【恋愛小説】君を助けるための石 4話
尊は鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…
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4話 大洲市の神社
鈴が倒れて2日目 12時
すごい倦怠感に襲われた尊は…
気が付くと、病室で眠っていた。
―――ん?俺寝てたよー
慌てて目を覚まして…時計を見る。
―――もう昼か…
―――とりあえず、何か食べよう。
尊は、病院の食堂に向かった。
ごはんを食べながら…
スマホの写真を見る。
―――次は、愛媛県大洲市の神社か…
―――病室に帰ったら、すぐ行ってみよう。
―――お腹いっぱいになって眠くなってきた…
―――いやいや、寝てる場合じゃないぞ尊
―――よし!行くぞ。
ゴールデンウイークに
鈴と、5泊6日で四国に旅行に行ったんだった…
色々な所に行ったけど…
確か、神社はここだけだ。
事前に鈴が見つけていて…行ったんだ…
写真の上に石を置いて…
目を閉じて…開けるとそこには
鳥居が見えた。
鳥居をくぐると…先には本殿は見えない。
坂を上がると…
そこには、参籠殿が見えた。
由緒書には、昭和3年に地元有志により建設されたと記載されている。
参籠殿は、昭和9年に臥龍山荘を建築した中野○○の甥・中野○○によって設計され、神社の参道途中の傾斜面に「懸け造り」と呼ばれる特徴的な工法で建築されたそうだ。
確かに、斜面に経つ立派な建物だったから沢山、写真を撮った。
この神社は、名前の通り少彦名命を御祭神とし、全国でも珍しい「神様終焉の地」として建設された。家族の病気平癒、子どもの進学、それぞれの願いや思いを包み込み、癒す神社だと…
―――こうして、ちゃんと由来とかを見ると…
―――考えさせられるものがあるな…
―――鈴は、どう思っていたのかな…
幸い人がいない…
今のうちに石を置こう。
尊は、本殿に行き…
石を置いてみた。
しかし…石は光らないし…
何の反応もなかった…
―――やっぱりだめだ…
帰ろうとしたが…
尊には気になることがあった…
こうして来た時に撮った写真は、どうなるんだろう。
スマホに保存されるのかな…
そう思った尊は、斜面に立つ神社の写真を何枚も撮った。
おまけに、普段はあまりしないのだが…
自撮りもしてみた。
―――よし、帰ろう。
―――鈴のそばに帰るぞ。
そして、尊は病室の写真の上に石を置き
病室に帰った。
鈴の状態は変わらない…
いくら話しかけても反応もなく…
尊は悲しくなった。
―――そういえば…
―――写真はどうなっているのか?
スマホを開いて、アルバムを見てみた…
でも、そこには撮ったはずの写真は
一枚も無かった…
―――向こうに行っている時のことは
―――現実には、反映しないんだ…
―――自撮り…鈴に見せたかったのにな…
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