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【恋愛小説】君を助けるための石 22話

みことは鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…

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22話 出雲市佐田町の神社


鈴が倒れて5日目 11時


病室に戻って少しして…
鈴のお母さんから電話があった。

「尊さん、鈴はどう?」

「鈴は変わりないです…」

「そうなのね…何であの子は目を覚まさないんだろうね…」

「僕にも分からなくて…もしかしたら、鈴自身が起きようとしてないのかもしれません…お母さんに悩みを話したことはないですか?」

「そうね…昔は、子どもが出来ないことを悩んでいたけどね…最近は何も言ってなかったわよ。まぁ、私には、話さないかもしれないけど…」

「そうですか…鈴の様子が変わったらすぐ連絡しますから」

「尊さん、お願いね…」

鈴は、やはり子どもが出来ないことを悩んでいたんだな…
誰もがそう言っているもんな…
俺がちゃんと聞いていれば…

後悔したって後の祭りだ…
今は、鈴を助けることだけ考えよう。

尊は、次の神社を探した…

スマホをスワイプしていくが…
なかなか神社が見つからない…
次々写真をスワイプしていくと…

あった、これだ…
5年前の11月か…
島根県出雲市佐田町の神社か…

ん?ここは…
この日の朝に、鈴が突然この神社に行きたいって言ったから驚いたんだ…

俺は、まだ退院して間もなかったから
鈴が運転したんだ…
鈴と一緒に出掛ける時は、必ずといっていいほど俺が運転する。

鈴が免許を取ってから、俺が横に乗った時に
俺があれこれ言うもんだから…鈴が…

「もう、そんなに言われたら息が詰まる…」

って言ったから…反省したんだ。
鈴の運転が怖いってのもあるけど…

この日は、どうしても行きたいから私が運転するって聞かなかったんだ。

とりあえず、行ってみるか…

尊は、写真の上に石を置いた。
そして、目を閉じて目を開ける…
すると…
そこは、神社の入口だった。

目の前に鳥居があり、そこをくぐると参道が続いている。
右手に手水舎てみずやがあり、それを過ぎると随神門ずいしんもんがあって
その先に拝殿がある。

ここは、パワースポットでも有名な神社だ。
主祭神は、須佐能袁命すさのおのみこと
御神徳は、良縁子孫繁栄・家内安全・厄除け・除災諸障退散
七不思議でも有名だ…
奥に、樹齢1300年と推定される大杉がある。
拝殿以外にも、沢山の建物があったが…

ちょうど、拝殿に人がいないから石を置いてみよう。
ま、ここも違うかもしれないけどな…

尊は、拝殿に石を置いた…

すると、石が光って…
辺りが真っ白な光を帯びて…

目の前に、伊邪那岐神いざなぎしんが現れた…

「尊、やっと来たな…待っておったぞ」

「鈴が石を持って帰ったのは…ここだったんですね。早く鈴の目を覚まさせて下さい」

「まぁ、慌てるな…なぜ鈴が石を持って帰ったのか…知りたくないのか?」

「知りたいです…」

「では、これから見せてやる…」

すると…そこには、鈴が会社の近くの神社にお参りをしている姿があった…


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