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満たすより、手放す。 さらっと味わう。
今日はいいお天気です。日差しが低くなってきて、太陽の光がすっかり秋色ですね。私の大好きな季節です。
今年の8月にやましたひでこさんの「断捨離」に興味を持ち、YouTubeなどを見た後、実際に片付けをしてみました。ずっとやりたかったことでもあるし、今まで大切に思ってきたことやものが色あせてきていることもわかったので実行したのですが、結果はどうなるのかわかりませんでした。突然体調がよくなるとか、そういうことは全く期待せずにやりました。ただ、この家がすっきり軽くなったらいい、居心地よくなったらいい、それだけでした。実際にやってみたら体はもちろん疲れるし、こんなに溜めていたのか...という自分に対してのがっかり感もあるし、意外とすんなり捨てられるものもあったり、でした。
物質としての「もの」は自分で動くことができず、持ち主の選択で使われるか、大切に収納されるか、処分するか、誰かに譲られるかなど、あまりにも受動的な存在なので、忘れ去られ放置されたらとても苦しいのだそうです(これはやましたひでこさんの表現だったか、他の人の表現だったか、思い出せません)。その「もの」の苦しさが部屋に漂うのですね。「もの」の処分は悪いこと、と思うかもしれませんが、例えば本がリサイクルされて他の人が読む、別の紙製品になる、ということは、その本が次のお役目に移ることができるのだと考えると、すっと心が軽くなる気がしませんか。
私たち人間も同じで、ずっと同じところでじっとしていて、何の役割も感じられずに生きるっていうのは相当につらいと思うのです。人間は「もの」とは違うから、自分で動くしかないところが違いますが...。自分自身をまるでいらないもののように雑に扱って放置するのはいけないことですね。
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何にでも始まりと終わり、出会いと別れがあり、例外はありません。はじめたことは終わらせる、買ったものは使い切るか、使わなくなったら手放す。ものすごく単純なことなのに、始めたり買ったりするのはものすごく簡単で、終わらせたり手放すことはむずかしくて(心が痛むことが多い)なんだかんだと先延ばしにしても特に困らないからどんどん溜まってしまって、重くなってしまうんですよね。人との関係や経験でも同じで、すでに変化していて、あの頃とはまったく変わっているのにいつまでもその時の関係や経験をひきずってしまう。もう新しい形に変化しているのに、それを認めたくなかったり、ただ怖いだけだったり。私はいま45歳ですが、人間は年齢とともに勝手に強くなることはないのだということを知りました。どれだけ今までのことを終わらせられるか、手放せるか、卒業できるか、ケリをつけられるか。それができて、空っぽになった自分に次は何を体験してみようか?と問いかけられる余裕みたいなものが強さだとわかったんです。
まずは手放す、捨てる、終わらせる。これがわからなかった頃はやたらに「もの」も情報も関係も、欲張るだけ欲張って手に入れようとしていました。手放すより手に入れる方が楽だからそっちに逃げていた、ということでもあります。だからパンパン。余裕がない。新しい何かなんて入るスペースがないんですね。「自分を満たす」っていいことだと思いますが、それは余裕がある心や体にはいいけれど、すでにはちきれそうになっている場合はやってはいけない、と学びました。また「満たす」というよりは、心も体もあるていど余裕があるところに「一時的にすっと取り入れて味わい楽しむ」という軽やかな感じがいいと思います。ぐっとつかんでしまうと、手放すのに苦労します。これからはもっとさらっと、軽い感じでいきたいと思っています。
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ということでBTS(バンタン)との関係は、確かに沼で大好きだけれど、軽く軽くいこう、と決めています。ネット上にある情報も取り入れてとにかくバンタンについて詳しくなろうと思えばなれるけれど、それだとお腹がいっぱいになってしまう。楽曲そのものやパフォーマンス、公式のYouTubeやWeverse、V Liveでのメッセージ、ボンボヤージュやIn the SOOPでの様子など、バンタンが直接発信してくれたものを素直に受け取って味わう、ということを大事することにしました。今、楽しくなってきているのは、テテがV Liveで教えてくれた音楽を調べて聴いてみたり、チャパグリを食べてみたり(私ではなく旦那さんと娘がはまりました)。術後苦しくてできなかった読書や音楽を聴いたり、映画を観たりということもまたやってみようという気になってきました。この辺りはテテやナムさん、シュガひょんの影響が大きいですが...。ボンボヤやIn the SOOPを観ていると、何かを味わったりつくったり表現したりというのは、最高に楽しいことなんじゃないか?とやっと気づけた感じです。そして、それをかじりはじめたばかりだけど、とても楽しい。この世界にはまだまだ知らない音楽や文学や映画があって、一生かかっても味わい尽くせないですよね。そう考えるだけでもワクワクしてきます。人は衣食住とあわせて、文化的なものが必要なんですね...。痛感しています。
ほとんど話をせずに、音楽をかけてくれるテテ。「僕は音楽が好きなんですよっ!」って、強くアピールしているわけじゃないのに、充分すぎるほど伝わってくる。好きは最強ですね。