だけじゃ自立できない。

まだ猶予はあるからこのまま未来へ進んでいくしかない。

自分が変わらなくても世界はものすごいスピードで変わっている。

テクノロジーも外交安全保障も10年前とはまるっきり違う。

いつ自分が有事に巻き込まれるかわからない。

そのための準備なのだと思う。

話が大きくなったが、今専念していることは決して何一つ無駄じゃないはずだ。

5年後か10年後かわからないが実を結んでいて欲しい。

輝いている自分も見たい。

モデルになった理由は模範になりたいからだと思う。

モデルは日本語で模範という意味だ。

人の前に立っても恥ずかしくない人、立派な人、そういう意味がある。

私はそのままの意味のモデルになりたい。

人々の模範たるリーダーになりたい。

マンデラ大統領のような苦闘の中でアパルトヘイトを解放する人間になりたい。

彼は20年獄中闘争をした。

そして看守も味方につけて出獄し、大統領になった。

そういうモデルになるような人になりたい。

そう思ってインスタグラムもTwitterもnoteもやっているし、現実でも朝同じマンションの人に会ったら元気よく挨拶するし、笑顔で人と話す。

笑われたって構わない。

何を言われてもいい。

みんなの模範になる人間になりたい。

私の原点はボーイスカウトのBe prepared. 備えよ常にの精神だ。

みんなの模範になるリーダーになることを教わった。

だからモデルになることは必然だと思う。

この意味が理解されることはないかもしれないけど、そんな気持ちでモデルをやっている人はいないかもしれないけれど、私は模範たる人になるためにモデルをやっている。

だから今は一人で写真を撮り続けている。

賑やかだった街が静まり返ったように私の周りから人がいなくなって10年が経つ。

その間に全部一人でできるようになった。

まだ家族に頼っているようにも見えるが自分が家族をいい方向に導いているようにも感じる。

家族を喜ばせることが私の喜びだ。

FAMILYでアメリカに行ったり、ヨーロッパに行ったり、アジアを巡ったりできる境界になりたい。

雄飛という名前は木下から世界に雄飛するという意味でつけられた。

母が辞書を読んだつけたそうだ。

三省堂の赤い辞書はまだ手元にある。

その家族の願いを叶えてあげたい。

大金持ちとまで行かなくても好きな時に好きなようにお金を使えるようになりたい。

ルフィが海賊王になろうとしているように私も何かの分野で王になりたい。

ずっとそのことを言い続けていたら抵抗がなくなって無風になった。

凪の季節だ。

これから大冒険が始まるかもしれないというワクワク感はずっと持っている。

どれだけ悲愴に溢れた世の中でも希望の灯は消えていない。

前を向いて胸を張って世界へ羽ばたきたい。

人間の真実を描写する作家として自分自身を体現するモデルとして世界に希望を与える一人の人間として。


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木下雄飛
noteは毎月更新しています。東京を歩くたびに僕の世界はアップデートされています。その日本一の都市で日々起こる日々の現象を描いていきます。お気に入りの記事があったらいいねコメントしてください。