コープさっぽろが求めるエンジニア像とは
「事業会社って何よ?」
えっと、いきなりなんですけど「事業会社」ってどういう意味なんでしょうね・・? 転職希望のエンジニアさんをたくさん面接させていただいているのですが「事業会社でエンジニアやりたいんですっ!」とおっしゃる方がとても多いです。 いや、とっても良いことだと感じますし、だからこそコープさっぽろに応募してくださっているのだと思いますが・・・ただ「事業会社」という言葉は、個人的にとても違和感があります。だってどんな会社だって「事業」をやっているわけでしょ?w
「事業」っていう言葉で辞書を引くと、このように書いてあります。
ちなみに「会社」はこんな感じ。
つまりは、社会的な仕事や生産営利を目的とした活動を行っている団体、ってことなんだけど、それってどんな会社も一緒だよね?って思うんです。いやいや「そういう話じゃない」ってのも理解できるのですが、なにかしっくりこない・・・「じゃぁ事業会社じゃないとされる御社がやられている○○は事業じゃないのですか?」ってツッコミを・・ってだめですね・・いつまでたっても大人になれません笑
だから、単に「事業会社でエンジニアやりたいです」って言われても、正直困惑します。「御社(御協)での○○の事業にとても興味がありまして」とか「△△の事業にとても共感しまして」みたいな話であってほしいですね・・・。
ちなみに、コープさっぽろは「生活協同組合」ですから、一般的な意味での「会社」ではありません。しかし、組合員さんが出資している、という点においては、まさしく「株式会社」的な組織です。ちなみにコープさっぽろの組合員数は、2021年3月現在においておよそ186万人。組合員=株主と考えると、膨大な数の株主がいるわけです。北海道の世帯数が270万世帯だから、世帯の比率で見れば、北海道の7割弱の世帯がコープさっぽろの株主、ってことになります。
「DXって何よ?」
コープさっぽろがDXやるぞ!ってなって自分もそこにジョインしたのが、もうかれこれ1年半以上前のことになります。自分は内製エンジニアリングチームを「0 → 1」するにあたってチームビルディングを任されたのですが、考えのベースになっていたことは、コープさっぽろにジョインする前の2019年11月に行われたJAWS Festa 2019 Sapporoでお話しさせていただいた内容そのものでした。(映像)(発表資料)
まぁ、そうね・・基調講演でえらそーに言ったからには、やる(笑)
・・いや、マジレスすると、今後の世の中を下支えしていくICTエンジニアを育成していくことは、社会的に大変重要なことだと思っています。特に、累積する問題が山積みの地方においては、もうメチャクチャ大事です。ギョーシャさんにシステム構築をお願いした時に、ワケがわからない横文字をならべられて、見積見ても理解不能・・なんだけど、じゃこれでお願いしますってやってる場合じゃないですよ、ほんと。
今は「DX」なんていう、とてもデラックス感ある言葉が世間を賑わせておりますが、この言葉もあと数年もすれば忘れ去られるでしょう。そもそもDXなんていうものは、やっているところはもう何年も前からやっているわけで、概念的に新しいものでもなんでもなく、本質はX(Transformation)の方であり、D(Digital)は単なる道具でしかないから、個人的には別にDじゃなくてもいいんじゃね?くらいに思っています。
「地方のICTエンジニアってどうよ?」
クラウドコンピューティングはICT民主化の武器になって久しく、インターネットに常時接続している、とてつもない演算能力を持ったスマートデバイスを一人一つ持ち歩く時代になったことは、驚異的なことだと感じています。
先日、大学を出たばかりでWebの世界に飛び込んできた、20代の若者たちと話をしていたのですが、気がつけば自分は「インターネット老人会」の代表として話をしておりまして笑、それを面白がって聞いてくれる若者の時代とは隔世の感があるな、としみじみしておりました。
ま、そんなことはどうでも良い話ですが、激烈に変化していく世の中で、これからサバイブしていくICTエンジニアがキャリアを積んで行こうと考えた時に、はたして「地方」でそれをやっていけるのでしょうか?
今までの考え方の延長で行く・・・のであれば、今の時代であっても「俺ら東京さ行くだ」した方が良いです。現代はネットワーク上で簡単に繋がれる時代ですから、必ずしもそうではない、とはよく言われることです。しかし、それは理論上の話で、現実はやはり「リアルな世界」の中で揉まれた人の方が圧倒的に強いです。これは今も昔も変わらず・・・四半世紀前の自分はこんな田舎は嫌だったので、東京さ行って、もう帰ってこない、と思っていました。
・・ってことは、ICTエンジニアとしてキャリアを積みたい地方の人間は、みんな東京さ行った方が良いのでしょうか?
「今までの考え方の延長でいく」という枕詞をつけたのは意図があります。世の中のVUCAっぷりがどんどん激しくなっている現状からすれば、私が上京した四半世紀前と今とでは全く異なる世界です。現代ではエンジニアとしてのスキルをつけていく方向性をよ〜く考えることが大事なのではないでしょうか?
「ICTエンジニアの2極化」
そういや、一時期AIが人間の仕事を奪う、っていうのが話題に上がってたと思いますが・・・どうでしょう?これすらも別に新しいことじゃないですよね。そもそも産業革命以降の、近代の人類の歴史はその繰り返しだったわけで、なんちゃらイノベーションがおきたら、それまであった仕事がなくなる、なんてのはフツーにあったわけです。私自身も自分自身の経験として、そのような淘汰されていく世界をたくさん見てきました。
特に情報系のイノベーションの破壊力はハンパないことは、GAFAが台頭している事実からもわかります。じゃぁ、そのICTの船に乗っとけば万事OKか?っていうと、まぁ、そんなわけないですよね。
私は2019年のJAWS Festaの話の中で、こういうスライドを入れ込みました。
仮に、AIが仕事を奪う?のであれば、プログラミングだってAIがやるんじゃないですか?って話です。そんなのあり得ない、と思う人は、翻訳のことを考えてください。現在でも同時通訳レベルにかなり近づいてきましたから、ごく近い将来に日常会話レベルのコミュニケーションであれば、問題なくできる世界がやってくるでしょう。まさしくドラえもんのほんやくコンニャク(味付きがあったのかww)の世界なわけですが、これって10年前にはちょっと考えられなかった世界です。だから10年したら、仕様書どうりに作るプログラミングなんかは、もうAIがふつうに一瞬で作っちゃうんじゃないですかね?
ということは、ICTエンジニアが目指すべき方向は2つ。ひとつは、AIに負けない職人技を極めたスーパーエンジニアになる。もうひとつは、本当に解決したい問題を現場レベルで把握して、それに見合った、適切なソリューションを組み立てられるアーキテクト的なエンジニア、のどちらかだと思っています。
地方のエンジニアで、もし前者になりたければ・・もう、今すぐ東京・・っていうか、日本を飛び越えて、シリコンバレーでも深圳でも、今すぐ行ってください。もしそうじゃないのであれば、徹底的に現場を知って、テクノロジーも深く理解して、かつ、経営的感覚(コストや将来性、社会貢献度etc..)も磨きながら、徹底的にやり抜く力を、今すぐ付ける必要があります。
ちなみに現代でもAppSheetやkintoneなんかに代表されるノーコード・ローコードの世界がありますね。ICT専門家じゃない人が「アレとコレをポチポチッ」ってすれば、まぁまぁ使えるシステムはできます。だだ、実際に複雑怪奇なリアル人間社会の中で動くシステムをそれだけで完結させることは、まだまだ問題があるので、これからの進化に期待です。
ちなみに私が尊敬するRubyの生みの親のまつもとゆきひろ(Matz)さんも、こんなことをおっしゃってます。
ただ、この記事はノーコードをdisっているのではなくて、後半にある「プログラマーの仕事は、機械を相手にするものではない」っていうところが大事なポイントです。モノやサービスを作る人は、絶対に忘れてほしくないことかな、と思います。心の底から。
「コープさっぽろが求めるエンジニア像」
いままで長々と書いてきましたが、結局言いたいことはこう言うことです。
まさしくコープさっぽろには、それができる環境があります。そして、いままでジョインしてくれた20名ほどのエンジニア、PMたちは、それを日々やっているのです。おそらく、この一年ほどの経験は、ものすごく濃密だったものと思います。
そして、そんなことができる地方の職場なんて、滅多にあるものではありません。これはステマでもなんでもなく、真実です。
この記事を読んで、ぜひジョインしたい、と思った方は、今すぐWantedlyからポチっとしてください。私と話をしましょう。
ただ、最初に断っておきますが、想像以上にめちゃめちゃ泥臭い世界ですよ。キラキラWeb系とは一線を画します。すっげー大変ですよ。でも、そこには北海道の生活インフラを支える巨大な生活協同組合があって、膨大な数の株主(組合員)を支えるために、日々汗水流している現場があります。社会を支える圧倒的にリアルな世界がここにあるんです。
その中にエンジニアやPMとしてダイブできますか?ダイブして、そこでやり切ることができるかどうか、よ〜く考えてみてください。考えてもわからなければ、連絡くださいね。いくらでもお話しします。
というわけで、コープさっぽろの理念に共感したあなた、現場に精通したICTプロフェッショナルを目指そうではないですか。待ってます。