#4 一番えぇのん、ちょうだい
最近は年に一度の地域のお祭りぐらいでしか対面販売はしていないのだが、以前は毎週日曜日に開かれる朝市に出店していた。
そこは八百屋さんや料理人さんもたくさん買いに来られる朝市ではあったけど、やはり一般のお客さんもよく来られていた。
その一般の方々が台に並んだ野菜を見て
「一番えぇのん、ちょうだい」
「美味しいのん、選んで」
と仰ることが時々ある。
少なくとも、うちとしては、その値段で売る価値のある野菜しか並べていない。
傷があったりするものは分かりやすく量を増やしたり、値引き価格を書いて並べている。
お客さんたちは、ただただコミュニケーションの一つとして言ってるだけで深い意味は無いのだろうが、言われた方はあまり良い気分ではない。
(こちらが、お好きなんを選んでくださいね、と言うのも悪いかもしれないが)
ちまたでは
「こんな野菜を選びなさい」
「こういうのは選んではいけません」
という情報が溢れている。
たとえば
「大根の側根は螺旋せず、縦にまっすぐにあるものを選びなさい」
「トマトは放射線状に白い線が出ているものが美味しい」
など。
確かに数値的には差があるのかもしれない。
が、正直、プロが料理したものや二種類を同時に食べ比べたりしないとその差は分からないと思う。
そして相当な敏感な舌の持ち主でないと。
野菜が並んでたら自分の直感で選んでください。
分からなかったら素直に前のものから取ってくださいね。
ちなみに農家(うちの場合)と話すきっかけを作るなら、
とりあえず、食べ方やどんな風に育ったかなど聞いてもらえれば、ペラペラ話します。
そして「綺麗な野菜ですね、美味しそう」など言ってもらえたら嬉しいです(笑)