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【恋愛小説】君を助けるための石 13話

尊みことは鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…

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13話 浜田市の神社


鈴が倒れて4日目 8時


尊は、疲れていたのか…昨夜はぐっすり眠った。

よく寝た…

スマホを見ると…
鈴の親友の繭からラインが来ていた…

―――今日、10時頃に病院に行こうと思いますが、どうですか?

そうだった…
今日は繭に話を聞こうと思っていたんだった…

―――大丈夫です。よろしくお願いします。

10時か…
それまで時間があるから、朝食を食べたら神社に行こう。

尊は、簡単に朝食を食べ
スマホを開いた…

次の神社は…
島根県浜田市の神社か…

ここは、たぶん違うと思うけど…

順番に行かなければいけないからな‥‥
ま、行ってみよう。

尊は、写真の上に石を置いて…
目を閉じる…
そして目を開けると…
山の中の広い敷地だった。

ここに来たのは、一昨年の3月か…
そうだ…
俺が、鈴に内緒で宿を予約して行ったんだった。
浜田市金城町にある温泉旅館を予約して…
小さな旅館だったけど、ご飯がすごく美味しくて…
温泉も、貸し切りできたから、二人で入ったんだ…

女将さんに教えて貰った、幻の鉄道遺産を
翌日に見て回ったんだ…
それは、昭和の時代に2度工事着工したにもかかわらず戦争等の理由により未成線となった
広島と浜田を結ぶ広浜鉄道こうひんてつどう
あっちこっちに、遺構があって…
見て回ったんだけど、すごい良くて
写真を撮りまくった。

その帰りに、俺が行ってみたいって神社に行った。

その神社は、ウェスタンパークの更に上にある。
上からの眺めは最高だ…
小さな鳥居があって、小さな祠がある…
それは、オートバイ神社
ライダーの安全祈願と交流の場として建てられたそうだ。

尊は、若い頃はバイクが好きで大きなバイクに乗っていたこともある。
鈴は、いつも心配していた。
たばこを止めるから、大型のバイクを買いたいと言った時も…

―――タバコ吸ったからって、すぐには死なないかもしれないけど、バイクはヘタしたら死ぬから…

って言われて…ドキッとした。
それでも、俺はバイクを買ってしまったんだ…
結局、今はバイクも売って、乗ってないけど…
鈴は、いつもバカなことばかり言ってるけど…
時々、ドキッとすることを言う。
不思議なだ…

ここは、違うと思うけど…
一応置いてみるか…

祠に石を置いてみたけど…
石は、何の変化もしない…

やっぱ、そうだよな…
鈴は、オートバイには興味はないし…

ここの、上からの景色を見ていると…
鈴のことが嘘みたいだ…
しかし、現実は冷たい…

さぁ、帰って鈴の顔を見に行くかー

尊は、家の写真の上に石を置いて…
家に帰った。

よし、病院に行って
鈴の顔を見て…
繭さんに、鈴の話を聞こう。

何か手がかりがあればいいんだけど…
繭さんなら、何か知っているかもしれない…


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