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【散歩日記】日曜昼下がりの下北沢を徘徊する

何度も書くが、私は出不精である。ほぼ引きこもり主婦だ。
しかも暑さに弱い。10月になっても夏日が続く今年の気温には、本当に困った。

逆に、寒さにはある程度の耐性がある。気温が下がっていくこれからの季節は、私にとって、おでかけのベストシーズンである。
公園やお店、神社仏閣や美術展など、溜まっていた「行きたい場所リスト」をどんどん消化しなければならない。

しかし、いきなり張り切って遠方に行くと、帰ってからドッと疲れて、2~3日動けなくなってしまう。
まずは無理のない範囲で、心身を慣らす必要がある。

そういうわけで、最近じわじわと外出を増やしている。


日曜には下北沢に出かけた。
若者が多くて活気があるから、私も元気をもらえるだろうと考えたのだ。

その日は、家族が早朝から遠方のイベントに出かけていて、少なくとも夕方までは帰ってこないという、私にとって千載一遇の自由行動チャンス。活かさない手はなかった。

午前中はブログ作成などしてのんびり過ごし、昼食後、ダラダラとメイクを始める。

今回は外出ついでに、母に買ってもらったワンピースを着るというミッションもこなすことにする。夏の帰省時に買ったはいいが、長袖なので、暑くて着る機会がなかったのだ。
ずっとハンガーに吊るしっぱなしで、目にする度に「ああ、着なきゃ・・・・」と地味なプレッシャーを感じていた。今日こそは着る。

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身支度を進めながらも、「めんどくさい」「だるい」「やっぱ家に居ようかな」という気持ちが湧いてくる。
玄関先で靴を履く段階になってもまだ、「あー、やっぱめんどい。外出やめようかな」などと考えてしまう。

一旦外に出てしまえば、だんだん気持ちも上向いてくるのだが、そこに至るまでの腰の重さが異常。体から根っこが生えていて、外出のたびにメリメリと引っこ抜かねばならないような感覚だ。


下北沢駅東口。
休日、しかもカレーフェス開催中とあって、なんだかガヤガヤしている。

特に目的地は決めず、人波に沿って適当に歩く。

「Detour a Bleuett」という雑貨店に入る。
店自体は、全国の商業施設に入っている「Bleu Bleuet」というチェーン展開の雑貨屋さんである。私はビビりで超保守的なので、つい行き慣れたチェーン店に入ってしまう。

でもこの店舗は他と違い、カフェが併設されているから、自分的には「新しい店に入った」という認識。冒険ポイント10点獲得だ。

店内を見て回る。
私には、動物モチーフの靴下を見かけると、「買わなきゃ!」と反射的に思ってしまうという奇癖がある。
この店にも、ネコちゃんがプリントされた靴下とか、馬の総柄の靴下など、かなり心をくすぐられる商品があった。
しかし、あまり物を増やさないよう心がけているため、「かわいい~」と思うに留め、購入はグッとこらえる。

ふと、店内の鏡を見る。
日の光の差し込む店内で、私の髪色は、思っているよりかなり明るく見える。いつもカーテンを閉め切った室内に居るので、光が当たった時こんなに色が抜けているとは気付かなかった。
このように些細な所でも、「私って本当に外出てないんだな」と再確認させられる。

一通り商品を見て楽しみ、店を後にする。

人波に流されるまま歩いていたら、今度はフリーマーケットの会場に流れ着いた。

空き地にたくさんのテントやキッチンカーが出ている。アクセサリーや古着が並んでいて、かなり気分が高揚した。

じっくり見たいのはやまやまだが、何せ人が多い。
バチバチにイケ散らかしてる若者たちや、2mはあろうかという大柄外国人軍団を掻き分けて商品を見る勇気はない。よしんば店までたどり着けたとして、なにやらアーティスティックな雰囲気を醸すお店の人と喋る自信もない。

気になる店だらけだったものの、横目で見るだけで通り過ぎてしまった。私にフリマのお客は向いてないように思う。


再び、あてどなく歩く。
店先の看板に、Xでよく見る「パペットスンスン」の姿を見つける。「何かゆかりのあるお店?」と思い、その雑貨屋さんに入ってみる。

「colourz」というお店。
入るなり、棚いっぱいの猫グッズ。バッグやポーチ、インテリア雑貨など。
私は靴下の他に、猫や鳥、蝶モチーフの雑貨の収集癖があるので、内心かなり色めき立った。「物を増やさない」という決意がグラグラに揺らぐ。

看板にあった「スンスン」のグッズも発見。他にもタートルズやガーフィールド、「もぐらのクルテク」など、キャラクターグッズが豊富だった。

さらにアクセサリーのコーナーも可愛い。リアルなカラスのブローチ、黒電話モチーフのピアスなど、ワクワクするような珍しいデザイン。


じっくり品定めしていると、夫から電話が掛かってくる。「イベントが終わった。今、物販の列に並んでいる。目当てのものを購入次第帰る」とのこと。

家族の声を聞いたら、一気に「家庭」の現実に引き戻される。私もそろそろ帰って、夕飯の支度をしなくてはならない。
あれだけ外出を渋っていたくせに、私はやや「帰りたくない」モードに入っていた。

帰宅前に、一応「ヴィレッジヴァンガード」を一周だけしておく。最後の悪足掻きだ。
入り口付近に、いきなり水木しげるグッズ。欲しい。『パワーパフガールズ』やギズモのTシャツ。欲しい。
えっ、『谷崎潤一郎犯罪小説集』の文庫の表紙がめっちゃ可愛い。欲しい・・・・!

後ろ髪をビロビロに引かれつつ、帰路に着く。
結局何も買わず、飲み食いもせず、誰とも一言も交わさない外出であった。

それでも私は、着損ねていたワンピースを着て、可愛い雑貨を見て、いっぱい若者を見て、8000歩程度のウォーキングができたので、結構満足である。

#散歩日記


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