【恋愛小説】君を助けるための石 2話
尊は鈴と結婚して10年…幸せに暮らしていた。
ある日、突然鈴が倒れてしまい意識不明となった。しかも原因が分からない…
そこに、伊邪那岐神が現れて鈴の原因は、鈴が持ち帰った石にあると言う。
その石を返せば鈴は助けられると…
尊は鈴を助けるために、過去に一緒に行った神社に石を返しに行くことにした…
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2話 北広島市の神社
鈴が倒れて2日目 9時
尊は、鈴の病院に行った。
夢ではない…
やっぱり、鈴は病院のベットにいた…
先生の話によると…
まだ原因は分かっておらず…
鈴の状態は変わっていなかった…
尊は、鈴のそばに行った。
「鈴、どこでこの石を持って帰ったんだい?」
と石を見せながら聞いてみたが
やっぱり、鈴は答えない…
夢なのか…本当なのか…分からないけど…
俺は、伊邪那岐神の言う通りにしてみるよ。
とりあえずは、スマホにある写真が頼りだ…
あとは、俺の記憶のみ…
大丈夫だろうか…
泣き言を言っている場合じゃない…
まずは、1ヶ月前に行った芸北に行ってみるか…
そこは、広島県の山県郡北広島町にある神社だ…
八幡高原にある神社で…
確か…ここに行くつもりじゃなかったのだが…
観光の看板を見て、鈴が行ってみたいと言ったんだった…
尊は、伊邪那岐神の言った通り
スマホの写真の上に石を置いてみた…
そして、目を瞑る…
すると、次の瞬間に目を開けると…
そこは、神社の前だった…
この神社は…
社叢林といって
社殿や境内を囲ように密生した林の中にある。
ここは穀物の神様で、室町から戦国時代に創建されたのではないかと言われているそうだ…
八幡地区は、昔は良く冠水したが、この社地を浮島と呼ぶように平地にありながら洪水の時でも、境内に水が入らなかったと伝えられている。
神社に向かう道は、一本道で大きな鳥居の次に赤い橋があって、そこには小さな川が流れている。
その次に木で作られた上部だけ赤い鳥居がある。
そこを潜ると…大きな木…
そして本殿がある。
神社の周りは田んぼだらけ…
風の音だけがする静かな場所…
―――良かった…誰もいない…
―――とりあえず、石を置いてみるか…
―――といっても、何処に石を置けばよいのか…
―――石があるような場所はないぞ
とりあえず、境内でお参りをして…
そこに石を置いてみた…
でも、石は光らない…
ここではないのか…
とりあえず、色々な所に石を置いてみたが…
石は光らなかった…
ここではなかったのか…
仕方ない…帰るか…
―――ん?どうやって帰るんだ?
―――そこを聞いてなかったぞ
尊は、慌てた…
ここに来る時は、ここの写真の上に石を置いたのだから…
今度は病院の写真の上に石を置けば良いのか?
とりあえず…病院の写真をネットで探して…
―――あったあった…
石を置いて目を瞑ってみた…
すると、病院の前に着いた。
何とか帰れたけど…
病室の写真も撮っておかないとな
随分、神社にいた気がするが…
本当に10分くらいしか経ってない…
鈴のそばに行くと…変わらず眠ったままだ…
よし、この調子で神社に行きまくるしかない。
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