【恋愛小説】君を助けるための石 5話
尊みことは鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…
過去の投稿はこちらから ↓
5話 山口市の神社
鈴が倒れて2日目 13時
尊が、病室に戻ると…
時間は、まだ13時だった。
―――まだまだ神社に行ける。
尊は、スマホの写真を開いた…
写真だらけだ…
ずっとスマホをスワイプする。
―――おっ、あった神社…
それは、3月に行った。
山口市の神社だ…
この時は、湯田温泉にある女将が有名な
旅館が空いていたから
急遽、行ったんだった。
ずっと、鈴が行ってみたいって言っていたから…
それで、翌日に山口市を観光したんだ…
駐車場に車を停めたところに
大きな朱色の鳥居が見えた。
でも、行く所があったから…
後から、行ったんだった。
―――よし、行ってみよう。
尊は、写真の上に石を置いた…
そして、目を閉じて…
目を開けると…
そこには、大きな朱色の鳥居が見えた。
鳥居をくぐると…
だいぶ先に本殿が見える。
でも、その前に…見えたのが
○○写真館という古い建物だった。
それが珍しくて…
―――俺は、写真館の写真ばかり撮っていたんだ…
そこは、抑えてっと…
先へ進むと本殿が見えた。
ここは、大正6年に国指定の重要文化財になっているのか…
大内弘世が、応安2年(1369年)に京都から歓請したもので
御祭神は、素盞鳴尊、稲田姫命、手名槌命、足名槌命
ニ間社流造で屋根は檜皮葺。永正年間に建立された当時のままで、室町時代の特色を今に伝える。 13個の蟇股かえるまたがあり、その形の優美さ、珍しい図柄、花や果物、雲などの彫刻が注目されているらしい。
ここは縁結びの神様のようだ。
違う方向を見ると…
もう1つ鳥居があった。
入口が二つあるみたいだな…
ここまで来る道に、石が沢山転がっていた。
鈴が持って帰った石も
ごく普通の石…
―――とりあえず、置いてみるか…
尊は、本殿に石を置いてみたが…
やっぱり反応はない。
転がっていた石の中にも置いてみた。
しかし…石は光らなかった…
3月にここに来た時のことは…
今のように思い出せる。
劇場を見て、すごく楽しかった。
その後で、女将と写真を撮ったんだった…
大学生がアルバイトで劇場に出ていて…
それが、すごく上手だったから…
びっくりした。
後で、部屋に戻ってから
2人で、色々な話をした…
本当に楽しかった。
鈴と行く旅行は、いつも楽しい…
時々、大変な山を登るとか
すごい歩かされるとか、あるけど…
すごく楽しい。
ま、俺は…要するに鈴と一緒にいるのが楽しいんだ…
そんな鈴が居なくなるなんて、考えられない…
―――絶対に、鈴を助ける!
―――よし、帰ってまた次の神社に行くぞー
そう思って、尊は鈴の病室に戻った。
すると…
尊は、そのまま眠っていたらしく…
話し声で目が覚めた…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?