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【感想文】「よそ者リーダー」の教科書(𠮷野哲)ページ数:327ページ 2021年著


【なぜこの本を読もうと思ったのか?(自分の弱みや足りない点)】


転職とは「よそ者」が転職先に入ってくる事と同じである。
37歳にして人生で初めて転職したわけだが、
転職先での立場は、メンタルが強くない自分にとって
プレッシャーも不安も大きい。

 そんな時、本書は方向性の明かりを灯してくれたと感じている。

 本書の感想文を書くのはこれが初めてだが、
実は読破するのは2回目である。
おそらくあと3回くらい読み直すと思う。

【なぜそう思ったのか?】

元々は前職の経営コンサルタント時代に
手に取った本である。

当時の目的は
「経営コンサルタントもよそ者リーダー」と言う立場から、
よそ者リーダーはどう振る舞うべきなのか?
その原理原則を知りたかったと言うところから来ている。

また当時は別部署のマネージャーも任せられた事もあり、
同じ会社であっても別部署のマネージャーになる事は、
その部署のメンバーから見れば私はよそ者である。
そう言う意味でも本書はとても役に立った。

まず感想文趣旨とは異なるが、
今回どうしてもこれだけは述べておきたい。

本書は自分にとってもはやバイブルである。
筆者に本当に感謝している。
あまりに感謝し過ぎて
Facebookでメッセージを送ったほどである。

なぜ感謝しているかと言うと、
自分がこれからやろうとしている事を
成功も失敗もすべてやってくださり、
その体験を体系立ててまとめてくれたからである。

年齢的にも立場的にも失敗は許されない状況下では、
何気ない仕事もありえないミスを犯してしまう
可能性があるのが人間心理である。
本書は、いわば自分の未来を先取って
教えてくれた様なものだ。

【本文の文字数】
1,414文字/1,440文字

【❶結論】【よそ者リーダーは特に人間力に優れていなければならない】


よそ者×リーダーと言う2つの立場を与えられた者にとって
本書は3つのメッセージを遺していると私は解釈している。

①信頼を勝ち取る事
②洞察力を磨く事
③人を動かす大局観を中期経営計画でロードマップ化する事

リーダーは人を動かす役割を負っている。
したがって信頼を得る事が何よりも重要である。

人を動かすには、以下の要素が必要。
➤人として謙虚な姿勢でいる事
➤相手が肚落ちするだけの対話力
➤信頼に足る大局観を持っている事

これらを着任してから特に100日間でどれだけ浸透させられるかが、
着任先での成果に大きく影響すると言える。

単純にプレイヤーであれば特定の能力を発揮すればそれなりに
成果も出るだろうが、よそ者リーダーに求められる成果は
「企業の継続的発展に貢献する」と言う話であるが故、
人間力なしに成功はありえない結論に至った。

【❷要約】

本書は組織のトップはじめ、支社・支店への転勤、
子会社への出向、転職など、
よそ者としてリーダーシップを発揮する立場になった
人間へ向けて書かれた指南書である。

ごく少数のカリスマ的経営者と違い、
多くは筆者と同じく凡人がリーダーになった際に、
どう考え、どう動いていけば良いのかを
筆者の経験を基に展開している。

客観的視点を持つよそ者の強みを活かし、
よそ者ならではのイノベーションを起こす為に
落とし込む要素は以下の通り。

➤心構えとして一人称で思考し、謙虚になり、バランス感覚を持つ
➤人材を洞察し、一体感を醸成し、社外との関係も構築する
➤着任前~着任後100日までの具体的行動指針

【❸仮説】【よそ者がリーダーとなって古い体質の組織を変えられるか?】


私は結論でも述べた3つの要素を
持ってすれば可能と考える。

前職の経営コンサルタント時代の経験からも感じる所だが、
どんな企業もキーマンの肚落ちと行動によって結果が決まる。

・どう言う期待を持たれて自分はここに来たのか?
・何を目的に個々の計画が存在するのか?
・相手のビジョンや価値観は?

相手の状況を理解し、
それぞれの立場の人間と
丹念にコミュニケーションし続けられるかどうかだと思う。

なぜそれが大事なのか?

そもそもマネジメントを求められると言う事は、
マネジメントが機能不全に陥っているからに他ならない。
つまり現管理職もプレイヤーになっている可能性が高い。
その状態になっている方からも信頼を得ないといけないからだ。

私が思うにマネジメント業務というのは、
一般職位からするとフワッとした印象に見えやすい。
一つの一つの業務が木ではなく森になっているイメージだからだろう。

プレイヤーであれば例えば経理なら伝票入力、
営業なら訪問、倉庫なら荷出し等、
明確に手を動かす作業が存在する。

私の様にプレイヤーキャリアが強い人間からすると、
明確な作業をしていないと
「あいつサボっているんじゃないか?」と
余計な誤解を生む可能性もある。

しかしマネジメントの立場は
主として頭を使う仕事であり、
自分以外の人間がいかに業務を遂行し、
成果を出させるかが仕事になる。

実際にプレイヤーに動いてもらうには
森を一つ一つの木にまで具現化しないといけない。

コミュニケーションを惜しまず
地道に粘り強くやっていけば、
成果は少しずつ目に見える形で出てくる。
見えてきた変化に、
組織の体質も呼応する様に生まれ変わっていく。
そうなる様に諦めずに行動する事こそ、
よそ者リーダーの役割と言える。


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