僕の人生に「努力」という言葉ないんだ by 高校男子(2)
「ぼくの人生に努力という言葉はないんだ」と晴れやかに語った当時高1の息子と「努力不要論」という脳科学者である中野信子さんの本から考えたこと、その続きです。
前回の記事(1)はこちら
昭和時代に育った親と令和時代に生きる子どもの価値観
スポーツ=根性(スポコン)の漫画やドラマが流行り
24時間働けますか?というエナジードリンクのCM
(今世代の子なら「社畜CM」と言われそうなキャッチフレーズ)
そんな昭和時代に育った私は
「努力はいつか実を結ぶ」
努力無縁で生きてきたのに
なぜか努力信仰が染みついるって感じる。
でも、今の時代は
昭和的な「努力」の捉え方を変えないといけない。
息子のように
”努力は結果なんだ”
と言える人は
努力すること自体が目標ではないから
「努力不要」と言えてしまう。
結局、努力すること自体ではなく
何をしたいのか(パーパス)が大事なのだと直感的にわかってる。
パーパスを与えもせず
目の前のことを闇雲にやらせる理不尽さを
きっと息子のような敏感な子どもたちは
大人より理解している。
ちょっとでも「努力」を
身につけさせようと
必死だった母親には全く影響されず
「やらない」
「嫌だ」
「無理」
とブレずにいた彼はすごいなって思う。
(当時は、コンチキショーって思っていたけど)
これこそ私がしていたことは「無駄な努力」😮💨
ところで、
息子のように
「努力不要論」を語るのは教育者より
科学者など学者が多い気がする。
発達神経症では日本で一番有名な本田秀夫医師は
「宿題は百害あって一利なし」
なんて言葉がモットーだし
「努力不要論〜努力したら負け。〜」
というだいぶチャレンジングなタイトル本を書いた脳科学者・中野信子さんは日本人は「努力中毒」と語る。
(努力は不要、という有名人は頭脳明晰で、合理的に生きられる人たちなのがちょっと腑に落ちないケド。)
上記の二人も東大卒。一般人の私にはやっぱり努力は必要だと感じてしまうのはただの劣等感かな
日本人の努力中毒、これは外資系で働いていた私も納得。
外資系企業で働いていた頃の欧米人との働き方の違い
ロンドン出張の時に夕方5時を過ぎるとサッと帰るイギリス人。
ドイツでは、定時を過ぎるとフロア全体の電気が消されてしまって困った、と同僚が言っていた。
アメリカに遊びに行った時、友人の父親は明るいうちに帰宅して共にに過ごし、夕食後に映画に行ったり、プールに行ったりしていた。
これが平日なのだから驚きだった。
日本の職場では、残業するのは全員日本人社員。
ある男性社員は、朝家を出る時に幼い娘が
「パパ、いってらっしゃい」ではなく
「おじさん、また来てね」
と言われたと嘆いていた。(ノД`)
(夜中帰り組の同僚でした)
それでも「残業してがんばる我らは偉いよね」と、なんとも言えない連帯感が残業組にはあった。(欧米では効率の悪さを指摘されるだけ・・・)
べつに外国人が努力をしないというわけではないけれど
子ども時代に限って見ると
過度なまでに子どもに努力を求める傾向が日本にはある気がする。
学校を一度も休んだことがない生徒が表彰されるなんて、フランスやイタリアでは絶対ないと思う。
「家族旅行で休みます」と学校に連絡すると
「それは良いね!良い休暇を!」と言われるアメリカとちょっとくらい具合
が悪くても無理して登校を続けると表彰される日本。
努力信仰はこうして教育現場から根付いているわけだから大人になって染み付いていても仕方ないのかも。
息子が努力不要と宣言している割には、好きなことのためには目を見張る
ほど長時間集中している姿を見ると
努力は精神的に無理をしてやることではなくて、彼が言うように「結果」なのだと実感する今日この頃。
子どもの頃から「なんのためにやる」のか
をその年齢なりに分かっていることが
この時代はいっそう大切なのだと思う。
そして、パーパスは
自分を知らなければ見つからない。
人の成功法を真似て
居心地の悪い、合わない服を着て
自分の大切な時間を無駄にしてはいけないなぁと思う。
ともすれば、
人の成功事例を我が子に当てはめようとしたくなってしまうのも、正解がわからない、未来が見えない時代だから。
幸せの答えは、子ども自身にあると信じて見守る勇気が本当に必要な時代。
大人がまずは「ありたい自分」を見つけている必要があるのですね。
中野信子さんの「努力不要論」の最後の文章を紹介します。
子どもたちが「自分らしさ」を磨けるように
大人の宿題は多いですね。
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