もうすぐ4年生!ICUのリアル ②リベラルアーツ
ICUのリアル第2弾!
今回はリベラルアーツについて📚
私が受験生だったときは
正直あんまり大学の悪いところは聞きたくない。聞いたら気分が下がるし実際のところは自分が経験してみないとわからないのにネットにはまるでこれがすべてであるように語っている人がいる。そんなものに自分の決断を左右されたくない。
そんなふうに考えていました
かといってデメリットとして語られていることすべてに目を背けて下す決断もきっとベストとは言えない。
そうであるなら、一方的な意見よりICU生として正直に感じたことを良い面悪い面含めて検討するのがいい、聞いてみたい!
そう思って結局私はICUの先輩に直接コンタクトをとって会ってお話しする機会をいただきましたし、早稲田の先輩方にもしばらくLINEで質問させていただきました (詳しくは以下参照)
みなさんにも私の記事をそのようにして使っていただけたらなと思うので、あえて良い悪い双方の面から書いていきます!🫡
疑問②リベラルアーツって実際どうなん?
リベラルアーツとは
私の言葉で言うと、入学時点でメジャー(専攻)は決めずに低学年(ICUは~2年生)で自分の興味のままに基礎科目を履修、適性・将来・興味を考えながら、のちのち(3年生)でメジャー選択、そこからより高度な学修をしていく、というものです
アメリカではよくある形の高等教育システムですね
アメリカでのそれは卒業後の大学院進学を前提とされています
日本ではまだまだ珍しく、これを主な理由としてICUを志望する人も少なくありません💁🏻♀️
ICUではなんと31もの分野から授業を履修することができます
感想かもんぬ
率直な感想としては、
リベラルアーツ、良いです。
みんな結構口を揃えて言うのは、
「他の大学の人がリベラルアーツじゃないなんて信じられない!」
ということですかね
つまり、
🧑🏻「大学がどんなかもわからず興味もまだ定まらないのに、必修ばっかりの授業で、もし合わなかったら本当にしんどそう(だって俺、実際公共政策合わなかったもん)。」
とか、
👩🏻🦰「色んなこと勉強してみたかったから、好きな授業が取れて楽しい。ここじゃなかったら美術と経済学のダブルメジャーなんてできなかった!」
とかいうことですね
うんうん納得。🙂
これは私がICUの大学説明会で言われたことで、みなさんも聞いたかもしれませんが
ICUのような国際性のある大学・学部を志望する高校生の多くは興味のあるメジャーを聞かれたとき、半数ほどが国際関係学を選択する(複数選択可)が、実際その中で最終的にそれをメジャーとして選択したのはほんの一部であるそうです
あとは他の分野への興味が勝って”国際”なんて言葉への執着は早々に捨ててしまうんですね
事実私もその内の1人で、実際この3年間一度も国際関係学の授業は履修しておりません!🤣笑
こうなる理由としてはやはり、高校生のうちは大学とは何たるものか、なんてこと、わからないからじゃないでしょうか
まぁ当たり前ですよね!やってみないとわからないことばかりですし、大学の授業というものを取ってみてこういう感じか、それならこの学問は向かないかもしれない/興味がなくなったなと新しく発見するのも当然のことです
つまりこの一連のプロセスを経験してきたICU生からすれば
「それなのに入学前から専攻を決めてしまうなんて😲!!」
そんな気持ちなんです
他にリベラルアーツがいいと感じる瞬間は、授業を受けたり課題に取り組んでいる何気ないときです
どういうことかというと、例えば私のメジャーである教育学で教育と貧困の関係について学んでいるとき、あくまでも教育学の授業なので貧困それ自体の事情について詳しく学ぶことはありませんが
その前に開発学の授業を取っていると、世界の貧困がどうなっているのか、日本はそこでどのようなところに位置しているのか、貧困の原因はなにか等、その背景事情や社会との関係までを理解した上で授業に臨むことができます
つまり一般的な教育学部に入って教育学のみの視点から学ぶより、ある意味より深く社会を理解できるような感覚があります
点と点が繋がる感じですね
授業で学んだことを他の分野の授業にも生かし深く考えることができる
ここが私のリベラルアーツで好きなところです🙌
ということで
リベラルアーツ、良いですよ。😏
リベラルアーツは就活に不利?(真面目な話)
ここでよく言われるのは、”院進学を前提としたリベラルアーツは、それをしない限り学問の幅が広い分専門性が低く学業成果が残らない”という主張です
その結果就活の際、大学で自分が何をしてきたかわからず、知識もないので不利であると。
これ実際どうなのか、気になりますよねすごくよくわかります!
私もSILSと迷っていた際、大学自体もよく知らないのに就職に有利不利なんてどうやって知ればいいんだよ!!ってキレてました😂笑
実は前回の国際性についての記事で紹介したSILSを振り返っての記事で、筆者さんは同じように”専門性の低さを就活の際のデメリットとして認識しており、早稲田大学の副専攻制度を利用しその欠点をカバーした”、という記述がありました
また、"その制度のないICUなどではフォローアップする方法が見つからなかったかもしれない"、ともおっしゃっています
さて、現役ICU生の立場からこの点について正直に申し上げると、そんなに心配はしていないです😶
ここからはかなり個人的な意見になるのですが、
まず先輩を見るに、もちろん他の大学生と同じように苦労している方も含めて、リベラルアーツだから就活がうまくいかないなんて状況は聞いたことがありません
もしそれが事実として起きているのであればICU生は今頃みんな路頭に迷っているはずです
またアメリカで勉強していて感じるのは、日本はやはりポテンシャル採用が過ぎるということ。その結果として事実、大学生は勉強を真面目にしなくても就職できる仕組みになっているということ。
こちらでは4年生に仲の良い友人が多くいるので、大学卒業後の将来についてはよく話をしたり考えたりするんですが、
アメリカは勉強がきついです。私の大学はなおさらで、しかしみな懸命に食らいついていますが、そのすべてはグローバル化が進み同じ知識量を持つ海外からの人材をより低賃金で雇用することができる現在において、市場価値を磨き良い就職先にありつくためには、良いGPAを取って専門性を身につけるほかない、という現実の裏返しだと感じています
もともとアメリカでは大学で勉強したことを活かせる(インターンを踏んでから)職に就くのが一般的で、そのためにも大学で真面目に勉強することは当たり前であるようです
そのため文系であっても大学院に進む人は少なくないです
一方で日本は、就職に大学の専攻分野はそこまで関係ないですよね
受験生のとき、この専門性の低さについてネットで調べていて、”就職に専攻分野なんてどうでもいい”と書いていた人がいたのを覚えています
その当時はやはり大学も就活も何もわからなかったので、「そんな過激派信じられないよ~」と疑心暗鬼でしたが、今ではそれの意味するものがだんだん分かってきました。そしてアメリカに来た今、その通りだと感じます
というのも私の代は現在絶賛就活中で、友人と電話するたびに就活の話題が上がります
そこで私は就活の勉強がてらよく模擬面接のように、相手の考え方やエピソード、ガクチカについて掘り下げていくのですが、ICU生に限らず、そこで大学の専攻分野を中心に自分を売り出している人には一人も出会っていません
これが現時点での日本の就活の普通なんだと感じました
もちろん、就きたい職種がより専門的な文系(例えば会計・法)や理系になれば話は変わってくると思いますが、そういう人たちはより深く学ぶための大学院という選択肢が必然的に浮かんでくると思いますし、
リベラルアーツでそのまま卒業しても、問題はないんじゃないかなぁ🤔というのが一個人としての見解です
ICUならある程度一般からの評価はいただけるでしょうし、英語力やそのほか人間性でプラスになります、と信じてます!!🫶笑
自分の身になる学び
逆に私にとっての疑問は、一般的な日本の大学を卒業することだけで専門性が保証されるのかということです。
たくさん自分の専攻分野の授業を取った
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その分専攻分野に触れた時間が長い
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学んだ気がする
のは明白ですが、
学んだ気がする
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知識が身についた
になるのかというと
必ずしもそうではない気がしませんか?
たしかにリベラルアーツでは
学術分野の選択の幅(例えば心理学、平和学、社会学、人類学…)が広くても、
一つの学術分野内での幅(例えば心理学の中の発達心理・臨床心理・犯罪心理…)
and/or
その深さ(例えば発達心理学概論・応用)
に比較的乏しいというのは事実だと思います
ですが専門学部でもリベラルアーツでもそこでの学びが自分の身になるかどうかは、結局は自分のやる気次第じゃないでしょうか
大学は単位を取って卒業するシステムのため、単位を取れる成績のラインを越えてさえいれば卒業できるんです
つまりそれ以上は自分の頑張り次第、単位だけ取れればいいや精神で勉強よりバイトや部活を優先させる人も、すべて頑張る人もいろいろな人がいます
前者の場合、いくら専門学部で専攻科目のコマ数が多かったとしても、結局身についた知識は乏しく学部名は肩書きだけ。なんてことがあり得ますし、
逆にリベラルアーツのICUでも、学んだことを知識として蓄積する勉強への取り組み方はいくらでも存在し得ます
東大だってリベラルアーツですしね!
言ってしまえば当然のことです
何の勉強をしてきたの?
それでは実際に、私がこの3年間でどのような勉強をしてきたのかをお話したいと思います
このファイルは名前の通り4年間の履修計画で、見ればいつどんな授業を取ったのかがわかります
在学生でなければここまで詳しく知る必要はないと思いますが、教育学メジャー生の一例として。
簡単に説明すると
1学期上限18単位まで
原則単位数=コマ数
授業名の言語=開講言語
下線は(英語科)教職必修科目
必修科目はキリスト教概論のみ
3年秋~4年春は留学(必修ではありません)
私は教職・留学の関係もあってこんなに毎学期授業が詰め込まれていますが、他の人はもっと余裕のある時間割です
入学当初私の関心は特に、教育学、心理学、開発学にあったのでそのような履修になっています
もしELAがストリーム3・4であれば、1年生のうちは毎学期ELA+2つほどしか授業を取れませんが、その後はほとんど制約なく31のメジャー分野から授業を履修することができます🎓
また私は教職課程を履修しているため、ご覧の通りかなりのコマが教育系の授業で埋まってしまっていますが、教職を取らない方はこれらのコマ分すべてを自分の興味のある科目に費やすことができます
こういった事情もあって私はまだまだ取ってみたい科目があるんですが、興味のある分野によっては授業を取り終えてしまって取りたい授業がないと言っている友人がいるのも事実です
話を聞いてみると、経営学に興味がありそれ中心に取っていたけど、経営の中でも特にマーケティングに絞ると授業数が限られてくる、らしいんです
先ほど申し上げたようにリベラルアーツは分野の幅が広い分、一つの分野をさらに細分化すると網羅できていない領域も出てくるということですね
ちなみに私のメジャー教育学に関しては、早稲田の教育学部教育学専攻教育学専修の科目(≒教育学のコア)に、開発、言語、ICT教育系を足した印象ですね
やはりICUの科目の多くは分野のコアな部分で構成されていて、それで満足する人には十分ですがさらにさらに勉強したい!と学修の焦点を狭めていく人にとっては物足りない感じはあるかもしれません
そんな方にあらかじめ将来の選択肢を提示しておくと、まず挙げられるのは大学院進学。これは言うまでもないですね
次に交換留学制度。ICUのそれは3年の秋からでその頃には自分のメジャーも決まっているため、専攻科目に強い留学先で学修を進めるというのも一つの手です。4年間でできるので効率的な感じがします
さらにICUは東京外国語・筑波・上智大学などと単位互換プログラムを提携しており、それら大学の授業を取ることも可能です。大学によって時間割(1コマの長さ等)がまったく違うため興味のある分野で時間が合えばラッキーくらいの感じで時間割がパンパンの私は残念ながら履修できたことがありません😢が、他大学の雰囲気も知れて面白いと思います
ちなみに私は2023年2月現在、卒業後は大学院進学しようと考えています。ので就活などについて結果として証明できるのはもう少し先になりそうです😂
リベラルアーツと大学院進学については、留学に関しての記事でお話ししたいと思います
他のリベラルアーツ学部とどう違う?
さて最後に、他大学のリベラルアーツ学部と比べてどうなのかですが
まずはっきり言ってしまうと、私はICUにしか通っていないので、ICUと他の大学を同じように比較することはできません!
そのためどのリベラルアーツ学部がいいの?と聞かれても、です(ごめんなさい〜😅)
それでも一応簡単に自分が受験生時代調べていて感じた大きな違いとしては
という感じですかね
また、上2つは大学全体でリベラルアーツなのに対し、下2つは学部として存在する形です
メジャーの幅に関してICUは他3つよりも富んでいると思います
必ずしも全部英語だからいい、留学が必須だからいい、人数が少ないからいい、ということはありません!ほんとに。
自分が思い描く大学生活に必要なものはなにかを基準に選べばいいと思います
[参考] 早稲田蹴りICUの理由
[参考] 早稲田の国際教養学部に入ったこと、後悔してる?
ということで今回はICUのリベラルアーツ教育についてお話ししました!
次回はICU生ってどんな人?をお送りします
ご参考になればうれしいです😌
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