【恋愛小説】君を助けるための石 19話
尊は鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…
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19話 広島県世羅郡の神社
鈴が倒れて5日目 8時
尊は、昨日はあまり眠れなかった…
鈴が、なぜ石を持って帰ったのか…
鈴が子どもが欲しいと思っていて、しかも諦めてなかったとして…
子授けの神社に行った覚えがない…
他に何かあるのか…
それを考えていたら眠れなかった…
でも、考えてばかりでは何も変わらない。
尊は、病院に行く前に神社に行くことにした。
次の神社は…
尊は、いつものようにスマホをスワイプする。
―――だんだん、スワイプするのが長くなって来たな…
あっ、ここだ…
それは、3年前の4月…
鈴とドライブに行った場所だ。
広島県の世羅にある高原に行って、花を見たんだ。
4月なのに、その日はすごく寒くて…
震えながら見たんだった。
寒いから温かいうどんを食べた…
二人で撮った写真もある…
その後で行ってみたかった、今高野山に行ったんだ。
その中にあった神社だ。
尊は、写真の上に石を置く…
そして目を開けると…
そこは、長い坂道にある参道の途中だった。
参道の途中に大きな鳥居がある。
そこを潜って、参道を上がっていくと
赤い橋が見えた。
右手には寺があり、正面に神社が見えた。
ここは、高野山の寺領として今高野山の寺の鎮守社として鎮座しており
江戸時代になると甲山の産土神をして崇敬されたそうだ。
紅葉の時期になると綺麗だそうで人気スポットでもある。
とりあえず、石を置いてみよう…
ここは、明神が二つある…
それぞれに石を置いてみた。
でも、石は光らなかった…
―――ここも、違うのか…
尊は、違うことにも慣れてしまった…
―――仕方ない…
―――帰るしかないか…
尊は、家に帰った。
すると…電話が鳴った。
それは、鈴の同僚の愛からだった。
「尊さん、今大丈夫ですか?」
「大丈夫ですよ。どうしましたか?」
「実は…思い出したんですけど…鈴さん、1週間に1回くらいは昼休憩に近くの神社に行ってました」
「神社にですか…知らなかった…」
「それが、1か月くらい前から毎日行くようになったんですよ。お昼に行くか、帰りに行っているようでした」
「それについて、鈴は何か言ってましたか?」
「お願いしたいことがあるからって言ってました。それ以上は聞いたらいけない雰囲気だったから、聞けなかったんです」
「そうだったんですね…ありがとうございました。助かりました」
鈴が、近くの神社にお参りに行ってたのか…
鈴の会社の神社といえば、あそこか…
何か手がかりがあるかもしれない…
行ってみるしかないな…
尊は、鈴の病院に行く前に、鈴の会社の近くの神社に行ってみることにした…
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