時制について
小説は映画や舞台にくらべて、時間経過に対する感覚が重要になってくる。なぜなら小説は後戻りや停滞がかなり頻繁に起こるから。「後戻り」は回想「停滞」は登場人物の内心の独白などのこと。回想シーンが10ページ以上続いたり、主人公の内心の独白が長く続いて、その間の時間経過が1秒もなくとも違和感はない。小説内では、必ずしも時間は「さきへ、さきへ」とは進まない。
感覚でやってしまってたな
それゆえ、時間に関する言葉選びを間違えると「ん?なんか変だぞ」と読者を冷めさせてしまう。小説の世界を維持していた「時間の魔法」が解けてしまう。
確かにそういうことあるわ
視点となる人称や、語り手がいつの時点から、どのくらいまえのことを語っているのかによって 、「そのとき」なのか「あのとき」なのかなど、細かい言いまわしを、注意して考えて書く必要がある。時間経過や時間感覚に気を配るかで読者を冷めさせない効果が格段にちがう。
三人称単一
佐伯は翌日の試合に備えて、今夜は早めに寝ることにした
一人称
僕は明日の試合に備えて、今夜は早めに寝ることにした