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第1回パイロット座談会~後編~

note担当のあーりん&くどぅです!
前回に引き続き、第1回パイロット座談会の様子をご紹介します!
今回の後編では、それぞれのパイロットになったきっかけや、なってみてからの自身の変化、そして今後の夢など……パイロットそれぞれの背景や、内に秘めた思いなどを語り合っていただきました!

自己紹介を含めた前編の記事はこちら


パイロットになったきっかけはなぁに?

あーりん:パイロットに応募したきっかけや理由はみんなどんな感じですか?まずはマサ大先輩から順番にお願いします!

マサ:パイロットに応募したのは2018年です。高校卒業後は通信制大学に進学したんですが、勉強するモチベーションが無くなってしまい中退しました。その後、サークルのような趣味の集まりでビジネス系のアプリをいじって遊んでいました。
25歳の時に『寝たきりとはいえ、このままプー太郎でいるのはマズイのでは?』と危機感を覚え就活を始めました。今ほど在宅ワークが広まっていない時代で、全然上手くいかなくて落ち込んでいた時に、たまたまオリィさんのTwitter(現X、以降Twitter表記)でパイロット募集を見かけてピピピッと来まして!気付いたら応募してました。
OriHimeや仲間のおかげで、今では社会に馴染む寝たきりになりました!ありがとうございます(ニッコリ)

優羽:私の場合は5年前に神経難病を発症していて、一般企業の障がい者雇用枠で2社勤めたんですが、いろいろと上手くいかずに退職してしまいました。
当時Twitterで繋がっていた難病を抱える仲間がたまたまAVATAR GUILD※に登録していて、それで紹介してもらった流れです。とりあえず自分も登録してみたら、ちょうど常設店のオープンに際してパイロット募集があって、それを見て応募しました。
もともと受付の仕事をしていたから接客業がやりたくて、障がい者雇用だとデータ入力とかしか出来なかったので、お客様と直接触れ合える接客のお仕事ができるのはとても魅力的で『マジ天職!』だと思いました!

※AVATAR GUILD
外出が困難な方の新しい働き方を開拓するプロジェクトから生まれた人材紹介、業務委託による人的リソース支援を行うサービスです。現在はFLEMEEへ移行しました。

あーりん:私も優羽さんと同じで、AVATAR GUILDからの応募でした。
もともと小児科の看護師さんになりたくて、院内学級にすら出向くことができない子どもたちがOriHimeを使って院内学級に通学してるのを知って、そういう子どもたちを支えたいなと思っていたら、自分が患者になってしまったという(苦笑)看護師を目指していた時にちょうど神経難病を発症して、しぶとく足掻いて頑張っていたんだけど、どうしても体調面を考えると諦めざる負えなくて……。
それでも上京して一人暮らしに挑戦して、一人暮らしするならお金を稼がなきゃってことで仕事を探したんですけど、通院の回数も多いしこういう身体で雇ってくれるところなんて無くて。知人たちに相談したらOriHimeのことを勧められました。なんと本人同士は繋がりが無い3人から!そんなにいろんな人から勧められるってことは、やるしかないなって思って、応募しました!

くどぅ:私はもともと一人暮らしをしていたんだけど、持病の心臓病の手術を受けた後から身体の機能や体力が大きく低下してしまって……。一人で生活するのは難しい状態になって、仕事も辞めて実家に帰りました。
少しだけ体調が安定してきた時に、2021年のDAWN常設実験店オープンに際してのパイロット募集をたまたまTwitterで見かけて、その時にOriHimeのことも初めて知りました。調べてみたら、私と同じように心臓の病気を抱えながらも働いている先輩パイロットさんのことを知って、それで自分もやってみようと思って応募しました!

やっちゃん:私はオリィさんのTwitterでパイロット募集を見かけて、家族の介護をしている人でも働けるってことで応募しました。
障がいを持っている子どもって体調を崩しやすくて、周りからの理解がないと仕事しにくいんですよ。入院しちゃったり、通院連れていかないといけないとか。ここだったらいろんな壁を取っ払って、自分の経験を活かせると思って応募しました。

あーりん:Twitterきっかけの方が多い!Twitterってすごいですね!今ってSNSで求人を探す時代なんだ(笑)

※怪しい危険な求人も横行しています。SNSは充分に注意して活用してください※
また、現在パイロットの募集は休止中です。(募集再開は未定)
募集はHPまたは公式SNSでのご案内となります。

パイロットになったおかげで美味しいビールが飲めた!?

あーりん:実際にパイロットの仕事を始めてみて、自身の中で変わったところとかありますか?

優羽:海外のお客様と触れ合う機会が多いので、海外の方への苦手意識みたいなものは減ったと思う!
こないだぱるるちゃん(公認OriHimeパイロット)と浅草に行った時に、どうしてもビールが飲みたくて(笑)でもお店の自動ドアのボタンが車椅子では手が届かなくて、通りがかった海外の方に「プリーズ!プッシュ!」みたいな感じで話しかけて開けてもらいました(笑)簡単な英単語であれば、躊躇う気持ちが無くなったと思う!

あーりん:普段から使ってないと、簡単な単語でもなかなか出てこないよね!

優羽:DAWNでの勤務のおかげで、美味しいビールにありつけました(笑)

あーりん:確かに、初対面の人にも躊躇いなく話しかけられるようになって、コミュ力が上がったと思う!でも逆に、顔出しで話すのが恥ずかしくなったかも……。

マサ:たしかにOriHimeは顔出さないで話せるからありがたいですよね。

優羽:なんか、別の人格というか自分の中でのいろんな面をお客様に合わせてキャラを変えられるのは顔が見えないOriHimeだからできることだよね。

ついでに、OriHimeでならコスプレも恥ずかしくない!

やっちゃん:私はDAWNで働き始めたばかりですが、ワクワクすることが増えました!子どもの介護をしていると学校の先生、医療関係者、同じ立場の親御さんと関わる人が限定的になってしまって。でも今はDAWNで働くパイロットやスタッフさん、国内外のお客様と毎日新しい出会いに溢れているのでワクワクすることが増えました。

あーりん:確かに私も一人暮らしだから会う人が看護師さんとヘルパーさんとかに限定されてて。毎日初めましての人と話してるってすごいですよね!

やっちゃん:すごい仕事だなって改めて思います。みなさんもう長いので当たり前のようになっているかもしれないですが、私はまだ始めたばかりなのですごく新鮮です。

あーりん:お仕事することで自分でお金を稼げたということもめちゃめちゃ嬉しかったです!働いて稼ぎを得られることで、気持ちが救われているところもあります。お金ないのに外でビール飲むなんて!って前は思ってたので(笑)

マサ:自分は高校生までは人見知りだったので……

一同:え!?ほんとに!?

マサ:そうなんですよ。高校では通学に親が付き添ってましたが、車椅子だし、授業中は寝そべっているし、周りの視線が気になって目立ちたくなかった。今思えば、みんな僕に対して興味なかっただろうに、当時は自意識過剰だったんです(笑)とにかく空気になるように意識していました。友達も少なくて、一般常識も全然備わってなかったです。
でも今はこうしてカフェで働くことができて、いろんな方と交流できるようになった。出来ないと思っていたことでも、やれば出来るんだって気が付くことができてよかったなと思います。まぁ、逆に手を抜くことも覚えてしまって、不真面目な寝たきりになってしまったんですけどね(笑)

あーりん:それも大切なスキルです(笑)

マサ:ワルい寝たきりですが引き続きよろしくお願いします!

ハロウィン期間中の1枚。ワルそうなコスプレ衣装!?

やっちゃん:私はもともと接客業をしていたんですが、それでもみなさんの接客を見ていて本当にプロだなぁ、お上手だなぁって思います。

あーりん:私は最初は接客が壊滅的に苦手でした。日本人のお客様相手なのに緊張しすぎてマニュアルのセリフ間違えてたり、2年半やってやっとこれですよ……。

マサ:僕は最初の頃、OriHimeの操作をミスって誰もいないテーブルに行ってしまって。ちょうどその様子を取材カメラで撮影されてて、恥ずかしかった~!「初めてだからしょうがないよね……!」と開き直りました。

やっちゃん:あまり気負いすぎてもダメなんですね!

あーりん:失敗してもいいカフェだから気負いせずに!

優羽:むしろハプニングも楽しんでもらうカフェだからね!

マサ:『世界で一番失敗するカフェ』って代表も言ってたので良いんじゃないですかね(笑)


それぞれの今後の夢や、やりたいことは?パイロットとしての使命も見えてきた!

やっちゃん:皆さん何か夢とかこれから挑戦してみたいこととかありますか?

マサ:カフェってオシャレじゃないですか。だからいっそさびれた居酒屋みたいな所で、そこの大将としてOriHimeの僕がいるんですよ。OriHimeの姿でたばこ咥えながら新聞読んで、お客さん待ってるみたいなノスタルジックなやつをやりたいです。バイトの子に「大将、たばこダメですよ」って言われたい。

一同:大爆笑!!!

あーりん:めっちゃ想像しちゃった!

マサ:そういうのが街中にあったら面白いなって。最先端だけど昭和な感じ。という妄想でした!

くどぅ:そこならOriHimeビールサーバー大活躍だね!

OriHimeパイロットが遠隔でコックを操作し、お客様と共同作業でビールをお注ぎするシステム

優羽:私はもともと写真を撮影するのが好きなんですが、ここ2~3年くらい休んでて。でも最近、車椅子を使うようになってから移動も楽にできるようになったのでまた再開しました!実はコロナ禍前から企画をしていたことがあって、障がいや難病を抱える人たちを撮影したいんです。素敵な笑顔を写真に収めて、何か一つの展示ができればいいなと思っています。

あーりん:優羽さんの写真、凄く素敵なんです。以前撮影してもらったことがあって。

優羽:パイロット仲間のぱるるが東京に来た時も撮影したよね。

あーりん:ビールの飲みっぷりが最高の瞬間ね!優羽さんはその人らしい姿を撮るのが上手いよね。

優羽:障がい抱えてる人=かわいそうな人ってイメージが付きまとうけど、楽しく生きているんだって所を写真に収めて発表したいですね。

くどぅ:私はちょうどキャラバンカフェ※での就労体験プログラム※で、特別支援学校の生徒さんにOriHimeでの接客の仕方を教える先輩として参加させてもらったんだけど、将来への希望を持ってもらえる凄く良いプロジェクトだと思いました。なので他にも、未来ある若者たちに希望を持ってもらえる活動ができればいいなと思ってます。なんか、すごく大それたことを言ってしまった(笑)

※キャラバンカフェ
分身ロボットカフェDAWN ver.βの期間限定地域キャラバンカフェ。今までに福岡、札幌、広島、京都で開催された。

2023年12月に行われた京都キャラバンカフェ開催時の記念写真

※就労体験プログラム
キャラバンカフェ開催地の地元の特別支援学校などに通う生徒が、公認OriHimeパイロットの先輩に教わりながら、接客の仕事の体験をするプログラム。

広島での就労体験プログラムの様子。生徒さんの初心者マーク姿がかわいい!

あーりん:これからを支えるのは若者ですからね!若者を大事にしないと!

一同:間違いない!!

やっちゃん:私の子どもも難病を抱えているんですが、キャラバンカフェと就労体験プログラムを愛知県でもやってほしいです。障がい(特に肢体不自由)を持っている子どもって本当に就職率が低いんですよ、6パーセントくらいとか。あとの子は施設に入るとか、生活介護を利用したりだとか、進路がもう決まってしまっているというのを変えたいですね。

あーりん:子どもたちの未来の選択肢を広げたい!

やっちゃん:周りの親御さんでも「うちの子は働くことができない!」って思っている人は多くて、でも実際にOriHimeでの働き方があることで『こういう道もあるよ!諦めなくていいよ!』ってことを言えるので、そこはとても助かっています。それに障がいのある子がいても働けるということもお伝えしたいです。こういう子達がいると、ママが面倒を見るものだって決めつけがあって「ママも働くの?子どもどうするの?」って見られることもあって……。『いやいや、自分の人生も楽しみたいんで!』という気持ちです。遠隔で働いてるって言うとみんな「え!?」ってなりますけどね。

あーりん:”遠隔”カフェで働く”なんて馴染みが無いですからね。お店自体が「バーチャルなの!?」とか聞かれたりね(笑)

やっちゃん:「ロボット?え?どういうこと?」って、ホームページ見せるとそこでちょっとわかってもらえるという。

くどぅ:OriHimeでの働き方を誰もが知る、どこででも使われるような普通の働き方として広めてゆくのも私たちのミッションですね!

あーりん:私たちの使命を改めて再認識できたところで、なんとあっという間に開始から2時間経ってしまいました!宴もたけなわですが、今回はこのあたりでお開きということで……。

一同:ありがとうございましたー!

あとがき

当note初の試みである公認OriHimeパイロット同士による座談会、いかがでしたでしょうか?2時間越えとなる大盛り上がりを見せた今回の座談会。DAWNのお店の日常や、個性豊かなパイロットの魅力、それぞれがOriHimeに託した想い等など……一緒に働くパイロット同士ならではの会話が繰り広げられました。

それぞれが抱えていた孤独に、光を灯してくれたOriHimeの存在。そして、ここで出会えた『一緒に働く仲間』というコミュニティ。この仲間たちとの絆を大切にしながら『OriHimeパイロット』という社会参加の仕方・選択肢を広め、次世代のロールモデルになれるように頑張っていきます!

今後のDAWNの発展や、パイロットたちの活躍にご期待ください!


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あなたもぜひ一度、OriHimeパイロットに会いに来ませんか?
DAWN公式ホームページはこちら...
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『分身ロボットカフェ DAWN ver.β』
[営業時間]
全日11:00-19:00
[定休日]
木曜日(祝日の場合は営業致します。)
[住所]
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3-8­-3
日本橋ライフサイエンスビルディング3 1F
メール : dawn@orylab.com


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