守りたいものがある人は、最強だ
去年、そろそろ韓国に行くし韓国人作家の本を買おう〜と立ち寄った本屋の海外書籍コーナーで、全く関係ない本を買った。この本です。
帯を見たところ、どうやら強い女性たちが出てくるらしいし、表紙も素敵だ。即決。
私は強い女性の話が好きだと言い続けているけど、はて強い女性とは?
私が考える彼女たちの共通点は、こんな感じだろうか。
①賢い
②一人でほとんどのことができるし、一人でも楽しい
③機転が利く
④強い意志と実行力がある
⑤守りたいものがある
中でもこの本に出てくる3人の女性は、最強です。
インドのダリット(不可触民)、スミタ。娘に同じ人生は歩ませまいと、命をかけて村から逃げ出す。
イタリアで毛髪工場を営む一家の一員、ジュリア。父の死後、工場の再起を図る。
カナダで弁護士として働く、いわゆるバリキャリのサラ。シングルマザーでもある。癌になってから同僚には同情され、裏切られ、築き上げてきた地位が崩れ去る。
スミタは娘を、ジュリアは父が残した工場と従業員と家族を、サラは自分と娘を守るために闘う。
自分以外の人のために闘うスミタやジュリアはかっこいい。でも、自分の尊厳のために闘うサラもすごくかっこいい。
サラは言う。
鏡にうつる自分の姿は敵ではなく、味方でなくてはならない。(pp.227)
この3人の女性の強さが、最後に繋がる。
負けない強くてかっこいい女性の話というだけで、「フェミニズム小説」にカテゴライズされて引いてしまう人がいたら残念。
彼女たちの強さは、男性や周りの誰かを抑圧して優位性を主張してくるような暴力的な力ではないから。
助けてもらうことを期待しない、自分の力で幸せになろうとするヒロインたちが、やっぱり好きだ。
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