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【10日目】社内のデータ活用推進に悩んでいませんか?

みなさま、こんにちは!
株式会社メンバーズ メンバーズデータアドベンチャーカンパニー(以下DA)アナリスト事業部 事業部長の陳です。
昨年のアドベントカレンダーに参加したかったものの締切を逃してしまいましたが、今年こそ!という思いでエントリーNo.10を手に入れました。
今日は、多くの皆さまが課題と感じている「社内データ活用推進」についてお話ししたいと思います。


今年の漢字一文字「進」

  1. 話したい内容に合わせて「進」という漢字を選んだわけではありませんが、このポジションに就いて早2年。振り返ると「何かを推し進める」「誰かに推されて進む」「とにかく進む」という年だったと感じます。特に今年は、事業部として多くの挑戦を行い、一歩ずつ進んできた一年でした。

社内データ活用推進をどうしたらいい?

社内データ活用の課題

私は2023年3月まで現場で顧客のデータ活用支援を行っており、現在も顧客と「社内データ活用」について議論や相談をする機会が多くあります。よく挙がる声としては以下のような課題です。

・ツールの使い方が難しい
・何から始めたらいいかわからない
・実感できる成果が見えない
・時間やリソースに余裕がない

私が携わった案件では、3年間ほぼ顧客の社内データ活用推進に注力してきました。そこで、私がよく使っている「フォッグ行動モデル」を活用したフレームワークをご紹介します。

「フォッグ行動モデル(Fogg Behavior Model)」を用いた社内データ活用の推進

「フォッグ行動モデル」は、人の行動を引き出す3つの要素(Motivation(動機)、Ability(能力)、Prompt(きっかけ))を整理し、解決策を導き出すフレームワークです。

公式表記:B = MAP
B: Behavior 行動 
M: Motivation 行動を起こしたい、または起こす必要があるという意欲、動機
A: Ability 行動を実行できるスキルやリソース
P: Prompt 行動を促すきっかけとなる外的または内的な刺激

フォッグ行動モデル

このモデルは、BJフォッグ博士が提唱したものです。詳しくは、スタンフォード大学 Behavior Design Labをご覧ください。

分かりやすく説明しますと、「行動(B)」が発生するためには、「動機(M)」、「能力(A)」、「きっかけ(P)」の3つの要素が揃う必要があることを示しています。社内データ活用が上手くいっていないというのは、社員がその3要素が揃ってないと考えられます。どの要素が欠けているかを情報収集やヒアリングを通して現状整理し、欠けている要素に対して解決策を提示した上で伴走支援することで、行動変容が起こりやすくなります。

それぞれの要素における課題に対して具体解決策例

フォッグ行動モデルを公式で表すとシンプルに見えますが、実際問題だとそんなにシンプルではないので、今回の話は分かりやすくするためにあえてシンプルにして話します。

M: Motivation

多くの顧客企業では、データ活用に対するモチベーション自体は一定程度存在しています。たとえば、次のような動機があります。

・意思決定の精度を向上させたい
・業務効率化やコスト削減を実現したい
・競合他社との差別化を図りたい
・新たな価値や収益を創出したい

しかし、これらが実現可能かどうかについて、成功体験が不足しているため、実際に行動を起こす意欲に結びついていない場合が多いです。
そこで私は、小さな成功体験を積み重ねられる仕組みを提供することを重視しました。例えば、以下のような取り組みを実施しました。

・成果が出やすいプロジェクトを複数立ち上げ、周囲を巻き込みながら推進
・簡単なA/Bテストを通じた施策の分析と提案
・業務工数を削減するためのプロセス自動化

これにより、社員は「データ活用が自身の仕事を楽にする」「本当に役立つ」と実感できるようになり、行動意欲が向上します。

A: Ability

「何から始めたらいいかわからない」「ツールの使い方が難しい」といった課題に対しては、以下のようなアプローチを取りました。

・顧客向けの勉強会の開催
 業務に沿ったデータ分析の考え方やツールの基本的な使い方を丁寧に説明。
・実務の伴走支援
 一緒に業務を進めることで、具体的なやり方を習得し、スキルを身に着けていただく。

P: Prompt

大企業の場合、1つの部署でデータ活用が進んでも、全社的な推進には至らないケースが多く見られます。このような場合、きっかけを作る仕組みが重要です。

以下は具体的な施策例です:

・事例共有会の実施
部長層の協力を得て、部署内で成功した事例を社内全体の会議で発表。
・他部署への展開
関連部署との直接ヒアリングや成功事例の共有を通じて、データ活用の取り組みを横展開(いわゆる「横展」)。

これにより、他部署の関心を引き、社内全体でのデータ活用が加速します。

まとめ

フォッグ行動モデルを効果的に活用するためには、小さな成功体験を積み上げる仕組みが鍵となります。以下のステップで成功体験を積み上げ、データ活用を組織文化に根付かせることを目指しました。

  1. 短期的な成果が得られるプロジェクトを選定

    • 問い合わせ削減や売上向上を目的とした簡単な施策提案。

  2. 成果を見える化し共有

    • ダッシュボードを作成し、リアルタイムで結果を確認可能に。

    • 成果を社内報やミーティングで共有し、関係者のモチベーション向上。

  3. 伴走支援で継続的に支援

    • 最初のプロジェクト成功後も定期的にフォローし、次の取り組みにつなげる。

これにより、社内でのデータ活用が「成功しやすい」と認識され、他部署や他プロジェクトへの波及効果が生まれました。

来年の目標・抱負

この仕事を始めて間もなく5年になりますが、私は最初からクライアントを受発注の関係だとは考えていません。データ活用を通じて、企業のミッション・ビジョン実現を支援する「パートナー」であることを意識しています。
来年の抱負として

  • クライアント企業のミッション・ビジョンにさらに近づけるため、これまで以上に高い価値を提供する。

  • 支援しているクリエイターたちの成長を促し、より大きな成果を出せる環境を整える。

これらを通じて、データ活用をさらに推し進めていきたいと思います。


最後までお読みいただきありがとうございました!

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