小説家になりたい26歳が村上春樹の文章で小説を書いてみた
『小説《午前》』木下雄飛
僕の思う村上春樹を小説にしてみました!ちょっとでもいいので読んでみてよかったら感想くれるとうれしいです★
小説家をめざしてまいにち文章を書いています!
好きなものはファッションと文学と映画です!
#お洒落さんと繋がりたい
#映画好きな人と繋がりたい
#読書垢
午前 木下雄飛
贅沢に慣れた人間は貧乏でいる事を退屈に感じると僕の隣人は応えた。僕は事実としてその言葉を受け止め、彼女のリップにキスしてみた。甘く煮たイチゴを食べるかのような3分間は僕のフリーズしがちな脳にほんのちょっとのカミナリを落とした。その女性の手は冷たくてキスの前に塗ったハンドクリームが光っていたし、彼女の首元からはヒダマリの香りがしていて鋭いハートのイヤリングがチラチラ揺れていた。午前中の人気のない公園のベンチは夢中にさせるものがなにもないから僕らは一緒のスクリーンでアメリカの映画をみた。それは素晴らしく絶望感に満ちた時間だったので、彼女は俳優がハシゴを登ろうと頑張るシリアスなシーンで大爆笑してツボに入ってしまった。5分以上マブタを全開にして笑い続けるので、僕は自分のチョイス方法に結構問題があるのではないだろうかと、心から自信をなくして彼女が触っていた星のキーホルダーをひっくり返した。そのどうでもいい反抗にその人は気がつく様子もみせることなく、真剣な表情を取り戻してティーンエイジャーと小説家のピロートークに耳を澄ませていた。主人公の小説家はティーンエイジャーに対して人生を教えようとするが彼女はそっけない表情で鏡をみている。小説家はつまらなそうな顔をしてタバコに火をつけて吸いはじめる。ティーンエイジャーは大学で起こる恋のストーリーを世界を動かす重要な事件みたいに元気いっぱい語る。小説家はあまり興味がなさそうに気のない返事をしている。そして本棚をジッとみてなにか特別なことを思いついた風に立ちあがり1冊の本を手にとった。彼は『グレートギャツビー』とタイトルに書かれた本を持って「ギャツビーみたいな芯を抱えた人はその中にいるのか?」とたずねた。「いるわ。私を好きな人もいるの」
「僕より?」
「あなたよりずっとよ。あなたにその気がないなら私その人のものになるわ」とティーンエイジャーはおどけてみせた。
「あるさ」小説家はティーンエイジャーの額に唇をつける。彼女は瞳を閉じて呼吸音を響かせる。小説家は本を開いて静かに読み始める。ティーンエイジャーは彼の膝にもたれかかって声も出さずその言葉を聞いていた。窓からは星あかりが光りベッドの下では透明な猫が休んでいる。彼がテノールのボイスで語りかけているとティーンエイジャーは眠ってしまった。小説家はティーンエイジャーに布団をかけそのシーンは終わった。
(小説『午前』ここまで)
村上春樹さんの文体の特徴
漢字を削ってカタカナで表現し、まるで英米文学を翻訳する様に構築的に文章を配置する。
彼の文学はシンプルな言い回しで具体的に描写するところに特徴がある。スタイリッシュで都会的雰囲気に満ちているので若者から団塊の世代まで人気が高い。
#僕の思う村上春樹
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文学とFASHIONが好き。
大好きな文学とFASHIONを通じて想いを伝えていければと思います。
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