睡眠外来

睡眠外来に通い始めた。

悪夢が頻発し、ほぼ毎日見るようになったこと。朝のしんどさが増したこと。悪夢と朝に脅えて寝付けないこと。
こうした悪循環が理由だ。

食生活のアドバイスを受ける。カフェインを避けろというのは酷い苦痛である。

何より困るのは入眠に関する指示だ。
「眠くなってからベッドに入ること。眠る前は考え事をせず、ベッドでは眠るだけ」
Dr.に言われるまでもなく、知識としては随分前にライフハッカー辺りで読んで知っている。そんな不可能なことができたら眠れるんだろう、そう思っていた。

「考え事をやめることなどできるわけがない。眠っていない限りはいつだって頭の中で思考が続く」そう訴えた。コンサートに行こうが、映画や舞台を観ようが、ふと気がついたら頭の中では何か考えている声が聞こえるのだ。いつからそうだった、という記憶もなく、生まれてこの方そういうものなのだから。
心療内科を勧められた。思考が止まらない事自体が異常なのだろうか。

日中眠い時ならば余程眠れるのだが、夜、眠るべきときに、翌朝と悪夢に脅えながら眠ることができない。
眠りに落ちる寸前までの考え事が続き、翌日その内容を思い返すこともしばしばだ。

寝起きについても課題がある。「気がついたら朝を迎えている」ことが苦痛なのだ。これを理想とされると話が食い違う。
起床時刻が近づいてから何度か目覚めを繰り返す。まだ眠れることが与える安心。これによってしか眠りを実感できないからだ。

正しい睡眠なるものを体験したことがないのかもしれない、と思った。きっと布団に横たわるとよく眠れて、夢もほとんど見ず、朝目覚めれば快適。そういう夢のような眠りがどこかの世界にはあるのだろう。

投薬を開始した。なるべく依存性がなく、日中の眠気がないものを処方された。この点はかなり細かく希望を聞いて調整してもらえたようである。

薬を飲み始めると、全ての不調に不安がつきまとう。これは元からの不調なのか。薬の影響なのか。
そんな中で1週間ほど熱を出し、睡眠リズムも目茶苦茶になり、何が何だかわからない。

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