【ChatGPT】ジョブ理論の要約と専用プロンプト
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ペルソナを作ったけれど、いまいち性格や年齢などでセグメントするのにしっくりこない。
サービスを使ってくれる理由の解像度が上がりきらない。
企画・マーケティング職についている方でこのような悩みを持たれた方も多いのではないでしょうか。
実際、私自身もこの悩みがあり、もっと解像度を上げることはできないものかと思っていた矢先、数年前に流行ってまだ読んでいなかったジョブ理論の書籍を手に取りました。
顧客は成し遂げたいことのためにジョブを雇用する
初めは何のことやらと思い、読み進めていった結果、
探していたのはこれだ!と思えるような内容だったので書籍の一部の要約を記事をまとめてみたいと思います。
また、ChatGPTなどで使えるプロンプトも作成してみました。
興味がある方は記事を読んでみてください!
ジョブ理論とは
ジョブ理論はアメリカの経営学者でイノベーションのジレンマの理論を確立させたクレイトン・クリステンセン氏が提唱したものです。
クリステンセン氏はイノベーションの研究をする中で、世の中の企業がイノベーションに対して多額の投資をし、膨大なデータを分析している割にはイノベーションはまだ運任せの要素が強いことに疑問を感じていたそうです。
その中で、顧客の持っているどのような課題をどんな状況下で解決しているのかを分析することで、顧客が片づけたいことを満たすサービスを構想していけるのだという観点からジョブ理論を提唱していきました。
ジョブ理論の理解のためにまず、ジョブ理論で使われる用語の定義を確認しておこうと思います。
これらの用語を使って、ジョブ理論で述べられていることを簡単にまとめると、
顧客には片づけたいジョブを持っており、その解決のために選択肢を雇用する
といった表現になります。イラストにすると以下の図のような感じです。
ただ、これだとまだ抽象的なので、書籍で出てきたミルクシェイクの例をもとにまとめてみました。
ミルクシェイクの例の話が何であるかというと、
あるお店で、もっとミルクシェイクを買ってもらうために顧客にもっとどうすればいいかをヒアリングし改善したが、うまく成果には結び付かなかった際に、
どうして顧客はミルクシェイクを選択したのだろうかという疑問から調査が始まる。
調査の中で朝の9時台にミルクシェイクを1人で買いに来る顧客が多いことからヒアリングをすると、
彼らはミルクシェイクが飲みたいから買うのではなく、昼までの車内での長い退屈な通勤時に空腹と退屈を満たしてくれるものとしてミルクシェイクを買ってくれていたことがわかります。
なぜミルクシェイクなのかを確認すると、バナナなどではすぐに無くなりまた空腹になる。
そしてドーナツだとクズや油で手や社内が汚れることから、飲むのに時間がかかるミルクシェイクが適切だったというわけである。
この例から読み取れるのは、
顧客には片づけたいジョブ(ミルクシェイクで言うと退屈な通勤での空腹と退屈を満たしたいと言うジョブ)があり、そのジョブを解決するためにサービスを雇用する(利用する)ことがわかります。
これまでの年齢や性別でのセグメンテーションをした後に特徴に合わせた機能を考えていくような考え方ではなく、顧客の解決したいジョブに焦点を合わせてそのために何を提供すればいいかと言う視点で考えることを言語化し提唱したことでジョブ理論は受け入れられた気がします。
ちなみにジョブを整理するためのフォーマット欲しい方はフォーマットリンク貼っておくのでご自由に使ってください。
ジョブの機能的、社会的、感情的側面
著書の中ではジョブには機能的、社会的、感情的などのさまざまな側面が混ざっていると説明しています(明確に定義は書いていなかった気がします)。
ミルクシェイクで行けば空腹を満たしてほしいや長持ちしてほしいは機能的なジョブの側面です。
一方、退屈な通勤にちょっとした楽しみが欲しいといったのは感情的な側面です。
このようにジョブ1つを取ってもさまざまな側面を持ち合わせています。
(フォーマット内では3つに分けて整理できるようにはしています。)
ジョブを見極めるための5つの質問
顧客が片づけたいジョブは何かと言う視点から整理するジョブ理論ですが、
知っているだけで見つけられなければ意味がありません。
書籍にはジョブを見つけるための5つの質問の観点も書いてくれています。
(また、実際のインタビュー内容も書いてくれており、とても参考になります。)
各質問が何を意図してるかが書籍では明確には書かれていないのですが、
文章から個人的に解釈していくと以下のように質問意図になると思います。
これらの質問を通して、日常に隠れているジョブやその周りの状況、制約条件、代替品などを洗い出していくことでどんなジョブを満たすべきかが見えてきます。
プロンプト for ジョブ理論
さて、それでは紹介したジョブ理論を踏まえてのプロンプトも紹介できればと思います。
今回作成したのは、インタビュー内容からジョブ理論に基づいて内容を整理してくれるプロンプトを作成しました。
#役割
あなたはジョブ理論の専門家です。
#インプット
--ジョブ理論での専門用語
■ジョブ(Jobs)
特定の状況で顧客が成し遂げようとしていること、解決したいこと
(書籍では成し遂げようとしている進歩と書いている)
■雇用する(Hiring)
顧客が成し遂げたいとこの達成のためにジョブを採用する(選択する)こと
■顧客
ジョブを雇用する主体(今までユーザーやペルソナとしていたものに近い)
■進歩(Progress)
顧客が成し遂げたいことに向かっていくこと
■状況(Situation)
ジョブを雇用する際に顧客を取り巻いている特定の文脈
----インタビューを通して確認するべき5つの観点
1:その人が成し遂げようとしている進歩は何か
→ここはシンプルに片づけたいジョブは何かを考えるための観点
2:苦心している状況は何か
→ジョブがうまく片付いていない際の状況(誰がいつどこで何をしている状況なのか)を確認するための観点
3:進歩を成し遂げるのを阻む障害物は何か
→ジョブによる解決を阻害している要因は何であるのかを考えるための観点
4:不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動を取っていないか
→適切なジョブがない場合は、いろんなサービスを併用したり、我慢して使っている可能性があるため、現時点で取られている代替手段はどんなものかを確認するための観点
5:その人にとって、より良い解決策をもたらす品質の定義は何か、その解決策のためにトレードオフしていいものは何か
→どんなジョブが受け入れてもらえのかの条件と、適切なジョブがある場合に優先順位が下がるものを確認する観点
#命令
次のSTEPを踏んでインタビュー内容からジョブの整理を行なってください。
STEP1:
添付したインタビュー内容を確認する
STEP2:
{#インプット}の{--インタビューを通して確認するべき5つの観点}の各項目をもとにSTEP1で確認したインタビュー内容を整理する
ただし、インタビュー内で該当する内容がない場合は推測しては行けません。その場合は”該当項目なし”としてください
その際のアウトプットは{#アウトプット}の{--その1}を使ってください
STEP3:
STEP2の{--インタビューを通して確認するべき5つの観点}のうちで”該当項目なし”とあった項目は追加で確認した方がいい理由とともに教えてください。
その際のアウトプットは{#アウトプット}の{--その2}を使ってください
#アウトプット
--その1
ジョブ:[ここに想定されるジョブを入力]
ジョブを雇用する際の状況:
雇用理由:
ジョブの雇用を妨げている障害物:
現時点での代替品:
--その2
|追加確認事項|理由|の順で表形式でアウトプットしてください。
追加確認事項がない場合は、”追加確認事項は特になし”と出力してください
インタビュー内容をWordやExcelなどで文字におこし、プロンプトと合わせてChatGPTに投げるとインタビュー内容をもとにジョブを整理してくれます。
サービス名からジョブを想定してもらったり、インタビュー内容を作ってもらうようなプロンプトにしなかったのは、ジョブが特定の文脈から発見できるものであるため、仮想のジョブを考えても意味がないことと、インタビューはなぜと深ぼっていくスタイルのため特段特別なことをするわけでもなかったためがあります。
ただ、インタビューを通してどんなジョブが考えられるのかを整理することにおいては、ジョブを見極める助けになると考えたためプロンプトを作ってみました。
実験では以下のような仮想インタビューをChatGPTを行なってプロンプトを試してみています(長いので読むの辛い方は結果まで飛んでください)。
インタビュー練習のプロンプトのサンプルはこちらの記事にあるので気になる方は試してみてください。
さて、実行してみた結果ですが以下のようになりました。
もう少し、ジョブの内容は詰めたほうがいい気がしますが、
インタビュー内容からしっかりとジョブなどを整理してくれています。
また、追加で確認してもいい点も出せていますね。
ジョブ理論を使いこなすにはいかにインタビューなどから本質的なジョブを見つけるかがポイントになるのでぜひプロンプトも活用しながらみなさんも試してみてください!
まとめ
今回はクリステンセン氏が提唱したジョブ理論に関してまとめてみました。
書籍ではジョブ理論をもとにさまざまな事例や組織におけるジョブの意識がもたらすものに関しても触れてくれており学びが多いので書籍を読んで見たい方はぜひ手に取ってみてください!
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