ちょっとコンビニ
ちょっとコンビニ行ってくる
泣き腫らした顔で君は笑った
鍵を置いていく理由にしては
あまりにも下手くそだった
部屋着のまま財布だけ持って
どこに行く当てがあるというの
男なら何としても引き止めろよ
脳からの命令を心が無視した
初秋の大都会で
凍え死ぬことはまずありえない
でもさ
違うだろ
そういう問題じゃないだろ
君の心に布切れひとつ
かけずに追い出した僕は
今宵何の罰も受けずに
のうのうと部屋に守られて
君はどこでもないどこにもない場所を彷徨って
それは全部僕が引き起こしたことなんだよ
今までで一番小さく見えた背中を
抱きしめてごめんって
そんなことも出来ない奴に
生きてる資格はないなぁ
でも僕は生きていく
君を見捨てて
ビールが飲みたいな
ちょっとコンビニ行ってくるか