本は友達
本は友達
素敵な言葉だ。
私にとっても本は友達だ。
でも「友達」と言っても、色んなかたち、色んな意味があるよね。
いつでも一緒にいる存在とか、慰めてくれる存在とか…人それぞれだ。
私にとって本は、
時にしがみつきたくなるような拠り所であり、
時に会いたい時にだけ会えればいい都合のよい存在でもある。
もちろん、本は私の知らない世界や価値観を教えてくれる大事な存在だし、
それ以上に「本は友達」の意味を超えるものはない。
でも、すごく悲しいときとか、何も考えたくないときとか、作りたくない時間を埋めるために本に助けてもらう時がある。
そういう時、私は旅エッセイを読むことが多い。
淡々とその人の経験談を読みたくなる。
そういう時に読んだ本の内容は、後になっても変に詳しく覚えているか、何一つ覚えていないかのどちらかだ。
そして、
いつか読もうかなと手軽な気持ちで手元に置き、いつまで経っても読んでいない積読が部屋に山ほどある。
会いたい時にすぐ会いたい。
でも今じゃない。
だからとりあえずキープ…
それから早3年。
それでも嫌な顔一つせず、何も変わらないままずっと待っていてくれる友達…
自分が最低な人間に思えてくる不思議。
私の友達は部屋に散らばっている。
ここが刑務所なら3年くらい退屈せずに部屋で過ごせそうだ。
友達を大事にしよう。
そろそろ長く部屋で眠っていた友達を起こして、物語を読ませてもらおうか。