駅で見かけた集団、家族だと思ってたら他人が近くにいただけ
家族でお出かけなんていいなあと思っていたら、男性と子供が足を止め、女の人はするりとそこから立ち去った。
家族じゃないんか!
不思議な気持ちになった。パッと見ただけじゃ何もわからないなと実感した。
大学生になってから、駅を行き交う男女はすべてリア充ってわけじゃないと言うことを覚えた。 高校生の時は男女が2人で歩いていると「良いなあ(パートナーがいて)」と思っていた。
でも、今ではすれ違いざまチラ見して、(付き合ってる?付き合って…あ友達同士ね)と思えるようになった。
先入観というのは恐ろしくて、ぱっと見、パッと聞き、その全てを分かったような気になってしまう。ただの兄妹も仕事コンビも、何も考えず男女でいればカップルに見えていた。
でも、全然そうじゃない。男女でも友達とか先輩後輩とか、男同士や女同士でもカップルだし、見た目や聞くだけじゃ本当のことなんて全くわかんない。
もっと失礼なことを言えば、恋人であったとしても内情は冷え切っててお別れ秒読みかもしれないし、上司部下でもこれから何かが始まりそうな2人なのかもしれない。恐ろしく仲のいい男女の友達や、付き合っている距離感の女友達だけどお互いを大事にしている関係なのかもしれないし。
カップルの定義も、その本質も、想像以上にグラデーションだ。
地下鉄の時刻が迫ってきた。
私は、走ってるか歩いてるか微妙な速さで素早くそこから立ち去る。
ふと振り返ると、最初に家族かと思った男性も子供も女性も、どこにもいなかった。