【インディーズTシャツブランド・・・ってなんだ?メジャーと何が違うのか?】
いつも熊本発インディーズブランド【DARGO】のブログをご覧いただきありがとうございます!
今日はDARGOが属しているインディーズブランド業界についてお話したいと思います。
まず今日のブログタイトルにもありますが、僕らがいつも名乗っているインディーズT-shirtブランドについて。
「”ブランド”は何となくイメージできるけど、インディーズってなんだ!」と思った方も多いはず。
画像少なめ 文章多めで説明ばかりの記事ですが、お時間ある方はどうぞお付き合いください…。10分ほどで完読できると思います。
①インディーズブランド
これはすなわち【自分でデザインした服を自分でつくり、自分のホームページで売る人たち】のことを指します。特にどこかのブランドで下積みしたり、専門学校を出ている必要はありません。自分で作品をつくり、マスコミや雑誌媒体を絡めず、独立して自分で発表するスタイルはインディーズブランドと呼んでいいでしょう。
さらにインディーズブランドはリリースペースも不定期。
個人規模で、展示会も不定期で行っているブランドが大多数です。
これについて、順を追って説明していきますね。
インディーズブランドは90年代から生まれ、2000年代に突入するとインターネットの普及とともに次々とネット上に誕生しました。
90年代~2000年前半にかけて裏原(裏原宿ブランド)が流行りましたが、日本では あのムーブメントが完全に火付け役になっていますね。
また、Google等で「インディーズブランド」「インディーズTシャツ」とか検索すると沢山出てくると思います。
これらは大きな雑誌が取り上げていないだけで、現在ではネット上に星の数ほどのインディーズブランドが存在しています。
ジャンルも映画パロディ系だったり、ロック系だったり、ヒップホップ系だったり、アート系だったりと様々。
「自分が着たいものを純粋につくる」というインディーズブランドの定義から言えば、大資本をもって自社ビルを建てたり、全国展開をするために大量消費・大量生産を循環させることが目標ではありません。
例を挙げるとアイテム(商材)として簡単に製作できるプリントTシャツから小さくスタートし、低コストで誰でも簡単にスタートできるのがこの業界の特徴です。
趣味程度にやっている人
本業の合間にやっている人
これ1本で生活している人
家を建てちゃった人など、、、
ブランドスタイルや運営方針は無数に存在していますが、ほとんどのブランドが一人もしくは少数人数で運営されています。
共通しているのは大型ショップや大手セレクトショップ、ファストファッションチェーン店にたくさん並んでいる洋服たちに飽きてしまった人たちが自ら舵を取り、思考錯誤しつつも自分たちの船を動かしていることです。
②インディーズブランドを買う人
・安いものを買いたい人
・逆に高いものを買いたいひと
・ブランド力に関わらず、凝ったデザインが好きな人
・あるテーマに絞って買う人
世の中にはたくさんの趣味・嗜好を持つ人たちがいます。
”ありきたり”に飽きてしまった人たちが始めるのがインディーズブランドならば、それを買い求めるお客側の人たちも普通の感覚を持った方ではありません。
『純粋に、王道ブランドでは満足できない。』
『雑誌に載っている服ばかりを着ると、動くマネキンになっているようで嫌だ』
『マスコミが取り上げたから流行って売れているだけで、本当にカッコいいかは自分の眼で選びたい』
こういうお客は他人と違う格好を求めます。
「みんなとどこか違う格好をしたい」と心の奥底で思っているんです。
街のショップに通いつめ、夜通しかけてファッション誌やネットサーフィンをし、その鍛え上げた肥えた目で、例え家から遠い場所で洋服が売っていたとしても足を運び、自分の納得するモノを手に入れようとします。
それぞれ表向きのファッションスタイルに違いはあれど、結局そういう人はオシャレだし、個性が強いし、良い趣味を持っている。
僕もそういった人種の人たちとお話したり繋がったりするのが本当に好きです。
勉強になり、刺激になるから。学歴や生まれた年齢を超えて共通のファッションや趣味の話で盛り上がれることほど嬉しいことはありません。
③メジャーブランド
一方でメジャーになると、展示会に向けて商材を決まった期間に製作し、展示会等で数多くのお取引先のバイヤーさんに向けて発信することで、安定供給が見込めます。
より良いサイクルを起こすと、個人規模と比べものにならないほどの高売上を立てることができますが…。
経済規模に応じてしがらみを求められることもあります。
ブランドは直売り(D to C)しやすい時代になりましたが、知名度アップと売上高の向上のために卸売が非常に肝となります。
※卸売…小売店の販売商品を小売店向けに販売することを「卸す」「卸売」といいます
こうなると「ブランド側が考える面白いモノ」より「取扱店で売りやすいモノ」を強く求められます。
まぁ~~ この辺は双方が繊細になる課題ですね。
僕も昔、セレクトショップに勤めていたのでどちらの気持ちも凄く分かるのですが小売店としてはエゴの強い商品は不必要。
『これ、どうやって売ればいいと?』という気持ちでいっぱいになります。
取扱店側も自分の街で売れない(求められていない)アイテムばかりフルラインナップで揃えても、次はお店そのものが求められなくなりますから。
そのため、ここでは製作者のエゴを商品に反映するメーカーは少なくなってきます。
【補足】エゴが悪いわけではないし、すべて好きなようにデザインしているブランドもありますが世の中の全てがそんなことはないという意見です。
お店側の意見を上手く取り入れたアイテムを展開する素晴らしいブランドも絶対存在します。
また、雑誌掲載(広告)をきっかけに売れたブランドは、喰っていくために既定の雑誌ファンにウケるようなモノを作らなければ継続して掲載されないから、そういったスタイルでの経営を追求する可能性が高まります。
気付いたらそういうパターンにハマっているブランドも多く存在します。
もちろん自分たちが好きで作っているモノが、掲載してくれる雑誌のターゲットとハマるパターンもあるはずです。
自分や家族を喰わせていくために 時代に合わせて作るのか。
作りたいものを作って 自分や家族を喰っていくのか。
はたしてどちらが社会人として、自分自身としての使命なのか。
実際にやってみないと感覚が分かりづらいですが、一見同じようで違いがあります!
でも、正義は人それぞれ。どちらも正解だし、責任は本人しか取れませんから、周囲の雑音は無視して良いんです。
ただ、個人的に
・全国誌やメディアでの掲載
・多くの取扱店との卸取引
この状況を保ちながら
「やりたいことだけで喰っていく」のは絶対無理だと考えています。
言語化が難しいですが、バランスが取りづらい環境で可能性としてかなり低いはずです。
そして高い壁をよじ登り、国内のトップブランドと同じ畑に入る勇気は僕にはありませんでした。
だったら小さい規模でブランドを立ち上げ、普通では物足りない僅かな層を目がけてて発信し、お客様とファッションを通じて楽しい気持ちを共有したい。
これが僕がインディーズブランドDARGOをスタートしたきっかけです。
④インディーズブランドの立ち位置
リリースペースというのは、新作を世に発表するタイミングのことです。
通常のブランドは世に出回る6ヵ月以上前には小売店・バイヤー向けに展示会を開催します。
分かりやすく言うと、春夏モノは秋冬に、秋冬モノは春夏に。
(別ブログでも紹介した九州合同展示会「thought」も当該します)
一方でインディーズブランドというのはそもそも知識ゼロ・経験ゼロに近い人たちが好きで始めたブランドなので、決まったペースで展示会を開催するという概念がありません。
100人いれば100通りのリリースペースが存在します。
メジャーにならって見よう見まねで実践する人もいれば、製作アイテムが溜まったから開催したり、友人ブランドから合同で開催しようと声を掛けられたからナントなくやってみたり…。
それぞれ自分たちの喰うペースに合わせて不定期でリリースしているのが特徴です。
実はこの辺が結構ミソで、カバンや財布等の使う形が世間一般である程度固まっているモノを商材として揃えているブランドはあまり影響がありませんが、僕みたいな衣料品を主要商材に志望している地方の弱小ブランドが展示会に参加となると、バイヤーさんからオーダーをもらうためにやりたくないモノも作らざる負えなくなるような気がしたんです。
事実、ブランドによってはそれでも売れるから次のシーズンに移行するために作らざるをえないこともあるようです。仕方ありませんが。
個人的に服作り素人からスタートしたため、せっかく自分が作りたいモノを作るために心に火を灯し、お客様へ直接発信できるインターネットという最強のツールが世に存在するのに、業界がつくった流れに乗ってバイヤーさんにオーダーしてもらえるようなモノを半年以上も前から作らなければいけないのかがとても不思議でした。
『もっとフレッシュで、アパレル業界関係者がつくった事情に巻かれていないモノを作りたい』
僕は鮮度があって、流行に巻かれないモノを熊本から発信するため、ニーズを追わず、大衆のシーンから独立したインディーズブランドを運営することを決意しました。
⑤供給過多で、物量も飽和状態。見慣れたモノばかりがタイムラインを席巻し、飽き飽きしているお客様を感動させるものとは
バブルが弾けて、リーマンショックで景気が悪化。
低価格競争が始まり、同じタイミングで情報革命によるインターネットの発達が起きたことで、
<安いモノ><高いモノ><良いモノ><しょうもないモノ>
本当に色んなモノが選択肢として出回るようになりました。
どこに行っても似たようなものばかり。
ネットで探せば同じようなものが安く出回っている。
目が肥えるどころか、疲れる。
そんな閉鎖的な闇を切り裂き、気持ちを浄化してくれる良いプロダクトとは一体なんなのでしょうか?
しかし、世の暗いニュースに反比例するようにインディーズブランド業界は盛り上がりを見せています。
ある小さなブランドは発売したT-shirtが一か月で400枚売れたと言います。
マニアックなバンドTeeをパロディした、たった一型のT-shirtです。
またある小さなブランドは、大好きな映画の中で主人公が着用していたウェアの柄を画像解析し、カラーリング・柄のサイズ感・生地感・シルエットを寸分の狂いが無いまで追求したレプリカを製作。
メジャーブランドが到底できない非効率な作業を徹底することで、日本人がほとんど知らない小さなブランドのアイテムは日本を飛び越え、ロンドン・パリ・アメリカ…世界中からオーダーをもらうことになりました。
これらは実際にあったインディーズブランドの話です。
今でもワクワクできる瞬間が日本にまだ存在していました。
長くなりましたが、世の中のどんよりした空気を切り裂くのは、闇を切り裂くために不法地帯からやってきた ”ならず者” で、さらさら "真っ当でない" アイテムなのかなとも思います。
ただし、リリースペースも不定期、
価格帯もまばらですとブランドとして目にもくれません。
ですのでインディーズブランドはいえ、リリースペースにはある程度の規則性を持たせて、クオリティを向上させ、安定的に供給できることがカギになってきます。
インディーを名乗れば良いというものではありませんが、このシーンを泥臭く生き抜けば、何でも揃っているこの時代を生きる人たちや、上っ面なモノでは到底満足がいかない人たちを満足させることができると強く信じています。
良いモノをこだわって作っているインディーズブランドは全国津々浦々、本当にたくさん存在します。雑誌やSNSから出てきた大きなシーンだけでなく、ぜひとも各地域に根付いている足元のシーンもしっかりチェックしてみてください。そうすれば洋服選びや着こなしが更に楽しくなると思います。
以上が僕が考えているインディーズブランドの線引きです。
お役に立ちましたでしょうか?
DARGOを今までサポートしてくれたすべてのお客様に感謝しつつ、今後もこれまで以上に色の濃いアイテムを製作することを誓って、インディーズブランド業界についてのお話を終わらせていただきます。
ご精読ありがとうございます!
DARGO / Narimatsu
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