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【恋愛小説】君を助けるための石 9話

みことは鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…

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9話 山口市徳地の神社


鈴が倒れて3日目 12時20分

尊は、鈴のスマホを開いた…
ロック解除の番号は、尊の誕生日のままだった…

―――良かった…違っていたら、どうしようかと思ったよ

とりあえず、電話の着信はない…
ラインが来てるな…
あっ、鈴の親友の繭まゆからラインが来てる。

繭とは、中学校からの友達で…
毎月のように会っている…
今月は…今週末じゃないか…
尊は、繭に鈴の状況をラインで伝えた。

すると…すぐ繭から鈴のスマホに着信が…

「もしもし」

「あっ、尊さん?繭です。どういうことですか?」

「とにかく、原因が分からなくて…俺もどうしていいのか…」

「そんなことがあるんですか…なんで鈴が…」

「今、鈴の両親が付いててくれてるんで家に帰ってるんです。意識が戻ったらすぐ連絡くれるはずです」

「そうですか…今日は仕事で行けないんですけど、明日なら時間が取れるから行きますね」

「分かりました。行く時は知らせて貰えますか?聞きたいこともあるし…」

「分かりました。では、また明日…」

明日、それとなく鈴のことを聞いてみよう。

少し、疲れたな…
まずは、腹ごしらえだ…
それが済んだら、またすぐ神社に行こう。

尊は、昼ごはんを食べて…
次の神社を探した…
次は、一昨年の10月に行った山口市徳地の神社だ…

この時は、神社というより
古い物が沢山ありそうな公園施設に行ったら
神社があったんだったな…
とりあえず、行ってみよう。

尊は、写真の上に石を置いた。
そして…目を開けると…
そこは、神社の前だった。

のぼりには、「ぼけ封じ」と書いてある。
階段を上ると…鳥居があるが…
鳥居は上部が割れている…
鳥居をくぐり、さらに階段を上ると…
神社の説明が…

古くから伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみことが天の浮橋に立ち
天のぬ矛あまのぬほこを持って海原をかき回し、この地を作ったとされる。
御神木とされている椿の木は樹齢800年以上といわれている。
長寿の神社として崇められ、地元ではぼけ封じの神社として奉られている。

ほんと…神社って色々あるな…
確かに椿の木らしきものがある…
これが樹齢800年とは…
なんか、すごいボコボコした木だ…

また少しの階段を上ると小さな祠があるが…
おみくじは入っているのか分からない状態だ…
お参りをして…
さて石を置いてみよう…
やはり、石の反応は無しか…

ここも違う…

ここは、日帰りで遊びに来たんだった。
鈴とは、休みの日に必ずと言っていいほど
ドライブに出かける。

少し、下を散策してみようか…
建物の前に行ってみたら、リニューアル中だという張り紙が…
人が1人もいないはずだ…
知らなかった…
鈴が目を覚ましたら、教えてあげよう。

よし、帰るか…
また、帰ってスマホで神社を探さないと…
夕方までに、どのくらいの神社に行けるのだろうか…

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